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#07 新歓と部の方針

新歓は戦争である。
限られた時間と限られた人員で限られた人材を確保しなければならない。


一回生(もちろん上回生も)を呼び込む新歓はサークルとしては学園祭に並ぶ大イベントの一つである。
一回生がいなければサークルは先細りになって瓦解しまうし、現行部員としても去年の焼きましになってしまって代わり映えのない活動になってしまう。だから、どのサークルも新歓に力を入れるのだ。
我が天文研究会の新歓はどうだったのか、来年、そしてその次のために軌跡を残そう。

新歓準備編

新歓というのは学校としても大きなイベントのためガイダンス等の出席が求められる。そのメールが来たときから新歓計画は始まった。
ガイダンスでは、新歓にあたっての基本ルールの通達や4/3,4にある新歓ブースの説明が行われた。天文研ももちろんブースへの申請を行った。
ちなみにガイダンスに出席しないとブース出席はできないし、期間中に違反行為をするたびに各サークルの持ち点が減っていき、持ち点が底を尽きると来年度の出展が出来なくなる恐ろしいシステムである。

私と田邊さんは部員の活動への参加度合に不満があったために一回生に希望を見出そうとして、相当気合が入っていた。
まず初めにビラの作成を行った。ビラも申請が必要であり、公序良俗に反する要素がないのかチェックされるのである。
そして完成したのがこれである。

オモテ


ウラ

オモテのイラストに関しては田邊さんがAIに出力させたものを使用した。五重の塔や街並みから立命館大学のある京都感を出しつつ、月や星が描かれて大変キャッチーである。これには二人で文句ナシの採用だった。
インスタのQRコードや活動予定、部長と会計のコメントと天文のコラムと載せれるものは全部載せしたビラである。
ビラが完成したなら当日のシフト決めもしなければならない。全然シフトの希望を提出しない現行部員に喝を入れつつ慣れないエクセルに四苦八苦しながらなんとかシフト表を作成。
これで新歓ブースは一旦なんとかなる。
しかし、ブースは知名度アップのためのものであって、天文研とはどのような活動をするのかは具体的には知ってもらえない。4月に来るであろう見学の子たちを楽しませるイベントを用意しなければならない。

新歓開始編

まず4月の予定表がこれである。


4月前半

前提として、天文研はドラフト2巡目のサークルである。テニスサークルと違って放っておいても人は来ないし、なんなら一週目で見学にくるようなサークルではないのである。だから、最初の方に人が来ることはわずかだろうと予想していた。
だが、その前提を持ってしても初週の集まりには肩を落とさざるを得なかった。
1週間で見学者が5人。これは残念がってもいいだろう。しかし、2週目になると人は急増。かなりの人数が見学に来るようになった。やはりドラフト2巡目なのだろう。

ちなみにブース出展だが、雨天のため中止にした。
だが、当日に学校に行ったら多くのサークルがブース出展をしており、田邊さんと二人でむせび泣いた。あまり思い出したくない、以上。

4月後半


さて、4月3週目にはサークル説明会を行った。
私がサークル概要について話し、その後に交流も兼ねてアイスブレイク。最後に屋上観測会という流れだった。これに関しては20人以上が参加してくれたお陰もあり、かなり盛り上がった。
是非とも来年も行いたい所だ。
メガスターを借りておこなったプラネタリウムについては中々人が来なかったことを特筆しなければならないだろう。しかし、参加した子からはかなり好評で、先輩のカッコいい姿や天文知識を知れたと評判だった。ここに来た子の大半は入部をしてくれたことも忘れてはいけない。
なお、プラネタリウムの原稿はこちらに載せてある。
鴨川観測会については雨天のためどちらも行えず、残念な形となった。話を聞くと少なくない子が参加を希望していたようで、来年度は是非とも行いたい。

