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「しあわせになるおくすり」とまやかして和三盆糖舌に熔けゆく くれまちす、の響きを貝の空洞…
曖昧に微笑みあいてとどめのみ刺さずに進む温いぬかるみ 契約も約束もない関係に自惚れた日々…
黙りなさい慎みなさい噤みなさい 石礫吐くわたくしの口 かっさかさの声でも唄えうたうたい …
春雨に濡れる新芽はやわらかに行くべき方を示す矢印 絵が描けぬことを少々悔やむとき 若いみ…
汽車を待ち唱える呪文「itsunohika koko wo deteyaru」17の我 車窓には金の穂の群れ 苛立ち…
母親とはぐれて夏の由比ヶ浜 流れ着きたる幼きくじら 「見に行こう」せがむおんなの傍らでお…