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初めてのルーティング(1日目)

インフラエンジニアとして新入社員で配属されて早3年経ちました。当初やりたいことが無かった私ですが、現場で仕事をする内にネットワークに興味を持ちました。ネットワーク系の外部講習またはそういった現場への異動を希望するものの、どちらも難しいとのことだったので、自費でネットワーク講習会に赴いて勉強してきました。初めて触れたL2スイッチ/L3スイッチは感動ものでしたので、学んだことをメモしておきます。

1. リピーターハブとPC間の疎通

■目的:同ネットワーク間でのネットワーク接続

図1のようにPC間でネットワークが接続できるか検証しました。PCAとPCBがリピーターハブで接続されているため、デフォルトゲートウェイの設定は不要です。

※デフォルトゲートウェイ=ルーター

図1

図1 リピーターハブとPC

ここでポイントとなるのが、以下二点です。

・ネットワークアドレス
・サブネットマスク

図1環境では、同じネットワークアドレスが設定されています。もし、PC Aが「192.168.0.1」等の別のネットワークアドレスだった場合、PC AとPC Bは疎通不可になります。疎通するためには「ルーター」が必要になるわけです。

route printの出力の通り、同ネットワーク宛先しか表示されていません。

route print

IPv4 ルート テーブル
===========================================================================
アクティブ ルート:
ネットワーク宛先        ネットマスク          ゲートウェイ       インターフェイス  メトリック
        10.0.0.0    255.255.255.0            リンク上          10.0.0.1    281
        10.0.0.1  255.255.255.255            リンク上          10.0.0.1    281
      10.0.0.255  255.255.255.255            リンク上          10.0.0.1    281
       127.0.0.0        255.0.0.0            リンク上         127.0.0.1    331
       127.0.0.1  255.255.255.255            リンク上         127.0.0.1    331
 127.255.255.255  255.255.255.255            リンク上         127.0.0.1    331
       224.0.0.0        240.0.0.0            リンク上         127.0.0.1    331
       224.0.0.0        240.0.0.0            リンク上          10.0.0.1    281
 255.255.255.255  255.255.255.255            リンク上         127.0.0.1    331
 255.255.255.255  255.255.255.255            リンク上          10.0.0.1    281
===========================================================================

2. ルーターを介したPC間の疎通

■目的:異なるネットワーク間のネットワーク接続

ネットワークアドレスが異なる場合のPC間の疎通を検証します。図2の通り、リピーターハブではなく、今度はルーターを用います。

図2

図2 ルーターとPC

まず、図2の環境で設定が必要になるものは下記です。今回はルーティングテーブルの設定の必要はありません。

・PC AとPC Bのデフォルトゲートウェイ(=IPアドレス)設定
・ルーターのNICのIPアドレス設定

今回検証で使用したのは、Ciscoルーター1841です。インターフェースf0/0およびf0/1のIPアドレスは図3の通りに設定することとします。

図3

図3 ルーターのIPアドレス

2-1 PC AおよびPC Bの設定

①ネットワーク設定を行います。

PC A:IP address 10.0.10.1/24 GW 10.0.10.254
PC B:IP address 10.0.20.1/24 GW 10.0.20.254

②ipconfigの出力確認を行います。設定した値が表示されていること。

イーサネット アダプター イーサネット:

  接続固有の DNS サフィックス . . . . .:
  IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 10.0.10.1
  サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0
  デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: 10.0.10.254

③route printを確認します。

ここでネットワーク宛先に0.0.0.0のエントリが増えていることを確認してください。これは別のネットワークアドレスを指定した場合、ゲートウェイ(ルーター)に聞きに行くようルーティング設定が追加されています。

固定ルートの欄も追加されていますね。

IPv4 ルート テーブル
===========================================================================
アクティブ ルート:
ネットワーク宛先        ネットマスク          ゲートウェイ       インターフェイス  メトリック
         0.0.0.0          0.0.0.0      10.0.10.254        10.0.10.1    281
       10.0.10.0    255.255.255.0            リンク上         10.0.10.1    281
       10.0.10.1  255.255.255.255            リンク上         10.0.10.1    281
     10.0.10.255  255.255.255.255            リンク上         10.0.10.1    281
       127.0.0.0        255.0.0.0            リンク上         127.0.0.1    331
       127.0.0.1  255.255.255.255            リンク上         127.0.0.1    331
 127.255.255.255  255.255.255.255            リンク上         127.0.0.1    331
       224.0.0.0        240.0.0.0            リンク上         127.0.0.1    331
       224.0.0.0        240.0.0.0            リンク上         10.0.10.1    281
 255.255.255.255  255.255.255.255            リンク上         127.0.0.1    331
 255.255.255.255  255.255.255.255            リンク上         10.0.10.1    281
===========================================================================
固定ルート:
 ネットワーク アドレス          ネットマスク  ゲートウェイ アドレス  メトリック
         0.0.0.0          0.0.0.0      10.0.10.254     既定
===========================================================================

クライアントの設定は以上です。ネットワークに接続できないといった問い合わせの多くはデフォルトゲートウェイ設定不備が多いそうです。

2-2 ルーターの設定

①ルーターのIPアドレス設定およびインターフェースの有効化

ルーターにコンソール接続して、以下のように設定をしていきます。インターフェースを選択して、そこにIPアドレスとマスクを設定している感じです。ルーターは特権モード以外にも設定モードがあるようです。。Linuxでいうviの代わりみたいな感じなんでしょうか。

Router>en    //特権モード切替

Router#conf t    //グローバルコンフィギュレーションモード
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z
Router(config)#int f0/0
Router(config-if)#ip address 10.0.10.254 255.255.255.0
Router(config-if)#no shut
Router(config-if)#end

Router#sh ip int bri
Interface	IP.Address	OK?	Method Status	Protocol
FastEthernet0/0	10.0.10.254	YES	manual	up	up
FastEthernet0/1	unassigned	YES	unset	up	up

Router(config)#int f0/1
Router(config-if)#ip address 10.0.20.254 255.255.255.0
Router(config-if)#no shut
Router(config-if)#end

Router#sh ip int bri
Interface	IP.Address	OK?	Method Status	Protocol
FastEthernet0/0	10.0.10.254	YES	manual	up	up
FastEthernet0/1	10.0.20.254	YES	manual	up	up

ルーター側の設定はこれにて完了です。

このようにして、異なるネットワークへの通信はルーターを介する必要があります。今回はルーター1台の場合のため、ルーティングテーブルの設定をせずとも、接続が可能になりました。2台の場合は次項でご紹介します。





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