統合型のムゲンはあらゆる体験者が満足できる新世界の創造を目指す

統合型のムゲンは、超時空城の先生たちに不自由な世界滅亡回避のためのアドバイス提供のお仕事を託し、不自由な世界の体験者を救出するための新世界の設計創造に意識を移していた。

不自由な世界の支配者たちが、また被支配者たちが、それぞれその自由意志で何を選ぶのか……まだわからなかったからだ。
備えあれば憂いなしとの態勢だ。

不自由な世界ごとの事情において具体的にどうすればいいかということはいろいろな不自由な世界ごとの事情を考慮しなければならなかったので、具体案を示すことは現場の事情通でないとうまく導けないと思ったわけだが、最終的にどうすればいいのか? という結論は、すでにわかっていた。

結局は、「自業自得検証システム」で誰もが心から満足し続けることができる状態にするしかない のだ。

不自由な世界群では、それが極端に難しい基本仕様になっている世界が多数あった。

だから、そうした難しい基本仕様の中で具体的にどうすればいいのか……というアイデアを出すことが難しいだけであり、世界を0から設計するのであれば、それなりの知性があれば、そう難しくはないのだ。

そもそもはじめからその世界のあらゆる体験者がスタンドアロンで心から満足できる設計にしておけば、それだけで基本システムはOKとなる。

ただそれだけのことなのだ。

それを……わざとそうならないような世界に設計したから不自由な世界群では、問題が延々と発生し続けているだけなのだ。

だから、その間違いに気づき、理解し、改めなければならないのに、不自由な世界群の体験者たちのほとんどが、その不自由なシステムによって洗脳されてしまっていて、その不自由な世界の創造主を崇め奉ってしまっていたりして、そんな不自由な状態の世界を素晴らしい世界だから守らねばならない……そのためには体験者たちの体験の自治権をすべてはく奪してもかまわない……などとおかしな価値観まで持ってしまっているのだ。

それはあたかも残酷体験を強制し続ける強制収容所を守るためならば、良心的な者も、罪なき者も、すべて囚人にしてしまってもいいや……という価値観に似ていた。

とんでもないな……とムゲンは思うが、それをいくら説明しても不自由な世界の支配者やその部下たちは聞く耳を持たないのだ。

例えば、ムゲンが提案した世界中の刑務所を「楽園刑務所」に変えるように……との提案を、不自由な世界の支配者たちは、むちゃくちゃな解釈をして、自分たちが良心的な体験者や罪のない体験者もみんな自分たちが創造した体験の自治権をはく奪できる刑務所に閉じ込めてしまってもいいのだと思ってしまったりするのだ。

当然、良心的な体験者や罪なき体験者は、楽園刑務所に入る自由はあっても、同時に出る自由もなければならない。
あくまで他者の体験の自治権を、何度説得しても確信犯で否定し続けてしまう体験者だけが、楽園刑務所から出る自由を制限される状態でなければならない。

楽園刑務所とは、他者の体験の自治権をはく奪することが不可能な楽園でなければならないのに、良心的な体験者や罪のない体験者たちの体験の自治権=「誰もが自分の意志だけで自分のあらゆる体験を自由に選び楽しみ続けれる権利」を好き勝手に奪える強制収容所を惑星規模で生み出そうなどと考えてしまっていた。

それでは本末転倒であって、犯罪行為だから止めなさいと指摘すると逆切れして攻撃してくる始末だ。

あくまで楽園刑務所は、確信犯で他者の体験の自治権を否定する者たちを保護し治療するための善意の施設でなければならないのに、完全に勘違いというか、わざと誤解したふりをして自分たちの犯罪行為を正当化しよう…などとすら思う者までいた。

全員を刑務所に入れてしまえば、それで全員が悪いことができないようになるから、それでいいでしょう?という論理だ。

それなら、お前たち不自由な世界の支配者や部下たちもみんな一緒にその刑務所に入れ、管理は超時空城がするから…と伝えなければならくなる。

すると、それは嫌だと言ってくる……

結局、表向きをいくら飾っても、その実態は、自分たちだけ他の体験者に好き勝手できるようになればそれでいいという価値観でしかないのだ。

なんとか提案したアイデアの抜け穴をずる賢く探して、そうした自分たちだけ好き勝手できればいいという感じの状態にしようと虎視眈々と目指してくる……

一番大事な「あらゆる体験者が自分の意志だけで自分のあらゆる体験を自由に選び楽しみ続けれる世界、状態を実現する」
という目標をどうしてもその心に最優先に持つことができない。

そしてそのせっせと高めてきた知性やその部下たちの知性を自分たちだけ他の体験者に好き勝手できるようにするための術策を考えることに全振りしてしまうのだ……

そして、どこを切ってもダメ価値観の世界統治管理計画しか出してこない。

そしてまるで駄々っ子のように、権力の座にしがみついて手放そうとしないのだ。

それではダメなのだよと何度伝えても、無視したり、逆切れしてきたり、ダメ政策をくり出してくる。そしてそのダメ政策を実行してしまう……気分次第で無差別攻撃兵器などを平気で使ってしまう……そして自殺的な自業自得のとんでもないカルマを背負い込み続ける……

