ウイスキーをストレートで飲める人と飲めない人の違い。

お酒は好きだけど飲むものは限られていて、一番よく飲むのは酎ハイにビール、次がウイスキーとラム、最後が日本酒とワインって感じだと思う。この順番には翌日のダメージが比例しています。

ウイスキーはバーボンがメインでスコッチを少々、シングルモルトは好んでは飲まなくなりました。なんか気合が必要でしんどい。

って昨日はグレンモーレンジ飲んでませんでしたっけ?ハイランドは穏やかなんでちょぼちょぼは飲めます。塩っぽいorスモーキーなアイラはキツイ。ラフロイグとかはソーダ割りにしてしまう感じ。ソーダで割ると甘いのよ。

しかし、それは本題ではないのです。

本題はウイスキーをストレートで飲める人と飲めない人の違い。ほとんどの人は飲めない。飲める人との違いは、要するに味わい方を知っているか、知らないか。必ず知る必要もないんだけど、知っていた方が面白い、かも。

これは意外と盲点というかフツーは考えないお話で、食べ物・飲み物は口に入れれば味は分かるから味わい方なんか考えない。そうですよね?

ラーメンは食べれば誰でも味が分かる。コーヒーやビールもまあそうでしょう。しかし、アルコール度数が高いハードリカーというヤツはそうはいかないのです。色々と面倒になる。

今、「そこまで苦労して飲まんでも」という考えがチラッと脳裏を過った。

ウイスキーをソフトドリンクみたいに飲むとマズイ。ってかアルコール度数がだいたい40-50度なんでキツくて飲めない。むせる。むせ返って舌じゃなくて鼻の孔で味わってしまう可能性さえある。イタイ。

これで旨いとか思ったらヤバイ。鼻孔にウイスキー、マゾの世界。

フツーにバーに行ってマスターと仲良くなってお酒を勧めてもらうと、初めての場合は飲み方も教えてもらえます。それでようやく味わい方を知る。それがウイスキーなのですね。

んじゃあ実際のところどうやって飲むモンなのよというと、これは経験も踏まえてなんですけど、ウイスキーをストレートで飲む場合はチェイサー、ようするにお水は必須。

ストレート・ノーチェイサーとかムリ。チャレンジしない方が無難。

ないと喉焼ける。お水である必要は特になくて、牛乳でもいいし、ソーダ水でもOK。個人的にはソーダ水にレモン汁を落としたのがスキ。

んで、グラスは小さいショットグラスはイマイチお勧めでなくて、ロックグラスの方がいいっぽい。万が一スニフターがあればそれが一番いいんだろうけど、スニフターと聞いてもワケ分かんないでしょうからナシの方向で。

そんなモンがフツーの家にあってたまるか。

ロックグラスに1ショット=30mmのウイスキー、チェイサーを用意。これでお酒が飲めるわけですけども、いきなりグビッと呷ると大変なことになる。なもんで、最初は舐める。舐めるというか唇を湿らせる。最初はこれだけでもけっこう刺激的というかスースーする。さすがアルコール分40%です。

その時に香りを感じて下さい。必ず感じるはずです。

プラモ作りでお世話になったセメダインの臭いを。

いやいや、明らかにそれはいい匂いではないでしょう、と。仰るとおり、このセメダイン臭がウイスキー最大の難関であってマズイと言わせしめる原因の一つ。コイツを何とかしないとウイスキーをストレートで味わうことは難しい。セメダインの味見で終わる。

じゃあどうすんのよ?

実はコレ、慣らすしかなかったりするのですね。最初にウイスキーで唇を湿らせる理由もコレ。鼻を香りに慣れさせるのです。何度か唇を湿らせると徐々に鼻が慣れてくる、バカになっているとも言う。

で、その先にある柑橘系やチョコレートや焦げた匂いが分かるようになってくる。こうなって初めてウイスキーの香りが分かるようになるのです。

これがけっこうハードル高い。なぜならチェイサーは飲まずにやらないとうまくいかない。チェイサーを飲むとリセットされてしまったりするのよね。だから唇を湿らせるホンの数滴が勝負。

クッと「口の中にウイスキーという液体があるな」と分かる量を口に含めるようになると、そこからはけっこう別世界になります。

不思議なモンでそれからはチェイサーを飲んでも影響しない。たぶん、味わい方を覚えたってことなんかなあ、と。

舌に絡ませるように飲むと味が分かる感じになってそれがウイスキー本来のお味。甘かったり酸っぱかったり塩辛かったり苦かったり賑やかです。

ここまで来るのに30分くらいかかりました、書くに。実際に飲むのは1分もあればできるんですけど。

んでまあ、おつまみがあっても悪くないです。

チョコレートとか。特に苦くて糖分少ないヤツとかだとウイスキーの甘みがよく分かったりします。胃を労わるならチーズとか脂分が多い食べ物がいいけど、胃を労わりたい時にはウイスキーとか飲まない方がいいと思う。

飲み方についてもう少し補足しておきますと、ウイスキーというとロックが一般的と思いますが、ロックは実は辛味が立ちやすい飲み方でしてウイスキー慣れしている人やちょっといいウイスキーを飲む時はイマイチ。

ロックはロックで味の変化を楽しむイイ飲み方なんですけどね。

バーボンで最も手に入りやすいアーリータイムズやジャックダニエルもストレートで飲むとけっこう甘く感じます。むろん、ちょっといいウイスキーにはそれはそれで別の楽しみ方があります。

そんなワケで、極めて日常的な何かを飲んで味わうという行為でも知っていると知らないとでは感じる味が全然違ったりする。そう考えると、それ以外の食べ物、飲み物や日常的に接している諸々においても適切なやり方を知らなくて損をしていることは多々あるかも知れんなあ、と思うのですよ。

石清水八幡宮に行ったつもりが極楽寺と高良神社に参って帰ってきました、ということは案外多いのかも知れませんよ、というお話でした。

以上、飲みながらのご報告でした。エズラブルックスおいしいです。

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