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noteのお題やコンテスト応募用等で書いた作品集。色んな物語がつまっています。
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記事一覧

赤い実

小鳥のさえずりを聞いたのは、いつぶりなのか。いや、きっと毎日、あの鳥は鳴いていたのだろう…

利由冴和花
1か月前
13

雪のクリスタル

 鐘が鳴る。街ではイルミネーションがきらめいていた。凍える手には力が入らない。見上げると…

利由冴和花
5か月前
16

母屋の女

「いつになったら降りてくるんだ」  階段の下から、義兄の声がした。僕は、ろくに返事もせず…

利由冴和花
5か月前
21

彼女の瞳はキレイだ

 曲がったことが嫌いで、まっすぐな彼女はいつも一人だった。教室の片隅に、一人ぼっちの彼女…

利由冴和花
9か月前
21

落ち込んだ未來

 落ち込んだ未来を想像した。思い通りの日常なんて手に入らない。  私はいつも、思い通りで…

利由冴和花
9か月前
26

彼女が嫌い

 白い吐息は、美しい。凍える手をポケットにしまい、立ち寄ったカフェには、まだお客はいなか…

利由冴和花
9か月前
24

バスの窓辺に映る君

離れたのは君のせい。 放したのは僕のせい。 僕と君は似た者同士。 笑ったり泣いたり、ほら、もうすぐバスが来る。 「じゃあね」と手を振る君は、晴れ晴れとした顔をして乗り込んだ。 さよならってこんなに辛いものなのか。 僕と君は似た者同士。 バスの窓から遠くを見つめる君の瞳は、きっと涙で濡れている。

足早に

 追いかけることをしなかった僕は、二人の終わりを予感していた。青信号になった瞬間、目も合…

利由冴和花
10か月前
35

ふわり、ひらり

 ふーっと息を吹きかける。タンポポの綿毛は、空を舞い、ゆっくりと風に乗って飛び立った。こ…

21

線香花火

 地面に叩きつけられたその光は、パチパチと音を立てて消えていった。まるで二人の終わりを知…

65

帰らぬ人

 もうすぐあの季節が来る。波が僕の足を濡らしていく。  ーほらほら、迎えに来たよ。  …

25

焦りのピンキー

「何をそんなに焦っているのか」  僕は、事務所を飛び出した透子を呼び止めた。 「そんなこと…

19

ドロップに包まれて

 物作りに興味を持ったのは、小学生の頃だ。15歳も離れた姉が、妊娠をきっかけにハンドメイド…

14

春に散りゆく花びらと

「春は、出会いの季節だと思う?」 「え?」 「それとも、別れの季節だと思う?」  春子さんは、僕をからかうように言った。職場の窓からは、風とともに桜がゆらゆらと散っていくのが見えた。 「私は、出会いの季節だって思ってる」  春子さんの瞳は、何かを決心したようだった。次の日、春子さんは、職場から姿を消した。 * 「からかわれてただけよ」  春子さんがいなくなって2週間が経った。必死に探し回る僕に、職場の人は皆、呆れたようにそう言った。7つも年下の僕は、春子さんからみたら、き