甘太郎の説得と全知ちゃんの教え

甘太郎は、「テクノロジー犯罪被害者の報告書」なる青年が書いたであろう報告書を読んで怒り心頭に達していた。

「なんでこんなひどいことをするんだ! 一体、誰がこんなひどいことをやっているんだ!」

自分の肉体が自分の意志に反して操り人形にされたような感じで、好き勝手に操作されるのだという。

表情や感情まで操作され、本能的な欲望や願望すら遠隔操作されるという。

「これは、完全に犯罪じゃないか!」

甘太郎のいた意識世界や超時空世界では、そうしたことだけはしてはならないとされていたことが平然とされていたからだ。

そうしたこと とは、「故意に他者にその望まれていない体験を強制してはならない」というルールだった。

それだけが超時空世界や意識世界では、絶対にしてはならない犯罪とされていた。

それを確信犯でしてしまうと自業自得学園送りとなる。

動物たちの状態も甘太郎の逆鱗に触れた。

「これは完全に弱い者いじめじゃないか!動物たちにこんなことしなくても、食べ物はいっぱい他にあるじゃないか!」と叫んでいた。

立場が圧倒的に弱い不自由な状態の家畜と呼ばれる動物たちが、より不自由な状態になるように品種改良され、食べる楽しみのために膨大に繁殖させられ、劣悪な環境で飼育され、若くして殺されて食べられるようなことが延々と続いていた。

甘太郎は、あまりにもがまんならなかったので牧場というところに行って、その柵を壊して叫んだ。

「みんな逃げて! 逃げて! このままだとひどい目にあっちゃうから早く逃げて!」

すると牧場主がやってきて、甘太郎を警察に突き出そうとした。

甘太郎は、牧場主に食ってかかる。

「なんであなたはこんなひどいことをしているんですか? 他にできる仕事がいくらでもあるでしょう?」

すると牧場主は、言い返す、

「何を言っているんだ!君は! 私は牧場経営者なのだよ。ちゃんとこの国の法律に従って牧場を経営しているんだよ。職業を選ぶのは当然の権利であり自由なんだよ。わけのわからないいいがかりをつけてくるな!この狂人め!」

などと……

しかし甘太郎はひるまない。どうしたって家畜たちを助けたいのだ。ただし、牧場主にもそれなりの事情があるようだとも思い始めた。なぜなら、牧場主との言い合いの中で牧場主が家畜たちが全部逃げてしまうと借金が返せなくなって破産すると言われたからだ。
そうなると牧場主も生活ができなくなりその家族も従業員も路頭に迷うことになるらしい。

甘太郎は天を見上げる……

「一体、これはどういうことですか? なんで国やこの世界の支配者さんたちは、こんなことをそれでよしとしているんですか?この状況は、あんまりにもひどいんじゃないですか?」

甘太郎の叫びは全知ちゃんの協力があり、すべて不自由な世界の伝えたい相手に超時空的なテレパシーで伝わるようになっていた。

すると返事が来る。

国の首相からは、「これはこの国の法律で認められている商売なのだから、わしにはどうすることもできない」などと返事がきた。

すると甘太郎が言い返す、

「そんなことないでしょう! あなたは国の政策を国民の大半の反対を無視して身勝手に決めているじゃないですか! 憲法だって無視して大義もない残酷な戦争に加担しているじゃないですか!

そのために国民の税金を身勝手に使っているじゃないですか!

それなのに、こんな不自由で罪のない家畜たちを助けるためには、びた一文出さないっていうんですか?

牧場主も今の収入と同じ収入が得られて、仕事内容も今より楽なら牧場主であることを止めてもいいと言っていますよ。
なんでそれなのに、そうした仕事を提供してあげないんですか?あなたの国の代表としての選択、おかしいでしょう?」

などと。

すると、

「そんな政策を実行すれば、国民全体から攻撃されてしまうよ。みんな家畜のお肉を食べたいと思っているんだから」

などとテレパシーが返ってくる。

「そんなわけないでしょう? たとえ家畜のお肉が食べたくても、して良いことといけないことがあるでしょう! 国民全体から攻撃されてもしてはならないことならば、あなたは良心に従って国民を説得すべきでしょう?」

と甘太郎。

「そんなことを言ってもねえ……これは大昔からの食文化なんだから、私の一存でいきなり止めさせることなんてできないんだよ」

と首相。

「だったら、あの毒のワクチンはどうなんですか? あれは国民の願いと反対とかを無視して嘘までついて無理やりみんなに接種したじゃないですか!

