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『投資するなら、まずNISA, iDeCo(イデコ)から』と合言葉のように言われています。実際に、2022年6月末の証券会社のNISA総口座数は1,109万口座で、2021年末と比較して0.1%増加。iDeCoは2022年10月時点で加入者が269万人を突破、10月だけでも5万人を超える新規加入者が発生しています。人気が甚だしいのがこれらの数字からも伺えますね。

出典:運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料(2020年3月末)」
※加入者数は各年3月末時点のもの
及び、iDeCo公式サイト

NISA、iDeCoのメリット

NISAのメリットはたった1つ。運用利益が非課税になることです。

一方、iDeCoは
1. 掛金が全額所得控除
2.運用利益が非課税
3.受け取る時に控除がある
メリットが3つもあるのでお得と思っている人もいます。

ですが、ここには大きな勘違いがあります。この勘違いを押さえて置くと
iDeCoを使って賢く節税して老後資産も増やせますが、押さえていないと、
60歳以降に損失を被る可能性があります。

iDeCo節税の勘違い

iDeCoで運用している資産は原則60歳以降からしか受け取りができません。そして60歳以降に受け取る時、その金額は全て収入と見做されます
ここが重要なポイントです。というのも、収入=課税対象だからです。

メリットの3つ目に「受け取る時に控除がある」とありますが、控除なので
全額は課税対象にしないよ、というだけのことです。これを以って節税と言われているのですが、iDeCoの運用資金の受け取り方によっては増税される可能性があるのです。

iDeCoで増税?!

iDeCoの受け取り方には、「一時金での受取」「年金での受取」の2種類があります。受取方法によりそれぞれ「退職所得控除(一時金での受取)」「公的年金等控除(年金での受取)」の優遇(≒節税)が受けられます。

iDeCoで受け取る金額にプラスして、年金や勤務先から退職金を受け取る場合、それらも合算して控除の計算を行います。よって、場合によっては控除しきれなかった受取額が退職所得として課税されます。

年金は雑所得として取り扱われ、総額によって控除額も税率も異なります。例えば、65歳未満の方で年金収入が129万円と、130万円とでは控除額が変わるので、所得の金額が変わります。(税金は収入から経費などを引いた、所得に掛かります。)
ここでのポイントは、たった1万円の収入の差で、発生する税金に大きな差が生まれる可能性がある、ということです。

引用:国税庁HP

iDeCoを一言で表すと

現役世代に支払う所得税を老後に支払う制度です。

これを知らずに60歳以降、無計画にiDeCoの資金を受け取っていると
運用利益のプラスより所得税の方が多く払ってしまう、という状況にもなりかねません。

iDeCoのご利用はくれぐれも計画的に。