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SUPER BEAVER 都会のラクダSP 行脚~ラクダフロムライブハウス~京都MUSE感想文

※あくまで個人の感想です。ツアーのネタバレはないと思いますが、気になる方はご遠慮ください。あとライブの感想というより私の話です、よろしくお願いします。

このビーバーのライブハウス行脚ツアー。(ぶーやんが言うには明確な終わりのないツアーとは言えないツアーだそうですが)もちろんチケットの争奪戦は熾烈を極めており。トレードまで粘ってみたものの、ホールツアーどころかアリーナツアーも外れた私が当たるはずもなく。指を咥えてメンバーのツイートやフォロワーさんの感想を見ていたのですが、京都MUSEはどうしても行きたくて行動を起こしてみたのでした。

しかし、これ、やってみて思ったけど、ほんとーーーに根性がいる。チケット探してます、って声に出して言うことは『チケットを持ってない状況』と向き合うことで、それは『ビーバーに愛される資格のない自分』を認識することで、もうこれが。めっちゃつらい。どんどん悲壮な気持ちになってくる。いっそ諦めて、自分はライブハウスツアーには関係ない人生なんだ、と思って生きる方がどんなに楽か。23日に予定を入れないこともつらいし、そもそもキャパが小さいから譲りますっていうツイートも見かけないし、無謀なことをしてる自覚もあった。これ、ここまでやって見つからなかったら、どんな気持ちでBEAVER MOVIEとかメンバーのツイート見るんやろうなあと思ったら、今すぐそんな現実から目を逸らしたくなった。
それでもなんとか最後まで頑張れたのはチケット譲ってくださいツイートにしてはありえない数のRTでした。フォロワーのみなさま、フォロー外のみなさま、本当に心の支えでした、ありがとうございました。だって、私が京都MUSEに行こうがどうしようが誰にも関係ないと言えば関係ないし、おもしろくないと思う人もいると思うし、それなのに拡散してあげよ、って思って下さるその優しさ(泣)それにこの人なら取り引き飛ばしたりしないって信用してもらえてる事も嬉しかった。
それと、やなぎの「チケット取るの難しいかもしれないけど、チャンスがある限りは諦めないでチャレンジしてみて」「また会おうね、ライブいっぱいやるね」っていう言葉が弱気になりそうな時の心の拠り所だった。これはのちに、本当の意味で身に沁みる事になります。
あと、愛のマシンガンツアーで奈良京都に連れてってくれたミキちゃんを、今度は私が京都MUSEに連れてってあげたい気持ちも大きかった。ミキちゃん、連番するはずだったHIGH!×3仕事で行けなくなって悲しかったし。

という訳で、TLお騒がせして申し訳ない……と恐縮しつつ、何度もチケット探してますツイートをした結果、ほんとうにギリギリ、前日の夜にDMをもらって無事にチケットを2枚譲ってもらえたのでした。前日の夜に譲ってもらえることが多いよ、だから最後まであきらめないでって話は本当だった。(まーちゃん、ここちゃん、ありがとう)
それにしても、SNSでチケットのやり取りをするのは毎回すごいドキドキする。騙されてもいいと本気で覚悟しておく必要がある。ここでも根性。
しかし今回譲ってくれたYちゃんもすごくいい子で、取り引きのために待ち合わせした時、あまりにいい子すぎて私とミキちゃんで「ほんまにいいの?大丈夫???せっかく当たったチケットやで?次のビーバーのライブ決まってる?」って心配しまくってしまった笑。Yちゃん、貴重なチケットをほんとにありがとうね。この先いい事がいっぱい起きますように!!!

京都MUSEは何度か行ったことがあったけど、なんせ最後に行ったのが2014年のスカパラなのであまり記憶がなく。しかもモッシュの波にもまれてステージがどれくらい見えたとか全然覚えてなくて。あと熱心にライブハウスに通ってた頃は若い整番しか取った事がなかったんだった。(それくらい身近なバンドばかり通っていたので)なので今回みたいなライブは初めてで。しかし足を踏み入れて思い出した。そうだ、狭かったんだわ。
整理番号が85と86だった私たちはちょうど真ん中あたりで、前には男の子がわんさかいるし、足元の場所が決まってるからライブが始まったら今までみたいにいい感じに動くこともできないし、あーもうこれは今日はなんも見えんな、まあでも中に入れてもらえただけで奇跡だし、と思っていたら、ちょうど隣に来た係のお兄さんが「椅子の上立ってもらっても大丈夫なんで~」と。は?椅子の上立っていいって言った?←これ心で思ってただけと思ってたら声に出てたみたいで笑、なんと、壁際のベンチに立たせてもらえて(たまたまベンチの前に立っていた)めちゃくちゃステージ見せてもらえたのでした。ああもう、ありがとう。「上り上り!」って言ってくれたミキちゃんもありがとう。