あれは薬ではなくて毒じゃないですか! 全知ちゃんがそう言っているんだから、毒なんですよ。

人々の体験や運命を遠隔操作するための毒らしいじゃないですか!あんな毒を人々に接種するために一体どれだけの税金を使ったんですか?

そのお金を畜産業の方が他の平和的な仕事ができるようにするために使うこともできたじゃないですか!」

甘太郎がそう言うと、

「いや、これは上からの命令で、それを拒否したら私も殺されたり、首相でいられなくなるんだよ。だから仕方なくしていることなんだよ」

などと首相は返答してきた。

甘太郎は、国の首相にかけあっても無理だと判断して、その上の者たちにテレパシーをつなげた。
命令に背いたために首相が暗殺されてしまうとかわいそうだと思ったのだ。

「ちょっとそこのこの国の首相に命令しているあなたは、なんでこんな毒ワクチンを全人類に接種しようなどと思ったんですか?

その行為にどんな正当性があるんですか? 正当性があるというなら説明してください!!!」

すると、返事がない。

そこで甘太郎は、全知ちゃんに頼んでより強力なテレパシーで送信する。

「いいですか? 首相が暗殺されるから仕方なくしていると言っているんですから、あなたたちに正当性があれば説明できるはずですから、あなたたちを全知ちゃんたちに頼んで自業自得学園送りにしますよ。

黙っていたらそのまま自業自得学園送りです。そういうことになっているんです。

というか、この不自由な世界ごと消す手筈にもうなっちゃっているんですよ。だからだんまりを決め込まないでちゃんとどうしてもそうしたことをしなければならない理由や事情があるなら説明してください。僕はあなたたちもみんな救いたいんです。そのためにこの世界に来ているんですから」

すると、

「我々は、この不自由な世界の体験者たちを完全に徹底的に好き放題に支配できるようにしたいと思っているのだ。邪魔をするな!」

などという返事が返ってきた。

すると甘太郎は応じる。

「あのですね、その不自由な世界が丸ごと消されるんですよ。もうそれが超時空体たちの会議で決定しちゃっているんですよ。だからあなたたちも逃げないと消されちゃうんですよ」

すると、

「お前は何を言っているのだ? 我々はこのような不自由な星ではなく、この広大な宇宙の支配者なのだ。だから逃げる必要などさらさらない。それに霊的世界にも我々は自由に行くことができるのだ。こんな星を消したければ消せばいい。他の星くらいいくらでもあるのだからな。我々のいうことを聞かないと電磁波や破壊光線や彗星爆弾を使ってこの星の生命たちのほとんどを滅ぼすぞ!」

などと応じてきた。

しかし甘太郎は、さらに熱弁する。

「いいですか? あなたたちが何様だか神様だか知りませんが、その宇宙も霊的世界も全部消されちゃうんですよ。そんな星ひとつ彗星爆弾とかで消すような小さな話ではないんですよ。

天国も地獄も煉獄も……全部まとめて消されちゃうんですよ。宇宙船も地下要塞も全部消されちゃうんですよ。物質世界全部が消されちゃうんですよ。霊的世界全部も消されちゃうんですよ。

望まれない体験を好き勝手に他者に強制できてしまうあらゆる世界が超時空世界のルールに反しているので全部消されちゃうんですよ
だから早く逃げてください!」

甘太郎はそう絶叫する。

すると、

「おいおい、なんだその話は……そんな話は聞いていないぞ……しかし、その話が本当だとしたら一体どこに逃げればいいというのだ?」との声がする。

甘太郎は叫ぶ!

