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9回の手術も「後悔はない」中日との日本シリーズが内竜也に与えたもの
ファンの方を対象に、印象に残っているマリーンズの試合の思い出を語るエッセイコンテスト「#忘れられないあの試合」。
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元マリーンズ選手である内竜也さんを招き、「人生が変わった」と語る2010年の日本シリーズについて伺います。
後編である今回は、中日打線との対峙の振り返りからその後の怪我との戦いについて。そして優勝を目指すマリーンズへのメッセージなどをお話いただきました。
<元千葉ロッテマリーンズ・内竜也の「#忘れられないあの試合」>
2010年 日本シリーズ第7戦
千葉ロッテマリーンズ vs 中日ドラゴンズ @ナゴヤドーム
優勝経験の有無が、試合の結果を左右する
中日打線を相手に3イニングを投げて、多くの打者と対峙しました。その中で最も印象に残っているのは和田(一浩)さんですね。「和田さんには絶対に回してはいけない」と思いながら投げていました。
あの試合で打たれてはいけないのは一発(ホームラン)なので、その危険性があるバッターに回さないようにしなければいけませんでした。そういう意味では、森野(将彦)さんが序盤で怪我をしていて、僕がマウンドに立ったときにはいなかったので、気持ち的に楽でしたね。
あの当時の中日には和田さんやブランコがいて、強烈でした。今でも日本シリーズの映像を見ますが、全てを鮮明に覚えています。
そんな相手を倒して優勝した瞬間は、めちゃくちゃ嬉しかったです。シーズン中はほぼ活躍してなかったのですが、最後に関しては力になれたという自負もありました。日本シリーズだけでみたら「仕事をしたぞ」という感覚があったので、喜びも大きかったです。
当時を振り返ると、2005年の日本一を知るメンバーがいたのも大きかったですね。でも、いまは2010年を知る選手はどんどん減っています。優勝した年から遠ざかっている中、一度でいいからこういった舞台を経験させたいという思いを持って、現役時代の終盤はプレーしていましたね。
僕は中継ぎの先輩である薮田さんに「短期決戦では何が起こるかわからないから、準備はしとけよ」と日本シリーズで言われていたんです。だから、イレギュラーな展開になってもすんなり入っていけました。最初にこの言葉をいただいたからこそ、結果を出せた。勝負の舞台では優勝経験をしている人がいるといないでは全然変わってくるのかな、とも思いました。
あえて「壊れてもいい」道を選んだ
あの7試合で僕のことを知ってくれた人も多かったですし、もう11年前の出来事ですけど、当時の話をしてくれる人は多いんですよ。本当に、あそこで人生が変わったと思います。
明確に、大きな自信に変わりました。ああいった場面で投げたことによって、普段は経験できないことをたくさん経験できました。シーズン中とは違って“負けたら終わり ”の試合が多かったので、それを乗り切ったことで気持ちに余裕ができ、視野も広がったと思います。
あれから全てがいい方向に流れていったと思います。怪我も多くて手術を何回もすることになりましたけど、後悔はしていないです。合計9回の手術をしたのですが、2010年からは6年連続。
もともと負担のかかる投げ方をしていて、フォームを直せとも言われていました。でも、僕はフォームを直して打たれるなら、壊れた方がいいと。それに、手術をしても復活できると思っていたので、この道を僕は選びました。いいかどうかはわからないんですけどね(笑)。
だから、後悔はしていないですし、フォームを変えたら後悔していたと思います。
そういう点では、僕の思ったような野球人生を全うできたなと。
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優勝へ向けて。マリーンズへ向けたメッセージ
来季のマリーンズには先発陣で2桁勝利してくる人が2、3人出てきてほしいと思います。打撃陣は調子が良かったので、来年もそのまま力を発揮してほしいですね。
また、益田(直也)が例年投げすぎているのが少し不安です。彼もいつまで投げられるかわからない。その存在を脅かす存在がいないと強くなれないなと。小野郁也だったり東妻(勇輔)だったりその辺の若い子達がしっかり結果を残せるチームになれば強くなれると思います。
若い投手にはもっとハングリーに取組んで、修羅場をくぐってピンチに強い選手になって欲しいですね。実際に、僕がそうだったので。
イニング途中で投げる選手が結果を出せばチームはうまく回ります。そういう役割を持つピッチャーが育てば、チームとしてもっと面白くなれると思います。だからこそ中継ぎ陣には頑張ってほしい。
あとは、最多勝をとれる先発投手が現れてほしいですね。2位のチームなのに10勝のピッチャーが一人なのは少し寂しいので。強いチームには最多勝をとるピッチャーが必要不可欠。(佐々木)千隼は怪我から復帰したので、これからも頑張ってほしいです。
優勝の経験は最高ですし、その後の人生も変えます。だからこそ、来年こそ期待をしたいですね。
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