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コロナ禍での幼児の口腔内への影響を考える

週末に繁華街に出ると、お昼時、飲食店の前にはコロナ感染拡大以前のように行列が出来ていました。Go To Eatも始まりましたし、街には人が戻ってきているのかもしれません。
全国的にコロナ感染拡大した今年の春から約半年。大人も子供も沢山の変化に戸惑いながら、様々な事を受け入れてきた日々だったと思います。

そんな中、今回は歯科衛生士の視点でコロナ感染拡大での幼児の口腔内についての心配事を書かせていただきたいと思います。
子育てをされている保護者の方や、目の前の患者さんへの対応に必死な歯科衛生士さんの頭の片隅に置いていただけたら幸いです。

乳歯が生えてくるのは、一般的には生後6〜8ヵ月頃です。そして乳歯が全て生えそろい奥歯でしっかり噛み合うまでは3歳頃までかかります。
歯は、歯茎から出てきた直後はまだ硬度が低く、唾液のチカラを借りてカルシウムを歯に吸収し硬度を増して行きます。
口腔内で歯は強くなる為に成長しているのです。
そして乳歯は永久歯よりも、基本的に硬度が低い為、虫歯になりやすく、ちょんとした穴が表面に開いてしまえば、あっという間に中で大きく進行する特徴があります。
しかしながら近年では乳歯の虫歯はかなり減っており、情報化社会の中で保護者の方の意識の高さや、その上での頑張りを感じます。

そして今回のコロナ禍です。
例えば今、3歳の幼児の半年前。2歳半でコロナ感染拡大により自粛期間となり、大人だってコロナ太りなどと言われているのに、おやつやジュースの量を増やさない。というのは難しい事だったのではないでしょうか。
毎日保育園に行って外で遊んでいたのに、ずっと室内遊びで保護者、幼児ともにストレスがかかっていた事は想像に難しくありません。そんな時、頼りにしてしまったのは甘いお菓子だったりしませんか?
また、市町村での集団フッ素塗布なども中止。歯科医院への歯科健診なども不安でしたよね。

ここ1、2ヶ月、幼児の歯を見ていて、初期虫歯の状態が増えているように感じます。虫歯になる一歩手前です。

そしてもう一つ、マスク生活。
人間の呼吸は基本的には鼻呼吸ですが、マスクで鼻と口が覆われた状態では、鼻だけで呼吸をするのが苦しくて、口呼吸も合わせてしてしまいがちです。
口呼吸は口唇、歯並び、歯肉、免疫力など様々なリスクになります。
この弊害は、今すぐではなく少し後で現れてくると考えられます。

臨床で働く歯科衛生士さんは、自らがコロナウイルスに感染してしまうのではないかという不安の中で診療にあたられていると思います。
本当に毎日おつかれ様です。
そんな中ですが、子供達の口腔内の小さな変化に気付いてあげてくださいね。大人の我々の日常は少しずつ戻ってきていますが、幼児の半年間での変化は計り知れないものがあると思います。
口腔内に限らずではありますが。

コロナウイルスとの共存はまだもう少し続きそうですね。
未来ある子供達が、健やかな口腔成長をしていくことを願っております。
最後までお付き合いありがとうございました。







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