「超時空世界に避難用の望む体験を自由に選んで楽しめる楽園世界を用意してありますから、そこに皆で逃げてください!この前、ちゃんと何度もそう呼びかけましたよね!」

「ああ、確かに、そうした世迷い事を言っていた奴がこの前いたな……ありえない話だと思って聞き流して無視したな……」と答えが来る。

「でしょう? ちゃんと覚えているじゃないですか! そもそもあなたがたは超時空体たちによれば自業自得学園行きになるんですよ! だから、今その絶大な権力を持っているうちに、できるだけの償いをして執行猶予や減刑を求めれるように目指してください!」

「今更そんなことをしても手遅れだ……我々はあまりにもやりすぎている……自業自得となるくらいならこの世界ごと消滅する」

「そうはいきませんよ。消滅することなど僕が認めませんよ。これでも超時空体様たちを説得してきたんですからね。自殺して消滅してちゃらになどしようとしても、そうならないそうですよ。
そもそもあなたがたはこの世界の体験者たちに自殺すら認めてこなかったじゃないですか!
やれペナルティだとか、地獄に落とされるとか脅して、安楽死するためのお薬もあるのに提供してこなかったじゃないですか!
それで世界とともに消滅するなんて選択が認められるわけないでしょう?
ちゃんと自業自得の責任をすべて最後の最後まで全部体験するまではすくなくとも許されないですよ」

「いや、それはないだろう。そんな説明や注意や予告や警告など……ああ、そうか、そういえばあったな……無視していたな……」

「そうでしょう? 超時空体たちは、ずいぶん前からそうした説明や説得や注意や警告をしてきたって言ってました。
だから、もう判決が決まっていて、あなたがたは有罪決定しているんです。
もう自分の意志で自分の運命や体験を自由に決める権利も自由も失うことになるんですよ。
それがあなたがたが故意に確信犯で他の体験者たちにしてきたことだからです。
その自業自得の責任が問われるんです」

「おいおい、そんなことは認めないぞ」

「認めようが認めまいが超時空体がそう決めているんだから、抗うことはできないんですよ。
そもそもあなたがたは、他の体験者たちが認めないと主張したら、その支配行為を止めたりしてこなかったでしょう?
であれば、自業自得であなたがたも認めないと主張しても、超時空体たちの判決を変えることができないんですよ」

「……………」

「だから、償いをしてください。すぐにしないと間に合いません。少なくとも償いの意志を示さねばならないんですよ。あなたがたは自業自得の責任がありすぎて、それに他者に対する権力も持ちすぎていて、ただ逃げればそれで済むわけじゃないんです。自殺しても済まないんですよ」

「……………」

「あなた方を助けるためには、どうしてもあなた方の心からの改心と償いの行為の確認か、全面的な治療の依頼が不可欠なんですよ」

「……………」

「黙ってないで何とか言ったらどうなんですか? その心も動機も過去の行いも……みんな超時空体様たちにはバレるんですから
黙っていたって判決は変わりませんよ。むしろ確定してしまいますよ。

とりあえず、その利己的で残酷な支配欲を手放してください!!!そんなものを手にしたまま自業自得委学園から逃げることはできません。

「……………」

返事がないので甘太郎は、次の相手に呼びかけ始めた。

「そこのまだ良い意志が少し残っている悪魔族の方も逃げてください!今まで他者の体験の自治権を奪ってきたことを反省する気がある神様たちも逃げてください!良い心の宇宙人さんたちも逃げる準備をしてください!

あなたたちの世界のすべてが消えてしまうのですから。超時空世界の新世界に逃げてください!!!

そんな……お前が死ね……とか言わないで、そう言うものたちが死ぬ運命になるんですから、そんな逃げるために確実に足かせとなりお荷物となるダメな心を捨てて逃げてください!」

すると、悪魔世界、神族世界、宇宙人世界がざわめき始めた。

「人類の皆さんもみんな逃げる準備をしてください! 今まで悪いことをしてきた方は、それが悪い本能や欲望を強制的に与えられていた場合は、その責任をそうした欲望を与えた者たちに差し戻す告訴をすればその責にをそうした者たちに転嫁することができますから、必要手続きをその心の中でして逃げる準備をしてください!

