見出し画像

映画23「湯を沸かすほどの熱い愛」

「宮沢りえという俳優を観よう」
と、お芝居を観に行けないのでとりあえずこちら。
「紙の月」も好きだし、
2023年秋公開の「月」も観に行くつもり。

というわけで、わたしのひとに無理やり見せる。
ふたりでボロボロ泣く。

安澄に手話を習わせていた双葉。
「お母ちゃんの遺伝子を受け継いでた」安澄。
家族になっていく鮎子。
怖くて怖くて仕方ないへっぴり腰の一浩。

ママが死んだことを娘に伝えられない探偵さん。
目標が見つけられないやさぐれヒッチハイカー。
我が子に再会できるウェイトレス。
我が子なんて存在しないという母親。

あちこちに「双葉」はいると思う。
誰にも知られず、特に何かに取り上げられるわけではない。
だけど、みんなその人に元気をもらえてしまう。
その人のために何かしようと思ってしまう。
そんな人。

これを読むあなたが、そんな人いない、こんなのフィクションだと言うなら
「まだ」会えていないだけだよと、とりあえず言っておきたい。
会えるといいねとも。

見えないだけで、近くにいると思う。推しとかでなく。
もし全くいないなら、その場所には長く留まらない方がいいかもしれない。
友達とか、親友、同級生、親戚とか恋だとか愛だとか
カテゴライズしなくていい「この人好き」という人。

家族、なら最強かも。

やっぱり「家族でありたいと願う人だけが家族」。
そう思うから、「夫婦」が楽しいのかもしれない。
血縁じゃなく、「家族でいましょう」という気持ちだけでつながっている
成人ふたり。

私が置いてきた子は、私とは家族でいたくはない様子。
それはごもっともなので何も思わないけれど、
もし必要だとされたなら、いつだって飛んでいくだろう。
だけど、と考える。
「家族くらい大好きな友達のためなら?」
やっぱり私は飛んでいくのだ。

与えらえた家族に恵まれなくて
「ノーマルな家族」の形がよく分からない私は
ロールモデルとか、定型を持っていない。
境界線が自分と他者しかないのかもしれない。

双葉も恵まれなかったよね。
でも、彼女はたくさん家族に恵まれて
幸せをまき散らしたし、彼女も幸せだったと思う。
そりゃあ、死にたくなかっただろうけど。

与えられた家族で幸せなら十分でしょうし
何かを悪し様に言う必要もないだろうになあと
感じるレビューもチラホラ見るけど
双葉がいない世界に生きる人からしたら
そうなのかもね。

私は双葉のいる世界がいい。

そして、俳優すべてがもうすごい。
みんながみんなちゃんと「そういう人」にしか見えない。
そういうお仕事をする俳優さんはやっぱり大好き。

おしまい。

この記事が参加している募集

よろしければ投げ銭をこちらへお願いします。 投げ銭をくださるあなたにも私以上の喜びがありますように。