見出し画像

海外で体外受精:PGT-Aのために凍結胚を転院させた件

3回目の採卵周期。胚盤胞に到達した3つの卵たちは続いてPGT-A(着床前染色体検査)に進みました。実は、このタイミングを目指して、採卵準備をしつつも裏で凍結胚の移送に動いていました。


移送を決めるまで

ふりかけ法受精ではPGT-AできないクリニックBで、検査してもらえないまま凍結された胚がありました。

ふりかけ法受精でもPGT-AしてくれるクリニックGに転院したあとも気にかかっていたので、通算3回目の採卵周期を控えたオンライン問診で主治医にダメ元で聞いてみたら、凍結胚の受け入れも検査も両方できるというお答え。

そこで、この子を転院先に移送して、3回目採卵で新しくできた胚と一緒に検査してもらうという荒技を決行することにしましたが、これがまた未知の世界でスリリングでした。

移送完了までの流れ

まず、クリニックから紹介された専門の運輸業者への問い合わせから始まりました。

業者見積り

保管元と移送先のクリニックへの同意書提出

業者への移送申し込みのためには公正証書が必要で、しかも申込書原本と一緒に郵送しないといけないとのこと。これが完了しないと、輸送日が確定しません。

チェコでは郵便局で発行可能という話だったので、行ってみたら英語の書面には対応できないと発覚!
チェコ語バージョンをもらって印刷しておくべきだったのですが後の祭り。
その日に送らないといけなかったのでさあ困りました。

プリントできる店を見つけてチェコ語バージョンを印刷するか?
英語文書に対応してくれる公証人を見つけるか?

結局同じ街で開業している個人の公証人事務所を(夫が)見つけて、英語対応と確認してから、終業直前に滑り込んで証書を発行してもらいました。

証書を郵送したら、PDFバージョンをメールして、無事、輸送日を確保。

あとは業者と両クリニックの輸送部門に移送を、そして転院先の培養士にPGT-Aの検体採取をおまかせする、という流れでした。

移送と生検にかかった費用

融解・再凍結・保管:約5万円
PGT-A:約6万5千円
凍結移送:約3万円
両クリニックへの手数料もかかっています。
これでもし、異常胚だったら移植できないので、15万以上をドブに捨てることになる。

というかこの費用の半分以上は、クリニックBがPGT-Aしてくれてたら払わなくてよかったお金なんですよね。。
私たちに「未検査でも移植してみよう」という勇気があったのなら全額必要なかったんですけど。

そもそもPGT-Aは、胚の質や遺伝子異常を改善することはできません。あくまでも、ありのままの胚の染色体が正常か異常かの白黒をつけて、移植ごとの成功率を上げるためのものです。

こうして考えると、そこまでして染色体の状態を知る必要・価値があるのかどうか? 検査が終わった今でも疑問は残っています。
未検査で移植するという選択肢もありました。もし異常胚だったら着床しないか、流産するか、障害のある子が生まれるかもしれないけど、もし正常胚だったら妊娠するかもしれない、という違いなのですが。
異常胚をそうと知らずに移植することが、とにかく怖かったし、とにかく子供が欲しくて、視野が狭くなってたのでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?