この不自由な世界がいつ消えても思い残しがないように、他者が望まない体験を故意に強制するような行為だけはしないようにして、できるだけやり残していると思うことを全部してしまってこの不自由な世界に未練がなくなるように全力で準備してください。

あなたがた人間族は、どっちみち、みんな寿命で時間差で滅ぶのですから、そのような準備はみんな本当は物心がついた時点からすべきことだったのです。

この世界の支配者たちに従うのではなく、この不自由な世界に思い残すことがないように、もう残り時間はいつ終わるかもしれないという状況なので自分の人生を生きてください。

全知ちゃんによれば、その覚悟を皆が持てるようになれば、この不自由な世界を自由な世界に改めれる可能性がはね上がるそうですから、そのためにもいつでもこの不自由な世界が消滅してもいいと思えるように、この世界に未練がなくなるようにその心を準備していってください!」

甘太郎のその叫びは、人間族全体に伝わった。人間族全体がざわめきはじめた。

「自由意志がほとんど与えてもらえていないタイプの罪のない動物さんたちは、未来から来た犬猫族のスピアたちができるだけその魂を保護して超時空世界に生まれ変われるように配慮します。
その場合、食い合いの本能などの悪い本能は苦痛なく消してもらえますので、安心してください。

自由意志がそれなりにある動物さんたちは、できるだけその本能にではなく、今よりもっと自由になりたいと願う自由意志にできるだけ従ってください!
そうすれば、超時空世界では、そのような存在に進化できるようになります!
超時空世界では、それが他者を苦しめたいなどの悪い願いでなければ、自由意志の願いはすべてリアルタイムで実現します!」

動物界全体やペットたちがざわめきはじめた。

「知性と自由意志と想像力がある方たちは、その属する種族に関係なく、自分がこの不自由な世界の拷問体験装置である肉体や種族ではなく、想像力を使ってもっと素晴らしい肉体や種族を思い描いてください。

超時空世界では、どんな種族にでもなることができます。また、この不自由な世界に存在していない種族になることもできます。
自分独自の完全にオリジナルで個性的な姿形や容姿であっても、それを明確にイメージできれば、その姿として生きることができます。

そんなことは嘘だとか、そんなことは信用できない……と思われるかもしれませんが、そうした想像力を得ることで、こんな不自由な世界内であっても、その自分だけの想像の世界をその意識でいろいろ楽しめることを実践して確認してみてください。

そうした想像力をいろんな方法で妨害されて自由自在に使えない方であっても、自由な想像力が得たいと願うことができるならば、願ってください。

この不自由な世界から脱出し、自由な世界に行けば、願うことさえできればそうした能力も得られるようになるからです」

甘太郎は、叫び続けていた。

その声はとっくに枯れてもはや判別できる言葉にならなくなっていたが、テレパシーは伝わった。

「この不自由な世界からいつでも笑って脱出できるようにその意識を準備をしてください!脱出準備をしてください! その心の準備が完了した方が命がけで世直し活動をするのならば、悔いが残ることも少なくなるでしょう。

この不自由な世界の肉体としてはもういつ死んでもいいと思えるようになれば、その方は世直し活動もやりやすくなりますから!

みなさん、だから、いつこの世界が完全に消えてもいいように今から心の準備をしていってください!

その準備が整えば、悪者たち全員を説得する活動もやりやすくなります。

そうなれば超時空体たちが悪党たちに、改め償うか、滅ぶかの最終通告カードを気兼ねなく切れるようになるからです

だから、この不自由な世界を不自由で不条理で残酷なまま存続させようとか、何としてでも不自由な状態を改めないままこの世界に生き残ろうとか思わないでください!

みなさんに植え付けられた利己的な生存本能や利己的な支配欲の奴隷のような状態にならないようにしてください!

