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メイクアップレッスンに行ったら顔が縮んだ

 リアルタイムの話ではないのだけれど、先日、資生堂のメイクアップレッスンに行ってきました。

 私はもともとメイクにそこまでポジティブな印象を持っていなかったのだけれど(理由1位は「めんどくさいから」であり、2位も「めんどくさいから」です)、今後の人生に役立つ気付きがある有意義なレッスンでした。
 その気付き2つを備忘も兼ねて記載します。

1.コンプレックスは「客観的事実」ではない

 顔に何らかのコンプレックスを持っている人は多いと思います。目が小さいとか鼻が低いとか唇が厚いとか丸顔だとか。コンプレックスとまではいかなくても、「ここは私の欠点だな」と思う箇所。私の場合、「面長であること」がそれでした。10年は前からそう思っていました。
 レッスン前に担当のお姉さんから「このレッスンで特に何を訊きたいですか?」とか「気になるところはあります?」など色々とヒアリングされます。その時私は素直に伝えたんですね、「面長が気になる」と。
 途端、お姉さんが明らかに「そんなことないが?」という顔をしました。実際に「そんなことないが?」と言われました。いや実際はもっと柔らかく言われましたが内容は同じです。
 そう言われた時点では「そうですか-?(笑)」など言いつつお姉さんの言葉を全く信じていなかった私ですが(セールストークだと思ったので)、結論から言うと面長でなかったです。実際。

 私が受けたレッスンは、まず「専門機器で顔のバランスを分析する」ものでした。真正面から写真を撮られ、その顔が「ザ・平均顔」とどれだけ違うか? を細かく見ていきます。勝手に「ザ・平均顔」と言っていますがつまりは日本人女性の標準顔で、レッスンではゴールデンバランスと呼ばれます。AIで作成したらしき、実在しない標準顔の女性の写真も見せてもらったのですが、あくまで「標準の顔」であって「超美人」には見えなかったのが興味深かったです。
 で、顔を撮られて「標準顔」と比較した結果、私の顔の長さは標準とほぼぴったり一致、でした。眉毛から顎先までの長さが、標準から0.01しかずれていなかったんです。担当のお姉さん曰く、0.02までは誤差の範囲だそうなので「私の顔の長さは日本人女性代表です!!」と胸を張ってもいいかもしれません。
 それまでは、マスカラの長さを上下に出したりチークは横に入れたり、「長さ」を緩和するメイクをしていたのですが、レッスン当日はチークを真横でなく斜めに入れるようアドバイスされたりして、じわじわと「私、顔長くないっぽいな」という実感が強まっていきました。
 レッスンが終わり、自宅に戻って顔を洗って素顔で鏡を見たとき、顔が縮んでいたんですね。正確に言うと縦の長さが短くなっていました。
 当然ながら物理的に顔のかたちが変化したわけではありません。気のせいです。ですがその「気のせい」は今日まで持続していて、先程も鏡を見てきたんですが、日本人女性代表の顔の長さでした。別に長くなかったです。

 何が言いたいかと言うと、顔のコンプレックスって「気のせい」「考えすぎ」、大げさに言うと「呪い」でしかないこともあるのだと思います。
 あなたの周囲にもいませんか。別に「ブス」じゃないのに、自分のことを本気で「ブス」と言っている人。本人にとっては自虐でも思い込みでもなく、それが事実なんだろうと思います。
 私が受けたレッスンが良かったのは「専門機器を使って、顔の客観的情報を数字で受け取れる」ところでした。その結果と、メイクのプロの方両方から「別に面長じゃないぞ」を示されることで、10年間は思い込んでいた「私って面長だわ」が「別にそうでもないな」が変化していきました。
 その結果、避けていたメイクの仕方、アクセサリー(長く揺れるイヤリングはつけていませんでした)もできるようになりました。

 自分のコンプレックスが緩和されてよかったな、生きやすくなったなという話ではあるのですが、これを突き詰めると「全ての身体的欠点は思い込みであり気にするべきものではない」になってしまい、けれどそこまで極端な話にはしたくないなと思います。
 いったん冷静に、客観的に見たあとで、それでもなお気になるところに対してはスキンケアだったりメイクだったりで対応していけます。
 「気になるんだけど対応するのが面倒、直視するのがイヤ」と放置してしまうと、綿で首を絞められるようなじっとりとしたストレスになってしまうので、捉え方を変えるか適度に立ち向かうか、自分のスタンスを決めるといいかもしれません。

