超時空城のお宝探し塾の先生が召喚された
ムゲンは、とりあえずそうしたアイデアを送信したが、不自由な世界の実情をもっと知っている分身体の方がアドバイス役に良いのではないかなあ…と感じた。
ムゲンの統合体の視点は、かなり超時空世界よりになってしまっているために自分のアイデアを不自由な世界の者たちの多くはすんなり受け入れにくいと感じるだろうと思ったのだ。
不自由な世界に長くいる体験者たちは、彼らの世界の常識と呼ばれている価値観から逸脱しているアドバイスは多くの場合すんなりと受け入れられない可能性が高かったからだ。
ムゲンとしては超時空城の仕組みを不自由な世界で可能な範囲で反映させたい…と思っていたのだが、詳しい説明が不足していると不自由な世界の常識に反しているとみなされて受け入れにくいものになるだろう…ということが他の分身体から指摘されたのだ。
そこで、ムゲンの統合体は、不自由な世界にもっと精通した分身体にアドバイス役を交代してもらおうと思った。
その分身体は、超時空城で「お宝探し塾の先生」という仕事をしていた。
不自由な世界にも、探せばそれなりにお宝=何かしら素晴らしいもの があるらしく、お宝探し目当てに不自由な世界の探索にゆく分身体たちがいて、彼らのためにいろいろ不自由な世界についてのあれこれを教えてあげているらしい。
お宝探索者たちは、不自由な世界群、特に滅びそうになっている不自由な世界を好んで探索していた。
そのまま世界が滅んでしまうと、その世界と共にその世界に存在していたせっかくのお宝が一緒に消滅してしまうからだ。
超時空体験図書館にはそうしたデータも記録されているとはいえ、その閲覧自由自在の資格を得ていない分身体にとっては消滅したのと同じことになるからだ。
そういうわけで、ムゲンの分身体の中には、好んで不自由な世界を探検している分身体たちがいて、彼らは不自由な世界に結構精通していた。
不自由な世界の仕組みを知っておかないと、お宝探し中に支配者につかまってしまったりして、まともにお宝探しができないらしい。
そのためにそうしたお宝探しをしようとする分身体たちのための塾のようなものも超時空城内に生まれていて、そこには先生役の分身体などもいた。
そこでムゲンは、その先生役の分身体を呼んでアドバイス役を交代してもらうことにした。
「先生、バトンタッチよろしくお願いします」とムゲン。
「はい、わかりました。でも、どんなアドバイスをすればいいのでしょうか?」とお宝探し塾の先生
「そうだね、とりあえず不自由な世界がすぐに自滅しないようにアドバイスをお願いしますよ」
「はあ……すぐに自滅しないように……ですか……それなら、ずっと自滅しないアドバイスの方がいいんじゃないですか?」
「ああ、まあ、それが可能ならその方がいいんだけど、でも超時空聖体たちが、すでに存続NG判断しちゃってるんだけど……」
「あらまあ、それはちょっと差し迫った問題ですね……でも、その判断も不自由な世界が良い方向に変化すれば変わったりもするのでしょう?」
「まあ、それはそうだろうけど、なんとかなるかな?」
「それは不自由な世界にいる体験者たちの意志次第ですけど……まあ、ちゃんとお宝の意志を持てるようになれば大丈夫だと思いますよ」
「お宝の意志って?」
「ああ、これは失礼しました。うちのお宝探し塾では、ほら、あの体験の自治権と皆さんが言っている権利を皆に提供してゆこうとする意志のことをお宝の意志と呼んでいるんですよ。まあ、みんなお宝目当てですから、そうした呼び方をすると皆さんその意志を何としても持とうとしてがんばってくださるんです」
「なるほど~、お宝という言葉で塾生たちが釣られてしまうわけですね」
「あらまあ、それはちょっと言い方が良くないですわね。お宝の意志は、本当にお宝なんですから」
「これは失礼しました。確かにそうですね、お宝の意志 すばらしい名前だね」
「ふふふ、お宝の意志を持っている方たちが多数派になった世界は、滅んだりしませんから、お宝探しの前に皆さんにお宝の意志を持ってもらっているんです。そうしておけば、その不自由な世界にも良い効果になりますから」
「なるほど~、なかなかうまいことやってますね」
「はい、お宝の意志を持てていることを不自由な世界のお宝探索の必須条件にしてるんですよ」
