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読書・映画の感想文

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たれながすことばとこころ
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#映画感想文

映画メモ89「ゆれる」

映画好きの同僚おすすめ。 「香川照之がいいんだよ!いやあ、いい役者で」 激しくお勧めしてきたので 早速見てみる。 そもそもこの映画好き同僚。 初めてのデートで映画3つ梯子して 「いい加減にして」 とフラれた経験を持つ猛者である。 その人のお勧めする映画で最近見たのは 「あの子を探して」 おお、なんだこの豪華メンバーは。 カニエ・ウエストが日本に暮らすのかもってんで 最近会社で「蟹江かな、やっぱ。蟹江西」などの 話題になった蟹江敬三。 しかし蟹江は姓であるがカニエは名であ

映画メモ88「アメリカン・フィクション」

アメリカを生きる黒人ではない私が書いていいのかな・・・ という作品。 文学作品を書くのに人種って必要? たとえば、女流作家って必要? 直木賞や芥川賞とか、雑でメジャーなくくりだけど そのあたりは「男女別」とかじゃないわけだし。 だよなあ、なんて思ったりも。 黒人がみんな「へいよーぶろ!」みたいな そんなわけでもない、よねと。 「アンクル・トムの小屋」の映画を アジア人が作っても、それって黒人文学映画になる、はず。 黒人監督が「源氏物語」を作っても 黒人映画になりそうじゃ

映画メモ87「レベル・リッジ」

ジョン・ウィック的なバカスカ、ではない。 映画なのにものすごく現実的で、だからこそテリーの静かな苦悩が伝わる。 テリー(アーロン・ピエール)を鑑賞する映画といってもいいな・・・。 さて、MCMAPとは!と、カンフー映画くらいの気合で彼は見始めてしまったので、アクションがメイン、なわけでもなく物足りなさそう。 まあその点は私もそう思った。そっちから入ってごめん。 さて、MCMAPとは。 MCMAPの「One mind, Any weapon」って、またかっこいいじゃないの

映画メモ86「JOKER」

だからやめろと。 太極拳でJOKER Folie à deuxを観に行くからJOKERを3回観てるという方がいらしたとかで 「なんだそのタフ!」 と驚く私と、 「えーそんな面白いのー?」 と未見の彼氏。 フォリ・ア・ドゥを観るにしても、まずはJOKER観なくては!となってる。 バットマンシリーズ好きらしい彼が未見で、シリーズ全然興味ない私がJOKERだけ観て闇…って変なんだけど、まあ観てみたよね。Netflixありがとう。値上げしても全然構わないよ愛してるぜ。 んで私に

映画メモ85「ジャンヌダルク」

おすすめされたので 重い腰を上げて観てみた。 今まで観なかった理由は、なんだろう、 乙女が焼き殺されちゃうのが分かってるから、 かな。 私は某教会の一応は信者とはいえ 当時の奇跡とかは 「えー」 と薄目で見ちゃう21世紀の科学の子。 そういうのもあって、どういうテンションで描かれるのか分からないから避けていたのかも。 で、さすがリュック・ベッソン。 血で血を洗う当時の臭いまで感じそうな 泥臭い感じがすてき。 想像するだけで甲冑の下の皮膚が痒そうで自分も痒くなる。 しかし

映画メモ84「エリザベス」

久しぶりに「エリザベス」。 ケイト・ブランシェットのもの。 エルフにしろ人間にしろ、女王っぽさすごい。 「TAR」でもある意味女王だし(オケの女王)。 1999年! ずいぶんと昔になってしまったのだな。 25年も前だなんて。 フランス語がところどころに出てくるんだけど ちょっと意味分かるようになったのが私の進歩か。 まあ、いろいろあれども王座を手にするのか分からんなーという 激動の時代を生きる一人の女性の物語。 今なら王位継承で戦争起きるとか殺し殺されとかはないので そん

映画メモ83「子宮に沈める」

「つみびと」を読んだ流れから、この映画を知ってNetflixへ。 基本的には勧めない。 女性であれば、自分の中の「女性性」というものを 考えたことがあると思うのだけれど、 それと向き合うことなく、「いやらしいもの」と 蓋をして生きる人の方が多いように思う。 母性の神話というのは社会が都合よく作ったものだと思うし。 ホルモンが「そういうふうにできてる」というのは 出産のたびに何度も実感した。 それは人体の仕組みの話だ、あくまでも。 女性に性欲があると言えるようになったのは

