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海外で体外受精: 顕微授精へのプッシュにどうする?


さて、主治医に半分はふりかけ法(通常の体外受精)でやりたいと伝えると、渋い顔をされました。どうもこのクリニック、基本は全部顕微でやってるっぽい。
外国人向けの英語の基本IVFパッケージにはすでに含まれてました。


クリニックの言い分

  • もし精子のせいで受精に失敗した場合、顕微でなら受精できてたかもしれない卵のロスが生じる

  • 年齢的に、卵子の数が採れないこちも多い。貴重な卵を無駄にしたくない

  • ふりかけだと精子の遺伝子情報が混入して誤診になりやすいので着床前診断(PGT-A)には顕微授精が前提

クリニックの言い分もわからなくはないですが、どうも顕微授精というものは、特にヨーロッパ(大陸)では主流なんだそうですが、乱用されているという意見も少なくなく、日本のクリニックのブログでも、顕微を勧める様々な理由がことごとく否定されています。

私たちも、高齢だから、奇形率要因があるからって、患者の意向に反して全部顕微は行き過ぎだし、強制はできないはずとわかっていたので、前日までリサーチしまくって理論武装して採卵に臨みました。

採卵直前にした交渉

採卵は朝早く始まります。
普通は7時代から9時頃までまとめて実施するものらしいです。
精液採取&提出、受精卵を培養器に入れるまでの流れ、その後の受精卵発育報告の効率が良いのでしょう。

早起きして来院後、担当医との採卵前最後の面談が始まりました。
最終的選択権はこちらにありますが、ちゃんとやってもらうためのコミュニケーションはこの面談にかかっています。
顕微授精をするには、卵丘細胞という、卵のまわりを囲む細胞を取り除く必要があるので、どうするかを採卵前に決めておかないといけないのです。

こちらの主張

  • 受精率は多少上がるかもしれないが、出生率には差がない

  • 子供が先天性奇形になるリスクはできる限り避けたい

  • 顕微授精しなくても着床前診断はできるはず
    (「男性因子でない場合の体外受精と顕微授精の正常胚率」の研究まであるくらい)

  • 精液採取のあと、受精させるまでに時間があるのだから、所見が出てから決めたい

  • 万一ふりかけで受精しなかった場合、レスキュー顕微すればいいのでは

と、私たちの考えと意思は固いことを伝えて、媒精:顕微を半半で実施、精液所見が極端に悪い場合のみ全顕微に切り替え(ふりかけ→レスキュー顕微)としてもらいました。

※画像はWikipedia "Intracytoplasmic sperm injection"からお借りしました


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