「すばらしい!」
「ただ……たまに、不自由な世界に入る時にその魂の記憶を全部消しちゃう不自由な世界なんかもあって、ひどいことになってしまうケースもあるんですけど」
「それは困るなあ…」
「まあ、そういう場合は、後から必要情報を送ったりもしているんですけど……変な価値観が密に渦巻いていたりすると、変に情報が受け取られてしまったり……まあ、不自由な世界あるあるですけども……」
「まあ、そうだよなあ……でも、そんな中で、よくやっていると思うよ」
「ありがとうございます。ハンデもうまく乗り越えれたらお宝体験になりますからね」
「そうだなあ……そのままハンデにつぶされてトラウマになってしまわなければなあ……」
「はい、まあ、後からトラウマを消す治療技術も超時空城にはありますし、お宝探しをしようとする皆さんは、たいていは勇敢ですよ」
「でも、さすがに世界ごと消されちゃうとまずいでしょ?」
「それは確かに……」
「ではでは、先生、世界ごと消されないようにするためのアドバイスなど、どうぞよろしくお願いします」
「はい、では、できるだけその方向を目指して必要情報をお伝えしてみますね」
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不自由な世界群の皆さま、はじめまして!
私は超時空城でお宝探し塾を運営していまして、この度、不自由な世界をお宝世界にするために皆さまに各種の必要情報を提供する役目を承りました。
いかに不自由な世界が破滅しないで、誰もが素晴らしいと思えるお宝世界に進化してゆけるか……というテーマでお話をしてみたいと思っています。
できれば不自由な世界に関わっている誰もが、
「これは素晴らしい世界だ! この世界はまるごとお宝世界だ!」
と感じれるような世界に不自由な世界が進化してくれたらいいなあ……と思っています。
であれば、どうすれば、どう変化すれば、どう進化すれば、不自由な世界がお宝世界認定を受けれるのだろうか……ということを考察してみようと思います。
結構、ダメ出しが多くなると思いますが、お宝世界に進化するためには何がダメで、どう変化し、進化すればいいのかを理解しておかないと良い方向に進化してゆけないので、耳が痛いと感じる方もいるでしょうが、この世界の問題点とその改善方向を理解する一助になればと思い、しばらくこのテーマでお話してみようかと思います。
「いかにすれば、この不自由で不条理で残酷なことが多い不自由な世界が、誰もが自分の意志だけで自分の体験、運命のすべてを自由自在に選べて楽しみ続けれるお宝世界に進化してゆけるのか……」
という感じです。
さて、それではこの世界に関わっている皆で一緒に考えてゆきましょう^^/
基本は、
★「誰もが自分の意志だけで自分のあらゆる体験を自由に選び楽しみ続けれる世界、状態」
を皆で真摯に目指す……ということになるかと思います。
ただ、じゃあ、具体的にはどうすれば不自由な世界がそうなってゆくのか、どこを改めればいいのか……という点について具体的な目標や改めるべき点などを書いてみようかと思います。
不自由な世界に希少価値みたいに散在しているお宝をなんとかあちこち必死に探し集めて、それを材料にして不自由な世界とは別次元の異世界にお宝世界を新しく創造する……という道もあると思いますが、できれば不自由な世界を丸ごとお宝世界にしてしまう方がいいですからね。
お宝がなくなってしまった世界は、お宝が出なくなった鉱山とかが廃坑になるみたいに閉鎖されてしまう可能性もあると思うので、皆さまのいる不自由な世界に生き残り続けたい……などと思っている方たちにとっては、かなり重要な問題です。
ただお宝がみつからないだけでなく、危険な体験ばかりの世界ともなれば、強制的に営業停止となって、逮捕者なども出るかもしれませんから、そういう意味でも不自由な世界を丸ごとお宝世界にしてしまえば、そうしたリスクもなくなるので、いろいろな意味で不自由な世界に関わる者たちにとって理解しておくべきことになるのではないかと思われます。
ではでは、皆で「お宝世界をどうしたら実現できるのか……」一緒に考えてゆきましょう~^^/
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