2.肌と眉がちゃんとしていればそれだけでほぼOK

 肌が綺麗で眉が整っていれば、ほか何にもしなくてもきちんとして見える。
 これは普段からちゃんとメイクに向き合っている方には周知のことと思いますが、「ファンデーションは均一に薄く塗ればまあいいでしょう」と考えていた私には結構目から鱗でした。
 プロの指導の下「ファンデはカバーしたい部分に効果的にのせて、他はスッと伸ばすだけ」「眉毛は顔に合った長さ・濃淡をつけて」メイクしたところ、「もうメイクこれだけでいいじゃん」みたいになりました。担当の方にも「メイク、これでほぼ完成ですね」と言われました(そのあとチークやアイメイクもしっかり教わりましたが)。

 基本的に「ファンデを均一に塗る」ことはNGだそうです。薄く均一に塗るとカバーしたい部分がカバーできず、濃く均一に塗ると老けて見えると。
 ここからは持論ですが、「印象を変えるのは、ファンデや眉など顔の土台」「個性を出せる、楽しいところはアイラインやチーク、リップ」なんだろうと思います。
 私はとても面倒くさがりなので下地もファンデも適当に塗ってしまいがちなのですが、ある程度時間をかけ、意識して行うと肌って本当に綺麗(に見える)ようになるんですね。
 また、レッスン中は「目の前の鏡」と「少し離れたところにある鏡」を同時に見ることができます。「目の前の鏡」で見ると自分の肌のアラがわかるのですが、少し遠くの鏡だとわかりませんでした。普通に綺麗な肌に見えます。
 人と会話するとき、メイクする鏡の距離(つまり超至近距離)まで近付くことはそうそうない筈です。ある程度の距離を保つし、会話に集中している場合は相手の肌質をじっくり観察もしないはず。つい自分の顔を至近距離でじっと見ては「ここがもっとこうだったらいいのに」なんて思いますが、少しだけ離れればもうよくわからなくなる程度の欠点なら鏡を遠ざけてしまうというのも精神衛生上いいかもしれません。

 身も蓋もないことを言うと、そもそも人は自分以外の人間の顔をそんなに見ていないし気にしていないというのもあると思います。
 私の古い友人Aが、昔から気にしていた(らしい)顔のホクロを病院で取りました。結構大きなホクロで、複数あったのですが、私はそれがなくなったことを本人に教えてもらうまで全く気付きませんでした。共通の他の友人Bも気付いていませんでした。言われてはじめて「あー! 言われてみれば!」となったくらい。
「私はすぐ気付いた」と主張する友人Cもいたので、私と友人Bに観察力がないだけの可能性も否定できないです。が、人は自分以外の人間の顔をそんなに見ていないし気にしていないのはひとつの真理な気はしています。
 あなたの顔やからだの欠点を繰り返し指摘してくる人は、観察力のある人ではなくヤバい人なので距離を置いた方がいいと思いますね。

終わりに

 メイクアップレッスン、よかったです。今は気軽に外出もできない世界になってしまっていますが、落ち着いたらまた違うコンセプトのレッスンに行ってみても楽しそうだなぁと思っています。
 ただ、私が参加した資生堂のレッスンは本気で予約が取れないです。私が予約できたのは完全に運です(繰り返し予約ページを確認していた、というのもある。根気の勝利)。
 スタッフのお姉さんが他のお客さんに「電話よりもWEBの方がまだ予約が取りやすい(電話だと、話しているうちに予約が埋まることがある)」と話しているのが耳に入ったので、WEBページ予約の方がまだチャンスは大きいかもしれません。
 レッスンは色々なところが実施しているようなので、面白そうなものがあれば行ってみてはいかがでしょうか。
 その際、「眉の書き方を詳しく聞きたい」「頬の赤みカバーの秘訣を知りたい」といったような「具体的に確認したいこと」を持っていくとより有意義な時間になると思います。
 あなたも顔が縮むかもしれませんよ!

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