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北海道旅行記: 1日目 (自宅→大洗)

7月8日(金): 一日目のルート(自宅の位置はぼかしています)

いよいよ出発の日

待ちに待った出発の日。長期休日の手続きや、休み中の業務引き継ぎ、休業後の業務の整理など、事前準備はしっかり済ませ、部屋の掃除も済ませました。
各種道具やルートの調査、宿の手配なども事前にやりました。荷物はシートバッグとサイドバッグに詰めこみ、いざ出発です。

そろそろ付き合いも長くなってきた相棒

東京の西側から都心をぬけ、浅草あたりから国道6号線に乗り、水戸の方に向かいます。浅草を通過したのは朝10時くらいですが、すでに夏の日差しは突き刺さるような強さになり、渋滞もひどくなりつつありました。
暑さと渋滞が重なる夏の都心部はバイク乗りにとって過酷で、正直あまり走りたくはないのです。平日だし酷いことにはならんだろう、という希望的観測で、下道を選択したのが良くなかった。
結局、取手を経過した辺りで下道をあきらめ、高速に乗って水戸大洗の方に向かいます。この日の目的地は、水戸大洗にあるフェリーターミナル。そこで、夕方発のフェリーに乗って北海道は苫小牧に出発します。

フェリーターミナルに到着したのは15時30分ごろ。
乗船時刻は17時30分で、早めについたせいか自分が一番乗りでした。

フェリーターミナル到着一番乗り
乗船カウンターで手続き

乗船まで少し時間がありますが、買い出しや観光もあり、あまり余裕はありません。
フェリーターミナル近くのコンビニで食料や飲み物などの買い出しを済ませ、「かねふくめんたいパーク」に行きました。
ここは結構有名なスポットで、中ではめんたい工場の見学ができたり、フードコートでめんたいこを使った食品を楽しめたりします。

かねふくめんたいパーク

中でもおにぎりは明太子がたくさん詰まっていて美味しい……と聞いたのですが、時間が遅いせいで売り切れ、とのこと。早くも現場で臨機応変を求められ、この旅の波乱を予感させます。
でも代わりに頂いた「めんたい肉まん」も中々の味。予定外の寄り道・回り道の先にも、また楽しみがあるということでしょう。

めんたい肉まんじゃな

そうこうしているうちにフェリーの搭乗口が開き、いよいよ乗船です。

旅の扉

船名は「さんふらわあ号」。最初はがらんとしていたバイクの待合場所にも、いつしか多くのバイク乗りが集まっており、順次搭乗口に吸い込まれていきます。これだけのバイクが一斉に動き出すのはなかなか壮観。周囲にならって渡し板に乗り、船内に突入。初めての経験ですが、船にバイクで乗りこむというのはなかなかテンションが上がります。
駐車時のキーワードは「ハンドルロックにギアをローで」。揺れる船の中では、ギアをニュートラルにして駐車していると車体が動いて危険なのです。

船内。バイク乗りが多く、みな旅慣れた印象です。

荷物を個人用のスペースに置き、くつろいでいると出航を告げるアナウンスが船内に流れました。
19時45分、いよいよ出発です。船が岸を離れる瞬間、なにか風船の糸が切れたような……しっかりした大地を離れ、遠く旅立つような不思議な感覚があります。船旅特有の、この非日常へ旅立つ瞬間はとても好きです。

船旅の浮遊感

余談になりますが、船旅は意外と簡単にできます。
東京近郊にお住まいの方は、竹芝桟橋から伊豆諸島に出発するのが行きやすいかもしれません。電車や飛行機とは違う非日常感を味わいたいとき、船旅を候補に加えるのはいかがでしょうか。


さんふらわあ探検

さんふらわあ号の中には、レストラン・売店、大浴場、ランドリー、ペットルーム・ドッグラン、ゲームスペースなどがあります。

レストラン・売店

レストランではバイキング形式で夕食(2000円)と朝食(1200円)を頂くことができます。
個人的には夕食は割高な気がしたので、この日の夕食は持参したカレーメシで済ませることにしました。
売店には冷凍食品やカップラーメンなども揃っているので、事前に用意する必要はありません。給湯室で熱湯も貰えますし、電子レンジもありました。見渡すと、共有スペースで食事をとる人もちらほらいます。

