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『いのち』の使い方について|ドキュメンタリー漫画『義男の空』を読み終えて|

不動のバイブルがある。
エアーダイブという会社から出版されている、『義男の空』というドキュメンタリー漫画だ。

実在する小児脳神経外科医、高橋義男医師と、その患者様、ご家族が織りなす、実話の物語群である。全12巻。第1巻を手に取ったのは、5、6年ほど前だっただろうか。地下鉄の中で読むと、涙が止まらなくなり、隣の乗客からの視線が痛かったことを、鮮明に覚えている。

これを書いている今も、涙腺が崩壊しそうで、幾度も天を仰いでいる。ぜひ、実物を読んでいただきたいので、詳しい内容に関しては記さないことにする。Kindle版もある。衝動買いからの一気読みを、自信を持ってお勧めする。

書店をうろうろしていたところ、実在の脳神経外科医という表記が、ぽん、と頭に入ってきた。私は脳科学を齧ったことがあった。その界隈の単語には親しみがあった。

しかし、多少の親しみを感じて読み始めたその本は、非常にいい意味で、私の予想を完璧に裏切った。

なんだ、この世界。
熱くて、まぶしくて、優しくて、強い。

登場人物すべてが、『仲間《かぞく》』だった。
これは、熱い熱い、『仲間《かぞく》』たちの物語なのだ。

こんなに素晴らしい人たちが、この世界に存在していたなんて。

『あなたも、こっちへ来ない?』

作品たちが、私にそう語りかけてくれるようだった。

義男の空に出会った 頃の私は、人生に迷う時期にあった。このまま進むか、退くか、道を変えるか。そもそも、私は自分自身の人生に、何を求めるのか。自分の人生の『軸』とは。

義男の空を読んで、意識したのは、
『いのち』の使い方
という概念。

与えられたいのちを、有限の時間を、自分は、どう使うのか。
自分のためだけに生きていた過去がある。机上の空論を追い求めることが辛くて、誰かの役にたちたくて、道を変えた。その決断は、あながち間違いじゃなかったな、と思う。

人々の寿福のためにこそ、与えられたいのちを使いたいのだ。
おこがましいけれど、そのために、私は文章を書き続けたいのだ。

——全身全霊で生きる、命の輝きが、とても、とても、まぶしい。

幸運にも2度、新刊発売のサイン会に行くことができた。
『やればできる!』というメッセージを頂いた。
これまでも、これからも、ずっとずうっと大切な、お守りである。





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