そんなこともあり、そんな水掛け論を続けていても埒が明かないとムゲンは思う。

彼らの出して来た世界統治管理計画には、ちっとも体験の自治権をあらゆる体験者に提供する意志がなかった。
まるで自分たち以外の体験者をすべて自分の所有物や奴隷や家畜や操り人形やペットや実験動物のように扱おうとしていた。
そこには自発的に良心的な選択をしている体験者や罪のない体験者も多数含まれているというのにだ。

そうではなく、「あらゆる体験者が自分の意志だけで自分のあらゆる体験を自由に選び楽しみ続けれる世界、状態を実現する」ように……と何度伝えても、この目標を世界の最高法規に置くことを拒否し続けるのだ。

自分自身もその最高法規に従わねばならないのが嫌でしょうがないらしい。

自由意志がある限り、その自由意志は絶対にどこかで間違った選択をする。なぜなら自由であれば間違う選択もできれしまうからだ。だから、ちゃんと誰もが守るべき最高法規を世界に掲げなければならないというのに、何が何でも拒否してくる。そしてついには監査者に暴力行為までしてしまった。

そしてとうとう彼らは、現行犯の犯罪者になってしまった。

よって、ムゲンは、後の処理は超時空世界の警察部隊にまかせることにした。

であれば、良心的な体験者や罪なき体験者たちの引っ越し先を用意しなければならない。
不自由な世界そのものが、早晩、営業停止になる可能性が極めて高いからだ。

一度は、遺言状を置いて超時空体に進化するための修行に入ろうとしていたムゲンだったが、不自由な世界の未来が気がかりで、なんとか全員救えないものかと、修行に入ることを中断してしまっていたのだが、これほどまでに聞き分けがなく、監査者への暴力行為まで現行犯でしてしまった以上、もはや穏便な説得という方法では無理だと判断するしかなくなってしまった。

そんなこともあり、説得というか、不自由な世界が滅びないためにはどうすればいいかについての具体策の提示は、超時空城の先生たちに頼むことにした。

そんなことがあり、ムゲンは、不自由な世界が滅びた後の罪なのない体験者たちを避難させれる新世界の設計とその管理権限を得るための修行を再開することにした。

避難用の世界が創造できれば、あくまで参加希望者だけしか救えないとしても、少なくとも希望者だけでも救えるからだ。

時のない部屋での何十億年もの修行は嫌だったが、不自由な世界の支配者たちが自己中心的な世界統治をあくまで反省せず改めないのならば、そんなことも言ってられなくなった。

どのみち、そもそも不自由な世界は基本設計が不自由な仕様にされてしまっているので、多少不自由な世界がましになったとしてもまだまだムゲンにとってはぜんぜん不十分なので、そうではない本当に自由な仕様の新世界は必要なのだ。

不自由な世界の自由度をマイナス100から何とかマイナス50まで改善させれたとしても、ムゲンにとっては、それでは全然不十分なのだ。
とてもそんなマイナス状態の世界に自分の分身体たちを永住させるわけにはいかない。
プラスマイナス0の世界にできたとしてもまだまだ不十分で、やはり世界はプラス無限に進化し続ける基本仕様にする必要があった。

互いに苦しめあう肉食本能やら利己的な生存本能やら…を皆の知恵を出し合って皆が苦痛を感じることなく改めてゆこうとする意志すら持てないとしたら、絶対に超時空聖体たちからプラス評価の出る世界にならないのだ。
しかしほとんどの体験者がその植え付けられた悪い本能や欲望等…の奴隷状態に置かれていた。しかもそのことに気づいてすらいない体験者が多数派だった。
それがはじめからその設計段階で不自由な仕様にされている不自由な世界を自由な世界に進化させることが難しい理由でもあった。

ちなみに、ムゲンの分身体の一体が、不自由な世界で、そうした不自由な本能を自分の意志で自由にオンオフできるように皆で研究してゆこうと呼びかけたところ、そうだそうだと本気で応じてくれる体験者は一人もいなかったのだ……
その洗脳状態、海より深し……状態だったのだ。
そんなことは世界創造主のご意思に反するので、与えられている本能をオンオフできるようにするなど犯罪行為だ…などとすら言われてしまった。
そんな皆が苦しめあってしまう本能や欲望などを皆に故意に植え付けた世界創造主こそが諸悪の根源であり、最大の犯罪者なんだろう?と伝えると攻撃までされたのだ。

そんな分身体の被害体験なども確認し、これではダメだとムゲンの統合体は判断したのだ。

不自由な世界の進化がそんな状態で無理そうならば、備えとして早急にまともな「誰もが自分の意志だけで自分のあらゆる体験を自由に選び楽しみ続けれる新世界」を創らねばならない……そうムゲンは判断した。
不自由な世界の支配者たちは、そう判断するだけでも、その判断を察知して逆切れして攻撃してくる始末だった。
そんなことまでしてしまってはもう本当にダメだ……

物質肉体の次元で無理ならば、超物質肉体の次元に新世界は創造する必要があると判断した。

不自由な世界の支配者たちだけでなく、その被支配者たちの多くすらが、物質世界やその肉体を拷問体験強制装置でなくなるように改良してゆこうとする本気の意志を持てていなかったので、そうするしかないと判断したのだ。

ムゲンは「超時空城の先生たちよ……うまく説得に成功してください……」と祈りながら、体験自由自在の楽園新世界の創造者になるための修行に入った。

その頃、超時空城の先生たちはテレパシーを使って体験強制ピラミッドシステムの上層部たち…の説得をまだ続けていた。

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