売店。お土産や記念品なども。
給湯室。小さな流しに、お湯と電子レンジがあります。

大浴場

船内には大浴場があり、「出港~22時まで」と、「翌朝6時30分~到着まで」の間に利用することができます。中には湯船が二つ、サウナがひとつあり、大きくとられた窓から大海原を眺めながら入浴することができます。大きなフェリーでの船旅でしか味わえない、なんとも贅沢な体験です。
サウナはかなり高めの温度で、5~6分ほど入ると限界がきました。
水風呂がないのが残念ですが、シャワーを浴びてさっぱりしました。朝に風呂に入れるのもありがたく、朝サウナをキメて出発前に頭をしゃっきりさせることができそうです。
しかしこれほど大量の水をどうやって運用しているのか謎。たぶん濾過して循環しているのだと思いますが、積載量が限られた中でこれをやるのは凄いものです。

ランドリー

有料の洗濯機と乾燥機があります。一回200円で洗濯できるタイプ。この洗濯機には旅の間に何度もお世話になりました。
バイク旅だと持てる着替が少ないので、だいたい毎日洗濯する必要があるんですよね。「宿についたら洗濯」が、旅の日課になりました。

ペットルーム・ドッグラン

さんふらわあ号はペットをつれて乗り込むことができます。
事前予約が必要ですがペットルームも用意されていますし、別料金を払えばペットと一緒に部屋にはいることもできるようです。
ドッグランもあるので船の上でコミュニケーションができますね。飛行機旅や電車旅だと、ペットをつれて移動するのはなかなか難しいので、船旅ならではと思います。

ドッグランも。愛犬も気晴らしできそう。

客室

客室は大きく個室と大部屋に別れます。
個室はスイートルーム、洋室、和室などがあり大抵は二人以上の部屋です。
大部屋は雑魚寝部屋の「ツーリスト」と、カプセル式の「コンフォート」というクラスがあります。部屋の種類については公式サイトをご参考に。
私は「コンフォート」を選択。カプセルホテル形式の個人用スペースがあり、価格をおさえつつプライベートも守れるクラスという感じ。
中は結構狭い風に見えますが、ひとりで寝るには充分です。テレビもあるので退屈しても紛らわすことができます。電源は枕元にあり、携帯やその他機器の充電をしつつ休むことができます。

散らかっていてすみません。荷物があると少し狭い。
枕元にコンセントがあると楽です。リモコンは揺れで落ちないよう工夫されてますね。

運賃は時期によりますが、12900円~22000円の間のようです。それに加え、車やバイクがある場合は別途運送費用がかかります。私は13300円(客室料金)+12600円(バイク運送費)でした。

船内での時間

船は19:45に出港し、翌13:30に到着の予定です。
全体で約18時間の旅程になり、その間暇をもてあますかな?と思ったのですが以外にそうでもなく、洗濯や入浴、食事に日記、翌日のルート決め、船内探検などをしている間にあっという間に到着した印象でした。
空いた時間には、手持ちのタブレットにいくつかダウンロードしておいた作品を見たりしていました。北海道に行く船のなかで南極に行く女子高生のアニメを見る私。

NetFlixでダウンロードした女子高生が南極に行くアニメ。


夕方便と深夜便

さんふらわあ号には夕方便と深夜便があります。
深夜便は夜に出発し、到着するのも夜になるため、結局行動開始は翌朝からになります。また深夜便はトラック運転者など業者向けで、船内設備も控えめとのこと。船旅を楽しむなら夕方便の方がいいと思います。

ロビースペース。ひろびろしてます。

風呂のあと、アイスを食べたりビールを飲んだりしているうちにすっかり夜もふけたので、船室で休むことにします。

沖合いは低気圧の影響で波が高く、苫小牧到着も1時間ほど遅れるかも、とのこと。
明日の日程に一抹の不安を覚えつつ、まあ装備もあるしなんとかなるだろう、と楽観的に考えていました。

いい旅になりますように、と祈りつつ目を閉じると、運転で疲れた身体に船の揺れが心地よく響き、あっという間に眠りに落ちて行きました。
明日はいよいよ北海道上陸。どんな旅が待っているのでしょうか。

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