
Mac studio をDAWで使用してみて Part2(作編曲編)
先月発売されたMac Studioが届き漸くセットアップ完了しました。
まだプロ作家によるレビューは殆ど見かけないので
早速色々検証してみました。(Part2
検証に使用するMac studioの詳細などは前記事をご参照ください
https://note.com/ritchietheworld/n/n8bc3b9160dd7
今回は作編曲編です
「MIDI &オーディオファイルが混在したプロジェクトでの検証」です
プロジェクトは新規作成ではなく前Macで作成したプロジェクトファイルを引き継ぎ検証します。
多分これからMac studio購入検討している作家さんは新規作成よりこっちの方が気になる方多いと思いますので(自分がそうでした笑
プロアマ問わず楽曲制作において、編曲時点でトラックが
「全部wav」「 全部MIDIファイル」
といったどちらかに全振りということは滅多にないと思います
クライアントから発注を受ける作家さん(特にアレンジをする方は)
自分のプロジェクトファイル上のトラックをぜーんぶwavにするということは、エンジニアさんへ送る最後のファイルの書き出しまではあまりしませんよね。(OK出る前に全てwavにするとリテイクなどが来た際小回りがきかなくなる
ということで!
前口上が長くなりましたが、作編曲家の私が一番知りたかった「MIDI &オーディオファイルが混在したプロジェクト」での検証です!
検証に利用する曲は
少女の記憶 Guitar Instrumental ver(FULL)
https://www.youtube.com/watch?v=okp4mmDL4W8
前記事同様R.T.W.の楽曲なので著作権の心配はありません笑
私が相当若い頃に作った曲を昨年末にギターインストとしてリメイクしたものなので、使用機材など現代のものです。
MIDI &wavの合計で80トラックの楽曲となります
お聞きの通りギターは全て生演奏なのでwavです(結構な本数重ねています
更にSE(効果音)もwav
ドラムはBattery4を使用していますがrhythm loop系サンプルwavも幾つか重ねております。
それ以外はMIDIです
使用シンセは
Serum,Spire,Nexus3,Massive(旧い方)Kontakt,Avenger
など定番中の定番ばかりを使用しております。(特に負荷の大きいAvengerは2トラック使用
上記の動画はエンジニア シヲノによるみMIX済みの音源ですが
これから載せるスクショは「エンジニアに投げる前のプロジェクトファイル」となります。
各トラックそれなりにMIX(というかプラグインを使用して音作り)
しており、マスターエフェクトも前記事同様となっております
作家側が制作依頼を受けて楽曲を作った状態
の再現だと思っていただければわかりやすいかと思います。
載せていくのは前回同様アイドリング時のスクショです

バッファ32
いきなり苦しそうですね。しかしこれも前回同様
「これ表示本当にあってる?」といった感じ
全く止まることもなければ音がブツブツいうこともなく、とても軽快です
この表示を見なければ「サクサク!」と誰もが感じると思います。
アイドリング時でも常にこのバーはグラグラと動き続けているので

同じ32でも瞬間最低観測でこのくらいの時もあります。こっちの方がしっくりくるような感じはします

バッファ256
楽勝といったところですね。もちろん軽快です
前記事同様の256よりもAverageが僅かに低いですね。
このAverageは“オーディオ処理に費やされている CPU 負荷の平均値”
とされているのですが
あれ、これってMIDI(インストゥルメンタルトラック)も当然含まれてますよね??シンセばかりの曲でもここ上がるし
前記事のMIX済みの全部wavの楽曲よりこっちの方が低いというのは意外ですね。曲の違いもあるので断言できませんが、これだけみると編曲(ソフトシンセ)に強そうなイメージを持ってしまう笑

バッファ2048
ん!?なぜかAverageが256より上がっている!不思議
瞬間最低観測でも

この程度。殆ど256と変わらないですね。これは謎…勿論動きは軽快です
この現象をそのまま受け止めるなら
CPU負荷を気にして2048で作業する意味はないと言えます(なーんか怪しいですが笑)というかAverageを見ると全て共通して殆ど動きがありませんね。
maximum“オリアルタイムオーディオ処理の最大負荷”
は安定しませんね。
※maximumは以前までreal-time Peakと表記されていたあれです。名前コロコロ変えるのは分からなくなるので止めて頂きたい…笑
公式様によると
“OSにインストールされている他のアプリケーション、システムドライブの使用状況、他社製VSTプラグイン/インストゥルメントの使用状況、マザーボードやグラフィックボードなど、コンピューターそのものに関連する機器の状況によって大きく左右されます。そのため、real-time peakを完全に安定させることは難しい場合がございます。”
とのことです。
なるほど。ソフトシンセがある分前記事の全部wavのプロジェクトよりもやや重いのも納得ですね。
でも、これだけシンセ多様しててそれほど大きく変わらないって…
これに関しては素直に言っていいと思います、M1MAX強い
そして最後に

バッファサイズ32
invisible limiterG2 一番負荷が重い ModernⅤ モードで
オーバーサンプリング5
ん!?
ブツブツいわずに再生できる!!
前記事だと止まりはしなくてもブツブツいってたのに…
これは凄いですね。これだけのトラック数でなおかつプラグインで音をそこそこ作りながらバッファ32でオーバーサンプリング5をかけたまま作業することってそんなにないと思いますが…これに耐えるとは!!
ちなみに私の前のIntel Mac(メモリ32GB)ではこのプロジェクトはバッファ32にした時点で再生怪しかったです。バッファ2048でもオーバーサンプリング5にすると非常に不安定でブツブツというより音が途切れていました
今回の結論!!
作編曲の方が明確なパワーアップを体感した
この言葉につきます。
当然使用シンセ、プラグインによって違う結果が出ることは間違いないと思いますが(個人差は生じ得るということ)
それでも私の環境においてはかなり良いパフォーマンスを見せてくれたと感じます。前回の全てwavでのMIX検証より明らかにパワーアップを体感しました。
今回はこんな感じでしめさせていただきたいと思います
それでは!!
瀧澤純一
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余談
Cubase12はM1にネイティブ対応したとのことですが、ネイティブ状態で12を立ち上げるとM1未対応のプラグインやVST2プラグインは認識しなくなるとか。。
これは現時点においてはでModo BassやMelodyneが使えなくなることを意味し両方必要な私としては現実的ではありません。。
RosettaでCubase12を立ち上げれば上記プラグインも今まで通り使えるようですが、Cubase12をM1ネイティブ起動してしまうとプラグインのみRosetta起動はできないらしいです。(DAWによってできるとかできないとか…
Cubaseに関してはそれって11とあまり変わらないとも言えるわけで笑
でもドングル廃止は魅力でもあるわけで。。
もしアプデしても暫くはネイティブモードで使えない日々が続きそうですね。
しかしこのあたりのテクノロジーは日進月歩なので良い感じに着地してくれることを祈ります。
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