【短歌】蜂

白鳥のかたちの噴水見にゆかむ 春、白鳥の絶へしみやこに    

アザレアはあふれてやまずこもれびは神経のごとひかりてやまず

かすかなる熱たづさへて蜂は来ぬ死のにほひする植物図にも

夢とうつつの隙間にすべり落ちたままかへらざるわが羊をおもふ

雨の絵に雨描かれずうるみゆくこの世のそらをさすらふ、月は

ひとは花 白き歌集にかげろふの翅をはさみてゆく四月尽

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?