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未来と芸術展@森美術館 ~感想~

どうも、りつです。

先日、六本木にある森美術館で開催している
「未来と芸術展」
という展示を会社の同期と見に行ったので感想を書きます。

余談なのですが、これが初めての六本木でした!
個人的に元マクドナルド店員なのでマックの広告が多かったことに驚きました。(どうでもいい話をすみません...)

■概要

「未来と芸術展」は、技術の発展によって未来の建築や芸術、医療や倫理がどのようになるのかを展示品を通して考察する、
という展示です。

テクノロジーが発達することで、私たちの社会や生活は急激に変化していきます。
それによって、私たちにとっていいこともあれば悪いこともあると思います。
前者は、地球温暖化の対策を最新技術を駆使した建築技術で実装したり、バイオ技術の発展で人工の肉を培養できるようになったり、アートに関しても人には出せない美しさを表現することができます。
逆に後者を挙げると、AIの発達により人間が自分で考える意思をなくしてしまったり、自動運転やシステムの責任問題だったり、便利な社会を目指しすぎて人としてのプライバシーを失ってしまったり、様々あるかと思います。

「未来と芸術展」はそれらの作品を実際に目の当たりにし、この先人としてどうあるべきかを考える個展だと僕は思いますが、その中でも印象的だった展示品について感想を書こうと思います。

以下は展示のセクションです。

1.都市の新たな可能性
2.ネオ・メタボリズム
3.ライフスタイルとデザインの革新
4.身体の拡張と倫理
5.変容する社会と人間

今回語らない部分も多いので、気になる方は3月29日までやっているので見に行ってみてください。

■コンピュータによる幾何学的なデザイン

※集合体が苦手な方は写真を見ないようにしてください。

集合体が苦手な方はすみません...

写真は、コンピュータによるシミュレーションによりデザインを生み出し、ロボットアームに命令することで組み立てられた、展示品です。
つまりデザインから構築まですべてをコンピュータが行っています。

芸術品はどちらかというと論理というよりも感性で表現するというイメージですが、この作品はすべてコンピュータが構築している、つまりすべて計算(論理)で表現しています。
その作品をやや不気味だと感じながらも美しいとも感じながら見ていて、アートの世界がAIに代替されてしまうのも時間の問題ではないかと考えてしまいました。

とはいっても、アートの世界は基本、作品を好きになり、作成者を好きになってファンとして応援してくれることでまわっているので完全に代替されることはないというのが僕の考えですが...

■柔軟に変化する素材

写真は温湿度によって開いたり閉じたりする素材で作られた展示品です。
中に入っているライトがついていないときは温度が下がり、素材も閉じるためライトが隠れてしまうのですが、ライトがつくとその温度で素材が開き、間から光がもれてくる、という作品です。

今の時代すでに温湿度の制御はコンピュータによって可能であるため、建築などでこの素材を使うと面白そうですよね。

この他にも、トウモロコシの茎や皮で作った煉瓦や藻類の光合成により空気を浄化するなど、建築に応用できるような展示品がいくつかありました。

■すし!?

写真の手前にある3つの四角い物体が何を隠そう、寿司です。
「SSSB(ソルティ、スイート、サワー、ビター)」という「味の四原色」の考え方を基に寿司をデータ化し、3Dプリンタによって造形化されています。

味が気になるところですがまず見た目で楽しめますし、味をデータ化という部分でもこの先データを共有するだけで同じ味を再現できる時代が来るかもしれません。

■長寿に犠牲はつきもの?

展示品をみて色々考えてしまったせいか写真を撮り忘れてしまいました...

この先、医療の発達により病気をあらかじめ防ぎ、長生きできるようになります。
その中で長寿になるのに効果的なのが「身体の拡張」、つまり「見た目の変化」です。
人間が4足歩行から2足歩行になる際に身体に変化があったように、この先も人間が変化するには「身体の拡張」が効果的になってきます。
例えば、よく知られているのが遺伝子組み換えや頭皮を伸ばしたり、鼻にピンをいれたり、足の中指だけを切ったり...
効果ははっきりと思い出せませんが、それらで長生きできる可能性が上がるそうです。
この展示品は「身体の拡張」を行った赤ちゃんの写真がいくつか公開しています。

正直、それによる身体の変化はおぞましいものでした。
この先、長寿の為にそれらが許される時代が来てしまうのか、倫理的な面でも未来を考えるきっかけとなりました。

■便利な監視社会

写真は監視カメラで撮影されている僕です。

今でも存在しますが、監視カメラは便利なものですよね。
コンビニでしたら万引きした瞬間をとらえることができたり、最近だとカメラで客がどの商品を鞄に入れるかをとらえその場で会計するというシステムが開発されているようです。
ですが、この先便利な監視カメラが僕らのプライバシーを徐々になくしていく可能性もあります。

この展示品はカメラにとらえられている複数人の行動を監視・解析しています。例えば、今この人はあの人のことを見た、この人たちは距離が近いから仲がいいのかな、などです。

これはまだ優しいほうですが、精度が上がり、カメラの台数が増えると、僕らの行動はいつも監視された状況になります。
既に中国では社会信用システムを実現しようとしていますが、ずっと監視されるというのは心が落ち着かないですよね...

■あとがき

以上、いくつか印象に残った展示品について長くなってしまいましたが書かせていただきました。

全体的な感想としては、技術の発達でよいこともある反面で、責任問題や倫理的問題、人間の意思の尊重に大きく影響してくるので、何よりも「人間らしく生きる」という考えを大事にしたいですね...

では、また。

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