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Mr.前年同条件に気を付けろ(賠償責任保険・保険金額編)

 
多くの損害保険は1年更新です。
皆様の損害保険の更新の時期に代理店から、こんな電話が掛かってきたことありませんか?「前年同条件で更新しても良いですか?」
ちょっと待ってください。
「前年同条件」って、どんな条件?
 
損害保険は、万が一の事態に備えて、広くお金を集めて事故が起きた人に保険金を支払う仕組みです。
 
当然、契約条件によって支払われる保険金は違います。
 
満期更新時期に、本当にこの条件で良いかどうか損害保険の募集人から説明を受けて契約する必要があります。
 
また、損害保険の募集人も保険業法により「情報提供義務」がありますから、契約者にわかりやすく補償の内容について説明する義務があります。
 
皆様の身近な賠償責任保険と言えば自転車保険(個人賠償責任保険)ですね。市町村によっては、加入が義務付けられている所もあります。
 
それでは、この保険の保険金額は幾らかければいいのでしょうか?
 
「Mr.前年同条件」は、こう言います。「1億円もあれば、充分ですよ。」
 
ちょっと待ってください、自転車による人をケガをさせたり最悪死亡させてしまった場合の賠償金額ですが、1億円を超える判決が多数出ています。
仮に自転車で死亡事故を起こしてしまい1億2千万円の判決を受けたとして、保険から1億円出たとしても、残りの2000万円支払えますか?
 
また、人に対する賠償金額の考え方が2019年4月の法定利息の変更により大幅に上昇しており、さらに上がる可能性があります。
 
保険料は、保険金額を1億円から2億円にした場合も2倍になるわけではありません。実際の判例に基づき2億円から3億円の保険金額をお勧めします。
 
企業経営者の皆様もお仕事に関わる賠償責任の為に賠償責任保険に加入されています。ここでも、「Mr.前年同条件の罠」があります。
 
ある、外資系損害保険会社の賠償責任保険の保険金額が1億円以下の割合が7割以上でした。「Mr.前年同条件」が必要な保険金額を導き出す情報提供をしていないためだと思われます。本当に1億円で足りるのでしょうか?
 
せっかく加入している損害保険が万が一の事故に有効に使えるためにも、更新時に本当に必要な保険金額を真剣に考えて更新してください。
 
あなたの近くの「Mr.前年同条件」に気を付けて下さい。


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