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【ゼミの紹介】人の知覚(視覚・触覚・味覚)をAIで近似する研究室

立正大学データサイエンス学部 教授 上原 宏

■料理の味覚・食感などの知覚を識別するAIの研究

『人が知覚する味・香り・食感と、料理の材料や調理工程との関係を特定することは、大豆ミートのように代替食品の開発が注目されるなかで、重要かつ多くの未解明な研究課題を含んでいます。 近年では、料理レシピサイトやグルメサイトなど料理に関連するビッグデータの入手が可能になったことから、データサイエンス的な方法によってこうした課題にアプローチする研究が注目されるようになりました。欧米では、このようなアプローチをcomputational gastronomy(計算調理学)と呼んでおり、データサイエンスと料理の科学が融合した新しい研究分野として、世界的な広がりを見せています。下図は、レシピサイトの大量のレシピデータから得られる食感の知覚表現と、料理の研究で測定した硬さ・粘着性などの食感の物性との対応関係をAIで推定する研究で、2022年人工知能学会全国大会にて優秀賞(OS部門)を受賞しました。(https://www.ai-gakkai.or.jp/about/award/jsai_award-conf/) このように当研究室では、AI的な方法による新しい料理データサイエンス研究に取り組んでおります。

■物体を認識するコンピュータビジョン

コンピュータが人の代わりにものを視る技術をコンピュータビジョンと呼び、自動運転やロボットなど、皆さんの近未来生活に大きな影響を与える重要な技術です。例えば、自動運転では、走行中に道路標識の意味を自動的に読み取って、それに従った運転をすることが必要です。しかし、同じ道路標識でも自動運転の車のモニターカメラからは、いろいろな角度・大きさで映るので同じ道路標識だということさえ認識することが難しいです。以下の図は、AIを使って、左側のクローズアップした道路標識と同じものがどこにあるのかを右側の写真から見つけ出して、正確に四角で囲うという研究です。この研究のデモムービーおよび自己紹介は以下のリンクからご覧いただけます。
https://douga.yumenavi.info/Lecture/PublishDetail/2021001016?back=

■ゼミナールでの研究指導

AIは、日常的に様々なシーンで今後実用化が進みます。ノートPC1台あれば、AIを活用するアイデア次第でビッグデータから新しい発見があるかもしれません。ゼミナールの学生の研究成果は、様々な学会発表を通じて社会に広く問いかけていきたいと考えております。今年は、3年生の大塚剛史さんが、9月に開催される日本調理科学会年次大会(https://confit.atlas.jp/guide/event/ajscs2023/top)で、レシピサイトビッグデータの解析結果を発表する予定です。

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立正大学データサイエンス学部情報
・ 立正大学データサイエンス学部HP・・・https://www.ris.ac.jp/ds/
・立正大学データサイエンス学部twitter・・・https://twitter.com/Rissho_DS
・2023年度オープンキャンパス日程
【熊谷キャンパス・来校型オープンキャンパス】6/18(日)、7/23(日)、8/20(日)
【WEBオープンキャンパス】7/30(日)、9/3(日)、12/17(日)
※詳細は、立正大学オープンキャンパスサイト(https://ris.web-opencampus.com/)をご覧ください。