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妖瞞の国(あやかしまやかしのくに)

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シナリオ形式です。
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記事一覧

妖瞞の国(1)

【人物】 飛蝗  (29)放浪人 坂部綱光(29)検非違使少尉 たいおん(16)式神 茨木童…

山本律磨
1年前

妖瞞の国(2)

○(回想)羅城門(夜)  荒廃した二重閣九間の楼閣。  開け放たれた扉をくぐって、  乗り…

山本律磨
1年前

妖瞞の国(3)

○橘邸・壺殿  建物に囲まれた内庭を簀子から、  背を丸めぼんやりと眺めている橘。     …

山本律磨
1年前

妖瞞の国(4)

○内裏・蘭林坊      供物御書が収められた葛籠の数々。  隅の暗がりで飛蝗の話を聞く公…

山本律磨
1年前

妖瞞の国(5)

○鴨川・河川敷  晴天。  が、連なる山の向こうに黒雲。  枷をつけた襤褸の者ども(咎人) …

山本律磨
1年前
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妖瞞の国(完)

○同・河川敷  豪雨の中、逃げだす野次馬達。 飛蝗の声「おいおいおいおい待ちやがれ!」 ○…

山本律磨
1年前

妖瞞の国(epilogue ou avant)

○寧楽の地 青い空に遠く鐘の音がこだまする田園。 四方の山を背に、粗末な民家がいくつか。 水田を耕す牛と翁。 傍らでタガメを探す童。 やっと見つけ出し取り上げようとした刹那、一匹の亀が飛び出しタガメを丸のみにする。 童、ギャン泣き。 童「びええええええ!」 と、水干の少女が草むらから飛び出す。 水干の少女「ここにいたのか子神亀よ。うむ? 何を泣いておる童よ」 翁「その亀がタガメを食うてしもうたのじゃ」 水干の少女「左様か。ようやった子神亀よ」 童