新歓のアプローチとマインド

会長の心境変化

ところで、私はサークル運営者としてはなかなか強烈な思想を持っている時期が長いことあった。
それは、”天文のことを一ミリも知らない、知る気のない奴はサークルにいてもしょうがない”というものである。
当時サークルのほとんどの割合を占めいていた積極的でない層に対して相当思うところがあったし、事実そういう人を排斥したいから部長になった。だがしかし、会長という役職について、活動をしていくうちにあることに気が付いた。それは、人が少ないと予算が少ないということである。
(弁明しておくと”当時の”彼らは運営や活動において全然協力的でなかったり、意志の表明を1ミリもしなかったり、観望会に一度も来なかったりと私からは何故サークルにいるのか分からない状態であった。)
私は再三申し上げたように会長。つまり、部費の使用をある程度自分の理想の方向にもっていけるのだ。例えば、書籍やプラネタリウム企画、対外活動…自分が行いたい企画を正式に案として起こせばそれがほぼ通るのだから、予算は潤沢にあったほうがよい。
よく考えてほしい。やる気に満ち溢れた5人が集まったサークルで2000円ずつ出し合い10000円の予算で活動するとしたら多少の差こそあれ結局は一人あたり2000円が活動を通して還元されていくだろう。
しかし、やる気に満ち溢れた5人とそこそこに参加したい5人とあんまり参加しない5人、計15人で活動するサークルならば、一人頭2000円徴収し、集まった予算の30000は均等に配布されるだろうか。
否、絶対に偏りが生じるのだ。この時、やる気がある5人は多く還元されるのは間違いないだろう。
そしてこのサークルにおいて私はその5人側なのである(会長なので当然ではあるが)。だから、人数が多ければ多いほど、私に部費が還元されていくのである。
冷静な目で見れば、少しでも天文に興味をもってくれて、2000円という部費を払ってくれた子達全員に均等に還元される(皆が活動に参加してくれる様な)状況を作るのが私の本当の仕事なのだと思う。
でも、現実と夢の間は見極めなければならない。
どれだけ真面目に天文の布教活動、イベント活動をして彼らを繋ぎ止めようとしても、天文より他のものに興味がでてくる子もいれば、ハナから天文に興味をもっていない人もいるだろう。そういうのを見ると悲しくなってしまうから前述のようなマインドになってしまうのかもしれない。

とにかく、こうして最初はエリートを5人いれて囲めばいいやと思っていた会長は思いを改め、少しでも多くの人に天文研に入ってもらって天文をより好きになってもらうことにしましたとさ。

新歓が終わってみて

結果として現行部員の18人を上回る人数が入部してくれた。
私としてもこれほどまで人が来るとは思っておらず、喜ばしい限りである。
あとは定着してもらえるように頑張らねばならない。

こうして無事新歓が終了した訳だが色々と問題点も浮き彫りとなってきた。以下、反省点と改善策を示していきたい。

反省点

  • ビラに載せるのはインスタではなくオープンチャットの方がよい

  • SNSでの宣伝をもっとおこなうべき

  • 望遠鏡を使うか使わないか

  • 新入生が多く既存部員の手が回らなかった

  • 星について興味をもってもらうにはどうするか

改善策

オープンチャットについては来年度すぐできるだろうが、今回の反省点を見ると人手不足というのが大きな要因だろうか。
SNSのこまめな告知しかしない係を作ってもよかっただろう。いかんせん私と田邊さんに負荷がかかりすぎてしまいSNSまで手が回らなかった。
望遠鏡に関しては難しい問題である。
望遠鏡を見せるのは簡単だけども、その魅力を伝えるのは困難なのである。
要はよく知らない星を140倍で見たとして面白いかどうかという話だ。木星や月に関しては受けがよかったが、こればっかりというのもつまらない。
中々むずかしいねぇ。

おそらく、天文という分かりにくいコンテンツに興味をもってもらうより、天文を通して先輩と仲良くなってもらう方が定着率がいいだろう。

来年度に向けて

以上が今年度の新歓の戦いであった。
幸い私は来年度も部長を行う予定であるので、今年の反省を来年に活かすことができる。
この文章は未来の自分と後輩のために残そうと思う。
ぜひぜひ頑張っていただきたいものである。


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