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↑これが奇跡のお立ち台。めちゃくちゃステージ見えた涙。
しかし完全に壁と同化するのでセンター寄りで
ぶーやんと目を合わせたい人には向かないと思います。
↓こんな視界。

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そして、ついにライブが始まって。私の最初の感想は「なんだ、4人で演奏するの、めっちゃ楽しいんやん、SUPER BEAVER」でした。

私のこのビーバーnoteシリーズを1から読んでくださってる方はご存じだと思いますが、私はビーバーは自分たちで演奏を楽しむタイプのバンドではないと思っていて。もはやそこではなくて、バンドと私たちの間に愛が生まれる瞬間を観たくてやってるバンドだ、と書いたこともあったんだけど。

なんだ、4人で演奏するの、めっちゃ楽しいんやん、SUPER BEAVER。

4人で演奏するというか、3人が演奏して、ぶーやんが歌うのがほんとに楽しいと思ってるんだなあ、ぶーやんも3人の演奏で歌うのがほんとに楽しいと思ってるんだなあ、って、涙が出た。
やなぎがこんな曲やりたいな、ぶーやんに歌って欲しいなって曲作って、みんなでそれをいいねいいねって汲んで、組み立てて、せーのでやってみる。そんな彼らの最初の姿が見えるようだった。
ひろぽんの誠実で朗らかで、でも思ってる倍以上煩くて最高なドラムの上を、煌びやかに艶やかに自由奔放にうねって刻むリーダーのベース。そんなバラエティ豊かなリズム隊に支えられて、爆音なくせに繊細で、細やかな情緒を伝え切るやなぎのギター。ぶーやんの、なめらかな、柔らかで優しいボーカル。そんな人たちが音を合わせることを楽しいと思っているこの状況に、もはや、この曲に対して私の気持ちがどうこう、とか、演奏してるのがかっこいいから私の気持ちが動いてこう、とかじゃなくてもう“滅私”みたいな感覚になって(なにこれ?神目線?笑)私の存在というか自我なんてもういらない、この尊さよ……という気持ちになってしまった。
それくらい、最初からみんなニコニコしてたし、ぶーやんもニコニコだったし、とにかくもうなんか、音が。まさにライブハウスでバンドが演奏してる音、だった。当たり前だけど。その当たり前がどんなに尊い事か。
全員がお互いの演奏を好きだと思っていて、お互いの音に音を重ねるのが楽しいと思っていることが伝わってきて、演奏してる曲が好きで、ぶーやんの歌が好きで。ビーバーのライブでここまでの感覚は初めてだったかもしれない。

なんせ私はビーバー歴が浅いので、今までで一番小さいハコでZEPP Hanedaだったんだけど、やっぱりZEPPでもステージで演奏を楽しむというよりは『客席に届ける』『客席に伝える』演奏だったと思う。ホールでも客席に届けたくて伝えたくて、なんとかしてぶーやんにいい歌を歌わせたいという演奏で、ぶーやんもその全部を背負って歌う、そこがビーバーらしくてエモくて大好きなわけですが、この日は最初からラフで、リラックスして、爆音の中で音の絡み合い響き合いを純粋に楽しんでる4人の演奏だった。ビーバーの4人は『SUPER BEAVER』がやりたくてバンドをしているんだと思っていたけど、ライブハウスでは4人ともまずその場その時限りのセッションを楽しむ姿勢を持ったミュージシャンだった。紛れもなく『音楽』だった。ほんとに彼らは心底ライブハウスが好きなんだなあ、と思ったし、原点なんだなあと思った。フロムライブハウスはまじで伊達じゃなかった。またSUPER BEAVERの秘訣が分かってしまった。(何回分かるねん、お前なんも分かってなかったんちゃうんかい、と自分でつっこんでおきましょう)

例えば、私たちもホールへ行く時とライブハウスに行く時って準備も心持ちも全然違うように、彼ら演奏する側も全然違うんだと思う。朝からの行動、入りの感じ、楽屋、そしてステージ。その全部が体に馴染んでいて、愛していて、だから気負わずに本領が発揮できるんだろうな。
そしてこの行脚ツアーは『今の状況でライブハウスをライブハウスにするために』やっていて、そこにはライブハウスに関わる人達との関係性も入ってると思う。それは私たちが一緒に働いてる人たちへ抱く気持ちと同じで、良い関係性を築ければ嬉しいし、いい仕事をしようと思う、彼らはそれを各地のライブハウスとダイレクトにしたいんだと思う。(とっても余談ですが、ライブハウスの店長って精神的にも肉体的にもめちゃくちゃしんどいお仕事だと思う。近しい関係でずっと仕事を見ていた時期があって、ほんまに毎日私まで胃がキリキリした。だから今、業界がどんな苦境に立たされているか想像に難くないし、そんな中アリーナ売り切っちゃうビーバーが来てくれるなんて、どれだけ勇気づけられるかと思う。だからやっぱりそこはさすが我らのSUPER BEAVER誇りに思う)