映画メモ82「あの子を探して」

会社に映画好きのおじさんがいて、 若い頃にデートで映画を3本立て続けに見ようとして 3本目に行く時に「いい加減にして」とフラれたという 逸話を持つなかなかにいい感じの人だ。 そのおじさんに勧められたのが 「あの子を探して」 配信もなく、でも中古のDVDを↑のAmazonで買って鑑賞。 楽しみにしてたけど息子の引越とかで週末延期になって昨日やっと鑑賞。 演技が演技じゃないというか、ドキュメンタリーみたいだった。 みんなが素人だというのもあるんだろうけど、 そういう工夫を

映画メモ80「窓ぎわのトットちゃん」

言わずと知れた「窓ぎわのトットちゃん」のアニメ映画化。 とりあえず本を読んでから見ようと思っていたのでやっとこさ。 小林先生の言われたトットちゃんの中での 「大切な言葉」 を、噛みしめるように言う先生役の役所広司さんの声が 印象を強くしている。 そしてその意図をきちんと表現できる役所さんやっぱすごいな。 みんな一緒だよ、一緒にやるんだよ 私にも非常に「そういうところ」があって 好きだと感じた人が言うことを ほぼ100%「そうしなくちゃね」となる。 妄信のようだけど、その

映画メモ79「アイ・アム・セリーヌ・ディオン〜病との闘いの中で〜」

パリオリンピックの開会式で歌った彼女の姿は これを見てからだと感動の度合いが違ったろう。 最愛の夫を亡くして痩せてしまった姿は見たことがあった。 Facebookで元気な頃にスタッフと戯けたり カープールカラオケの姿を見てから意外に思って ファンまでいかなくても好感を持っていた。 スティッフ・パーソン症候群を発症したという。 非常に稀な疾患で日本では10万人に0.2人みたい。 けいれんを伴うということで てんかんの恋人がいた私には馴染みのある症状かしらと思いつつ鑑賞。

映画メモ78「地面師たち」

ネトフリさんありがとう。 なんすかこの豪華な感じ。 悪い人だらけじゃないか。 映画じゃなくドラマ、全7話。 綾野剛の繊細な演技がパズルのピースみたいにハマる。 豊川悦司の変態さは「ジャッジ!」のヤバさを思い出した。 生ぬるい温かさを残すところがトヨエツ感。 浅野忠信でも、と脳裏をよぎったがもっとキンキンに冷えるのでハリソンの生ぬるい気持ち悪さとやっぱちょっと違うかなーとか。 泉谷しげるだったろうとことにマキタスポーツ。 昭和は遠くなったなーなんて思ってしまった。 それは

映画メモ77「ゴールデンカムイ」

実写版ゴールデンカムイ。 劇場に観に行きたかったのに、いつものことだけど 知らないうちに終わってるやつ。 変態博覧会であるマンガを実写にするなんて 勇気しかない。 そして、結構正しく変態でうれしい。 アシリパちゃんだって、ちゃんとオソマのときに ちゃんとあの顔してくれるし。 こういう仕事イヤって言うのとかあるのか知らないけど (白目むくのとか苦手とかはあるだろうが) ちゃんと仕事をしている皆さんへの好感度というか 役の人にしか見えない彼らは俳優なのであった。 愛じゃなくて

映画メモ76「パリタクシー」

会いたい人は、そこにいるのかしらね。 きっとそうね。 その日まで私も生きなくてはいけない。 必死に生きないけど、生きるのが終わる日まで 生きなくてはいけない。 傷付いてもうダメだと立ち上がれない 生きる気力が失せることが起きても 人との出会いで何かが決定的に変わることがある。 生きていける気がすることもあるし 世界を信じられるようになることもある。 大事な人なんだ、愛する人を会わせたいんだという シャルルの想いだけがシャルルの得たかけがえのないもので 人との出会いに私

映画メモ75「セーヌ川の水面の下に」

まあ、サメ映画だ。 サメはかわいいので、怖い割に嫌いではなく たまに見たりする。 英語タイトルは Under Paris フランス語は Sous La Saine セーヌ川の下 ・・・あれ?今年オリンピックあるの? 日本語のタイトルの方が原題に近い気がするけど 地下の水路がえらいこっちゃなのは レ・ミゼラブルでもおなじみ。 パリの下って言っても確かに過言ではない。 そもそもこの映画、 「川にサメ?」 で見てみたんだけど、いやー面白かった。 あー!フランス語にたまに聞き取