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知らない人に千円あげたら 愛しさと切なさと心強さと千円が返ってきた話

半年ぐらいの前の話だけど ツイッターでなにやら困っている人がいると、バズっていた。どうやらその人は、赤ちゃんがいてシングルマザーで。お金がない。そして行く場所がなく友達の家に転がり込んでいる。おむつを買うお金もない。ご飯を買うお金もない。なんだかよく分からないけどとにかくお金がないということは伝わって来た。

そんで、お金がないから、アマゾンのほしい物リストでおむつやら粉ミルクやらそんなものをツイッター上で送ってくれと知らない人たちに頼んでいた。

それが本当の話だかうその話だか良く分からないけど、少し興味があってその人のtwitterを。過去、現在さかのぼって読んでみた。

自分にとって、それが嘘だとかほんとだとかそういうのはどうでも良くて。まあ、その人の言ってることが本当のように。思えた。

paypayの送金機能っていうものがあるらしく。それのアカウントもネット上に公開していた。つまり現金を送ってくれと言う意味。

もうなんか面白くなってきて千円送ってあげようじゃないかっていう気になった。

千円送ってあげるっていうことで、自分は優しいやつだとか、つまりそんな下心で千円送った。

案の定その人はネット上で激しく叩かれていた。乞食だとか。はしたないだとか。よくわからないそんな言葉でみんなに罵られていた。

数日してかな。その人のことも すっかり忘れていたんだけど自分のpaypayに知らない人から千円入金があった。

つまるところ、その人から返金があったということ。

いろんな想像が頭をめぐる。もしかしたら社会実験かもしれない。もしかしたら壮大な嘘かもしれない。もしかしたらすごく叩かれたことで良心の呵責に耐えきれなくなって千円を返したのかもしれない。

そんないろんなことを考えていると、その人の境遇とか。なんて言うんだろう。切なくなってきた。できることならそのまま千円受け取って行ってくれたら良かったのに。
なんだこの気持ちは。言語化できない。

ええやつになりたいという下心で千円払ったのに、愛しさと切なさと心強さと千円が帰ってきた。

もうその人はツイッターをやめたのかアカウントを閉じたのか。よくわからないし、この話が事実かどうか自分にとって今確認する術はないんだけど。

どうかその人とその子供が今、笑顔で、日々を 送ることができてたらいいなと、そんなことを考えている。


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