甘味×塩味=無限大 【あまシオ】

私は一国の姫、メアリー。今日は初仕事と言われ
連れられた場所。そこは──。

群がる群衆、飛び交うヤジ
少し上をみて周りを見るといつでも狙える位置に
狙撃手が
その大きな大きな舞台の中心には手足に枷をつけた大罪人が座っている。
そう、ここは処刑場だ。

第0話 一国の姫のお仕事

罪は詳しくは聞かせていないけれど
危険物を持ち込み、この国を破壊しようとしたとか。

私の仕事はこの人を裁くこと。
『私をお許しください』と言われたら
「ならば、許しましょう。神のご慈悲の為に」と手を前に出すだけ。
簡単な仕事。
そう、簡単な仕事、大丈夫、大丈夫。
と気持ちを整えながら罪人の元に行く。

すると罪人の口から言葉が発せられる。
『───。誕生日──でとう。』
周りの音で所々聞こえなかったが、優しく笑う罪人、こんな人が本当に悪い事をしたのか。そう思っていると後ろポケットから
アルミホイルに包まれた物を私の手に乗せる。

『『姫様危ない!!』』
狙撃手の弾丸が彼を貫いた─。
身につけていたドレスや、手に持っていたものが
赤く染っていく....。
朦朧とする彼の口から
『見つけてくれてありがとう...み...さ...』
口から血を吐き息絶える。
その瞬間目から涙が止まらず思わず叫んでしまった──。


................................
................
『さき....』
.......
『....みさき』
『みさき!早く起きろ!』
その声で目が覚めると私の幼馴染みが
肩を揺さぶっていた。

『お前なんで泣いてんだよ。怖い夢でも見たか?』
からかいながら笑う幼馴染に苛立ちを覚えた─。

続く─。



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