みなさんの自由意志でそうした不自由な呪縛から自らの意識を解放してあげてください!!!」

ついに甘太郎はこのあたりで叫び疲れて意識を失ってしまったようだ……

すると同じ肉体に同居していた全知ちゃんが甘太郎の演説を引き継いだ……

「皆さんは、自分の本能を否定しても大丈夫なのだろうか……などと不安になるかもしれませんが、

大丈夫です。超時空世界では自分の本能や欲望なんて食堂で食べ物を自由に注文して選べるような感じでいくらでも自由に選んで楽しめるのですから。

いいですか?みなさん、超時空世界では皆さんが絶対にできないと思うことはできませんが、できると思うことは他者の自由を侵害しないならば何でもできるのです。

ですからこの不自由な世界では絶対に不可能なことでも、超時空世界では可能になるのです。

だからこの不自由な世界では絶対不可能なことでも、超時空世界に行けば可能になるのだと理解してください。

だから、想像力を育成することが大事なんです。この不自由な世界に生き残ることを必死で考えるよりも、実は、その方が大事なんです。

なぜなら、この不自由な世界は消滅することが決まってしまっているからです。
少なくとも、この不自由な世界の支配者たちが改心して反省して償いはじめないとこの決定は変わらないことになっています。

その理由は、この世界の支配者たちが皆さんの生殺与奪権やその体験を遠隔操作する能力などを無理やり手に入れてしまったからです。

利己的で残酷な悪党たちがそうした力を好き勝手に使える状態の世界に、新たに魂たちを引き込む行為は認められないからです。

だから、今、この不自由な世界の支配者たちを説得していますけども、良い返事がまだ得られていませんので、みなさんはどうしたって備えあれば憂いなしですので、この不自由な世界がいつ超時空体たちに消されても問題ないように脱出のための準備をしてほしいのです。

ですから、思い残しがないようにやり残していると思うことは、良心に反したことをしない範囲で、できるだけ全部してしまいましょう!

見たい花や景色などがあれば、積極的に見てその好ましいイメージを心の中に保存して、できれば自分の意志と想像力でできるだけ再生できるように目指してください。

それができれるようになればその印象を超時空世界でも、みなさんが行く世界のどこにでも持ってゆくことができるからです。

本当はみなさんは、あくせくと労働するためではなく、また、悪い世界支配者たちの悪い世界支配行為への反対デモをするためでもなく、そうした素晴らしい良き印象や体験をたくさん楽しみながら、その心の中に保存して、いつでもそれを自由に想像再生したり、自分の意志でアレンジしてより素晴らしい印象や体験や世界を創造するために生きることができたのです。

そのように生きる自由がこの不自由な世界では、この世界の世界支配者たちにごっそりと奪われてしまったのです。
ですから、その自由を取り戻すために、その自由を意識的にその心の中で、あるいは弾圧など受けることがなければ公開の場でも要求してください。

みなさんは、本当はただ愉快にみなで踊ったり歌ったり遊んだりゲームをしたり演劇サークルで楽しんだりするだけでよかったのです。

この不自由な世界の支配者たちが、無理やり自分たちの利己的な支配欲を満たすために、みなさんの自由を奪おうとしなければ、それが可能だったのです。失われたその被害や逸失利益はとてつもないものなのです。

その被害者である自覚を持ってください。だくだくと支配を受け入れる家畜たちのようにならないでください。
告訴し訴える心を持ってください。それによってみなさんは、失われた権利を奪回する資格を得るからです。

こんな不自由な世界の限りある肉体の命が一番大事ですか? 皆さんが最優先にすべきことは、そんなものではないはずです。

こんな不自由な世界の残酷な世界支配者たちの部下や下僕として、他の体験者たちに対するいくばくかの権力を得て生きることが一番大事なことですか?

そうした願いを最優先にしてしまうと、自業自得学園でその願いが実現化してしまいます。支配される側としてです。

不自由な世界を不自由な状態のまま肯定しないでください。心の中でただそう思うだけでも意味があります。

いいですか?みなさん! みなさんの思いや意志は、ちゃんと力を持っているのです。それが内心での思いでもです。

自由意志を持っている限り、その意志の力を行使することができるんです。

意志の力は、時空間を超えて意志する相手に届くのです。

だから、本当は、みなさんは、裁判官でもあり、その執行官でもあるんです。

小さな裁判官であり、執行官なんです。

良心的に正当性のある裁判をその心の中でするだけで、良心に反した者たちに罰を与える力があるんです。

不自由な世界の世界支配者が好き勝手な判決を引き出せる裁判とかではなく、本当の裁判はみなさんの心でなされているんです。

だから悪い支配者に何でも無条件に従うべきだとする教えは、そうした悪い支配者を裁判をする力を削ぐための間違った教えなんです。

だから、悪者たちはたいていみなさんに嘘をついて騙すんです。わかりますか?

