ミラノ私立大学医学部入学への経緯
僕はミラノの
Università Vita-Salute San Raffaele
ヴィータ=サルーテ・サン・ラファエル大学
International Medical Doctor Program
国際医師プログラム
に2020年9月、入学しました。
イタリアを考えた発端は2020年1月。とある事情で、日本人でも入学許可・入学できそうな世界中の医学部を英語でひたすらに検索していました。
アメリカ:憧れるけど、うーん、不可能・未知数。学費バカ高い。
イギリス:以前とあるイギリスの獣医学部にいたことがあったのですが、同じProfessional Schoolへ、まして外国人はほぼ合格不可能。
オーストラリア:数年前に日本ヨーロッパと同じ学部課程から、アメリカ式医科大学院へ移行傾向。ハードル高そう、学費バカ高い。
アイルランド:実は以前に2度、国立と私立に出願した経験があったのですが、どちらも不合格。ここ最近は、アメリカ人やカナダ人に人気急上昇+高い競争率。
カリブ海グレナダ:気候は素晴らしいが、カリブ海の孤島に、ある意味ずっと「隔離状態」。日本の国家試験本試験受験認定が通るか謎・未知数(北米とイギリスの臨床は長年の実績あり)。
カナダ:そもそも外国人ほぼ入学不可能。入学できるところはあっても!カナダ国籍でなければ枠は2,3名。学費は年間1000万円!!
過去に一度は考えたハンガリー・チェコ(実はハンガリー医学部留学発端の某事務所は、オーストラリア留学でお世話になった留学斡旋会社でした):
編入できるじゃん!!いや、ちょっと待て。ハンガリー語、チェコ語は世界最難関の言語(Youtubeで入門会話を試しに練習してみました。カナダで勉強したことがあったのでフランス語は問題なく発音できるのですが、こればかりはムリでした笑)
死に間際の爺ちゃん婆ちゃん患者さんと意思疎通できるんでしょうか?笑 超難関の言語で問診に身体診察できるんでしょうか???笑 (東欧留学を否定しているわけでは全くなく、全くの個人的な見解と解釈なので、ご了承ください。)
オランダ:オランダ語必須。
スペイン:スペイン語必須。
留学生も学費無料のスウェーデン:スウェーデン語必須。
英語で検索していると、
「!?英語の医学部が、イタリアにっ?!!」素晴らしい!ご飯おいしい、人が気さく(たぶん)、イタリア語だったら数年生活すればすぐに習得できそう。イタリアじゃん!!ココしかないっ!(治安等除く)」
日本では医学部留学と言えば、ハンガリー、チェコ、スロバキア、ポーランド、ルーマニア等を推し、斡旋しているようですが、
実は、それら東欧の国の医師免許を取得してもイギリス、ドイツ、スイス、フランス等、他EU強国の医師免許は自動的に交付されず、新たに当該国の国家試験や医師免許発行作業等を行なわなければならないそうなのです!
(それを高校卒業したての若いピチピチ10代の受験者やその保護者に敢えて伝えない留学斡旋会社の『闇』を知ります汗)
ハンガリーの医学部は年間200万円程ですが、各大学HPの入学要綱を見ると、基本的に日本人は日本の斡旋会社を通して手続きをしなければならず、その登録のために300万円?!(医学部受験予備校並)を斡旋会社に支払わないといけないそうでした。ハンガリーの医学部に直接メールをすると、日本の事務局を必ず通してください、との返事が...
(相当な闇ですね...)。
実は、EEA18ヶ国間協定があるようで(言うならばEU初期のEC加盟国) イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペインなどの医師免許であるならば、語学試験さえ到達すれば、当該国の国家試験は『免除』で、臨床行為を行えるようなのです。
イタリアはEEA18加盟国だし、
ついでにイタリアは『G7の一国』!
ってかなりな強みだと思いませんか??
東欧のように、いくら長年の英語の医学教育の実績があるとしても、国、国家間協定、国レベルの信頼度の壁は絶対に超えられない、最重要の事と、僕は思います。
そしてイタリアの国立大学医学部の受験スケジュール、私立医大のスケジュールをくまなく英語で大学HPを調べつくし、
5月:ローマの新設私立医大 Saint Camillus International University of Health and Medical Sciences
6月:ミラノの私立医大 Università Vita-Salute San Raffaele
7月:ミラノの新設私立医大 Humanitas University
をこのコロナ禍のおかげか、すべて、本州の山の山奥、岐阜県飛騨地方の実家で、オンライン受験。
(試験等詳細は別の投稿をします。)
Humanitas Universityは何故かRejectされました(笑) 新設だし、どのイタリア医学部留学紹介HPでも「素晴らしい印象の」広告がバンバン出され、大学名もあまり好きではなかったので、大きく気にはしませんでした。後で知ったところによると、HPなどの印象は素晴らしいですが、最寄りにバス停もなく、都会のミラノでも相当に不便な場所にあるようです。ちなみにHumanitas Universityのキャンパスは、もともと国立ミラノ大学医学部キャンパスだったようです。(何かあったのでしょうか笑)
僕にとってイタリア留学は、Last Resort (最後の砦)でした。
実は、2020年3月から、6月(コロナで8月16日に延期)の
東海大学医学部編入試験
を志望校1本で勉強対策しておりました。
東海医学部編入一次筆記試験はなんと、
『合格!』
受験者数228人の内、一次試験通過は例年通りの40人。ココを逃したらイタリアに行かなきゃいけない(泣)と意気込んで人生初めてというほどの面接対策をしましたが、
『二次試験面接は不合格』
学生を選ぶのはあとは教授さん方次第です。言いたい事、言う事すべてを言ってきたので、あまり大きなショックはなかった記憶です。これからどうしようかなー、いつ受かるか、そもそも本当に受かるかどうかが未知数の日本の医学部一般入試の受験勉強は、もうさすがにエネルギーが持たないし、コスパどうなんだろう、と悩んでいたところ、
いやちょっと待て、
俺、イタリアの私大に既に受かってたじゃん!?笑(しかも東海大学より学費はかなり低め+入学金なし+同窓会費なし+寄付金なし)
もう、行くしかない!?
俺にはもうこれしかない!!
ということで、自分の中でイタリア行きを決意してからの9月の1ヶ月間は、膨大な留学手続き書類などの準備で怒涛に過ぎていきました(笑)
そして実は、イタリア出願は、
イタリアの国立大学医学部を第一志望として
イタリア国立大学医学部共通試験『IMAT(英語)』
の受験対策も東海大学対策と平行して、準備していました。
東海大学医学部編入二次試験:8月29日(合格発表 9月4日)
イタリアIMAT試験:9月10日
イタリアIMAT試験会場:香港と北京は、そもそもコロナで入国できない。マドリッド、ロンドン、チューリッヒ、ドイツ、イスタンブールは試験会場のコロナ対策で席が減り、既に満席。イタリアの第一志望校を受験会場に登録し(試験会場変更不可)、
や、待って、
イタリアって、コロナで入国後14日間隔離必須だし、東海の二次試験8/29だし、
逆算して、不可能じゃね??!!!(泣)
泣く泣く、IMAT受験のキャンセルボタンをクリックしたのでした。。。
というようなコロナと相まって、僕の長い経緯となりました笑
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