明けてしまえば

枯れたと思っていた枝に
白い珠が連なっている
あ、梅のつぼみだ、と思うときの
「あ」という小さな叫びが
冬枯れのわたしにとっての
芽吹きの予感となる

ひとつ年が明けてしまえば
新しく始まる、という都合のよさに
寄りかかってはうたた寝をする
やみくもに絞めた固い結び目を
ほどくための指先をあたためながら

今日は花が ひとつ開くのを見た

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