この行脚ツアーに対してわりとモヤモヤしてたことは確か。バンドの活動に物申したい訳でもなく、いつだってどんなことだって、バンドが思うように好きなように健やかに、のびのびと活動して欲しいと強く願っている。なのでこれはただの市井のいちファンの無責任な愚痴みたいなものだけれど、例えばグランドスラムに出れる実力があるのに草トーにエントリーしてきて、そりゃ勝つよね、みたいな。本当の本当に一握りの人しか行けないのに「年間100本やってるし」と言われても、とか。そこで100本消耗するなら行きたい人が行けるキャパでやってほしい。とか。そりゃみんな行きたいし、羨ましく思っちゃうよ、とか。チケットの当選確率ってバンドのステータスなの?とか。ライブハウス側は向いてるけど、ファンの方向いてないよね?とか(めっちゃ愚痴出てくるやん)。でもなあ、そっか、こんなに好きで楽しくて、バンドの原動力になるなら仕方ないなあ、って納得させられてしまった。

そこで話は最初に戻るわけですが、だからやなぎが一番悔しいのが「チケット取れないからもういいです」って諦められることなんだって身に沁みて思った。大多数の人がチケットを手にできない、それも分かってる、でも諦めないでほしいって、ライブハウスでやりたいって思う気持ちと同じくらい思ってるんだと思う。(ぶーやんは心根がめちゃくちゃに優しくて柔らかいからこちらの気持ちに寄り添ってしまって、取れないって言われてもそれはそうだからどうしていいか分かんないんだと思う笑。でも参加できた人達はほっといても幸せなんだから、行けなかったみんなをケアすることを考えていった方がいいよ、と老婆心ながらおばちゃんは思う)このジレンマ、もしかしたらビーバーは一生戦って行かなくちゃいけないかもなあ。ううう、ツライけど。誰か賢い人なんかいい方法発明してください。順繰りにみんなが行けるチケットシステムみたいなやつ。

ライブに話を戻すと、常々、もっとメンバー同士がお話するような、楽しいMCをビーバーもしたらいいのになあ、と思ってたんですが、そっか、それはもうヨンコイチだから無理なんだな、って悟ってしまった。がっちり4人でステージに立ってるから(例えば他のバンドは1対1対1対1だったりする。だから会話が生まれる)今さらそこに会話がないもの当たり前だったんだな。

とある曲でやなぎにギターソロを振ったぶーやんが、やなぎが真ん中のお立ち台に乗って弾いてる間に、ギターアンプの上に置いてあったやなぎのタオルで汗拭いてたりとか(すぐそういう事する!)、
やなぎのピック弾き→ピックを薬指と小指で挟んで指弾き→ピック弾きも間近で観れたし(かかかかっこいい)、
ぶ「次の曲やなぎかっこいいカウントで始めて」
や「えっ!?かっこいい!?かっこいいやつ!?えええ!」
ぶ「うん、かっこいいやつ」
や「……ワーン、ツー、…」
ぶ「はい、ふつー」
客席「(ニッコリ)」とか、
あーやなぎってフロアと目が合ったらそんな風に笑ってあげるんだなあ、破顔ってこういう事だよなとか(私は壁と同化してたので目合わず。でも滅私してたからいいんだ笑)
ライブの、ライブハウスの楽しさも大爆発でした。と、ここまで書いて、この日のぶーやんのツイートも大爆発だったな、って思い出した。

あと、この日のやなぎのツイート、この写真を選んだのすごく分かる。こんな日だったね。とっても、バンドだった。向き合って、バンドだった。『納得していく』って表現、泣いた。

この曲のここがこうで!ああで!って書きたいけどセトリに関わってしまうので、最後にこの日一番グッときたぶーやんのMCだけ。

「歌わせてくれて、4人でいさせてくれて、SUPER BEAVERでいさせてくれて、ありがとう」



おまけ。楽しかったこの日のアルバム。

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(Photo 私、ミキちゃん)

LIVE DATE
2021/9/23(Thu) KYOTO MUSE
都会のラクダSP行脚~ラクダフロムライブハウス~

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