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哲学に出会い、前よりも前向きになれた話

この記事はごく普通の社会人である私が哲学との出会いをきっかけに、長年の課題であった漠然とした不安、自己肯定感の低さ、ネガティブを克服するに至った経緯をまとめたものになります。

以前の自分

はじめに軽く自己紹介をしておくと、私はごく一般的な日本企業で働く社会人です。哲学を知る前は以下のような日常を送っていました。

  • 同じような日々の繰り返し

  • サウナと筋トレで精神を維持

  • 将来に対して漠然とした不安がある

  • 幸福になりたいが、方法が分からない

周りに合わせて何となく就職し、何となく働いているだけの日々。自己啓発もたまにするけど、どうもピンとこない。哲学に関しては偏見にまみれており、ちょっと偏屈な人がこねくりまわしている学問?というひどいイメージを持っておりました。(コクリコ坂が好きなので、かの哲学研究会が腫物扱いされているのにも影響されていたかもしれません。)

ある本との出会い

ある日、友人が愛読書として次の本を紹介してくれました。

ドイツの哲学者エーリッヒ・フロムの本です。ものすごくざっくり要約すると、「人は孤独を解消することが一番の欲求で、孤独の解消には愛が必要、だが愛するということは技術であり、修練が必要だ」と説いた本です。フタを開けてみればバリバリの哲学書だったのですが、紹介された時は哲学のワードを出されなかったのですんなり読めたのだと思います。

とにかくこの本を読んで、私が知りたかった幸福について事細かに論じられていたこと、さらにこの本が1945年ごろの出版にも関わらず現代にも通じる話であったことに衝撃を受けました。その勢いのまま名著と呼ばれる本に興味を移し、哲学に触れていくことになります。

広く浅く、哲学を知る

名著と言ってもよく分からないので、浅はかながらとりあえず目についた色々載ってる本をチョイスし、読んでみることにしました。

この本はソクラテスやマルクスといった歴史的に有名な哲学者や宗教家の本を、それぞれ4-5ページほどにまとめたカタログ的な内容になっております。60冊ほどあるので教養にもなります。私は幸福になる方法を哲学に求めていたので、「幸福について語っているのは誰だ!」と血眼になって読んでいきました。

結果的に幸福になるそれらしい方法を見つけ、さらに社会がどうなっているか、自分が置かれている状況、宗教が果たしてきた役割、などなど生きる上で使えそうな情報まで入手できたのです。お目当ての幸せになる方法は、自分だけでなく他人を愛すること創造的な仕事をすることでした。自己中心的な人がいつもプリプリしているのも納得ですね。ちなみに根拠は「幾人かの過去の偉人達が似たようなことを言っているから、大方それが幸福になる方法だろう」という考えです。

哲学は物事を切り分けることができると言いますが、確かに以前よりも世の中の事象が明確にわかるようになった気がします。特に、何が自分の幸せに繋がるのかがハッキリしたので、将来への漠然とした不安もかなり軽減されました。ただ、これだけでは足りませんでした。

幸福論でネガティブを克服

幸福になる方法を身につけたものの、何故か一向に日々は幸せにならない。より具体的な方法を求めて次の哲学書を手に取ります。

フランスの哲学者アランの本です。タイトルからしていかにも幸せになりそうでしょう?この本は93のプロポ(短編小説のようなもの)からなる内容で、幸福になる方法というよりは「不幸な人ってこうだよね」をつらつらと述べた本になっております。

ここで一つ例を出してみましょう。そうです、会社の食堂ですっかり肩を落とした彼のことです。

  1. 彼は珍しく朝寝坊をしてしまいました

  2. 天気は土砂降り、服が濡れてしまいます

  3. トラブルにより通勤電車はぎゅうぎゅう詰めの満員

  4. そんな日に限って上司は機嫌が悪く、会議が長引きます

  5. なんとか乗り切り、昼休憩に入りました

ネガティブな彼はこう考えているのではないでしょうか。「ああ今日はなんて日だ。どうしてこんなに運が悪いんだ。だいたい自分はいつもこうだ。。。」と。さてここで俯瞰してみましょう。彼を取り巻く環境は、すっかり乾いた服に、いつもの昼食スペース、美味しい食事です。何が言いたいかというと、不幸な出来事は終わっているにも関わらず、それを脳内で再生し何度も苦悩を味わっているのは彼自身ということです。そうは言っても不幸を味わってしまうのが人の性。

そんな時アラン流では、両手を挙げて伸びをしながらあくびをします。他にもやれやれという風に肩をすくめる、口角を無理やり上げるだけでも効果があります。つまり、ネガティブ感情を頑張って抑えるのではなく、ネガティブになったらポジティブなポーズを取ろう、ということです。自己肯定感についても同じことが言えるでしょう。「自分はなんてダメなんだ」と思い始めたら伸びをすればいいだけなのです。まとめます。

  • ネガティブ感情に浸っているのは自分

  • 感情と体の特徴は以下

    • ネガティブ感情を意志の力だけで抑えることは出来ない

    • 筋肉は自在に動かすことができる

    • 感情は体の状態と密接に関わっている

  • つまり体を動かしてポジティブな姿勢を作り、ネガティブ感情を飛ばす

私も実際に会社で気分が落ちている時にやってみましたが、びっくりするくらいネガティブな感情が飛んでいったのを覚えています。この学びにより、私を長年悩ませ続けていた自己肯定感の低さとネガティブさを克服するに至りました。

個人的には自己肯定感は高い/低いの2値ではなく、間にフラットな状態があると思っています。低い → フラットへの遷移はアラン流で対処可能のはず。ただしフラット → 高いになるには愛が必要というのが持論ですね。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。次回はアラン流も交えつつ仕事における幸福について考えます。

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