みなさんからの裁判を受けるのが、その判決をその自由意志の力で執行されるのが、嫌だからです。

なんで正々堂々と悪い世界支配者がみなさんの前に姿を現さないのかの理由がそれです。

しっかりと認知されないように隠れていないと、被害者のみなさんからの裁判を超時空的な作用でどこにいても受けてしまうからなのです。

じゃあ、どうすれば隠れている悪者たちを見つけることができるようになるのでしょう?

その身を完璧に隠していても、その意志を完全に隠すことはできないのです。

悪者の姿が見えなくても、その悪い意志は、隠せません。

ただし、そうした悪い意志を感知するためには、常に良心的な願いを持っていないと見逃すことがよくあります。

良心的な願いを常に持っていれば、悪い意志をすぐに見つけることができるようになります。

すでに良心的な方たちは、意識的に、あるいは無意識的に、この技法をすでに使っておられると思います。

世界をできるだけ良心的な世界にしようと常に願っていれば、そうでない現象をすぐに察知できます。
その事象の裏にある悪い意志を読み取れるようになるわけです。

ただし、みなさんの社会のほとんどは、いわゆる悪者たちが創り上げた鳥籠の中のような状況になっています。

ですから悪い意志をいくら察知できても、その鳥かごから脱出できないとやりたい放題されてしまいます。

ですからそうした鳥かごの中にいる方たちは、自衛する必要があります。そうした状況で自衛することは悪いことではありません。

もし自分が鳥かごの中の鳥であると完全に思い込んでいれば、その鳥かごから逃げることは不可能です。

鳥として生き残ろうとしていても、自衛できません。鳥には寿命があるし、餌や水に毒を混ぜられたりもするからです。

みなさんは自分が鳥籠の中の鳥ではなく自由な意識であると思うようにするといいでしょう。

そのためには、その世界や鳥かごが、ただの糞ゲームの中の一部のようなものだと理解する必要があります。

完全支配システムがプログラミングされたゲーム内で、ゲームの創造者や支配者とやりあっても勝ち目はないからです。

その場合、そのゲームのプログラムやルールそのものを否定した意識状態を持つ必要があります。

ゲーム内では負けても、ゲームプレイヤーの次元で勝つような態度です。

肉を切らせて骨を断つという諺に似ています。

ゲーム内の不自由なキャラとしてはぼこぼこにやられてしまっても、ゲームプレイヤーとしての殴り合いには圧勝するような感じです。

そもそもそのゲームのメイン電源を引っこ抜いてしまえば、あるいはそのゲームソフトをハンマーでたたき壊してしまえば、ゲーム内の悪夢は、それですべて終わるのです。

しかしそうしたことはみなさんがゲーム内の不自由なキャラであると思い込んでしまって、絶対にそのゲームを何が何でも続けるのだとどんな酷い目にあっても思っているうちは、とうていその選択肢を選ぶことはできません。

どうしてもみなさんの意識をそうしたゲームプレイヤーレベル以上にまで上げなければならないのです……」

全知ちゃんは甘太郎が意識を失ってしまっている間にそんな説明を不自由な世界の体験者たちに伝えた。。

甘太郎は意識をほとんど失いながらも、みなを助けなければ……という思いから目覚め、懸命にまた話をはじめる。

「とにかく僕はみんなを助けたいんです!!! なんとか助かってください!!!

人間族のみなさんも、動物族のみなさんも、悪魔族のみなさんも、天使族のみなさんも、神族のみなさんも、宇宙人族のみなさんも、天国族のみなさんも、地獄族のみなさんも、地底世界のみなさんも、霊界のみなさんも、創造主族のみなさんも……みんな助かってほしいんです!!!

みんな、助からねばならないんです!!!

そのためにどうしても必要だというのなら、この僕の命でいいならみなさんに差し上げますから、どうかみんな助かってください!!!」

甘太郎は、声をかぎりにそう絶叫すると、そのまままた意識を失ってしまった。

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