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メガシャークVSジャイアントオクトパス②

前回の続きです

海洋学者という設定概念だけを纏った主人公エマ。
B級サメ映画の多くは設定を盛りすぎて、脚本家も監督も忘れているものが多い。描きたいシーンをだけを描いてつじつまを合わせた同人誌のように(自戒)

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撮影しながらセリフを考えてるのかもしれない。
吹替版で見ると「君らは先に犯人を見つけた…サメだとな」「ここ(海軍基地)の連中が海底地震だとほざいてる間に」というセリフになっているので、そこまでの違和感はないものの、基本的に説明が無いので想像力の勝負になってくる。

オクトパス2_002

フェロモンとか言っておけば学者っぽく見えると思っている可能性。とっくに手遅れ。

オクトパス2

主に名作と呼ばれる作品は主人公や周りの人間の目的がハッキリとしているものだが、B級と呼ばれる作品はとにかくキャラクター像と目的がハッキリしない。

怪物の破壊を命じる政府に対して「捕獲は可能です!」「貴重な生物だから捕獲して!」と食い下がっていたはずなのに次の戦闘シーンではミサイルをぶちこんでいる。

「こちらの攻撃でタコ狂暴化しました…追い詰められた動物のように暴れて…」

追い詰められた動物だからなぁ…

『怪物の破壊を主張する海軍』と『捕獲を主張する科学者』という設定を一応は取っていたはずだが、ワナは海軍が用意している。「どんなワナなんだ?」と聞く科学者たちに対して「君たちは知らなくていい」と突っぱねる偉そうな責任者。
これはきっとワナの残虐さで怪物が激昂する展開だろ!!それで科学者たちと揉めるんだろ!!!などと思いながら視聴をしていたが、そう予想通りにいかないのがB級作品だ。

結論から言うとワナの姿が出ることはない。
それどころか後の作戦では科学者側の一人が「ワナを投下しろ」と指示している。だがワナの姿が出ることも、活躍することもないのだ。普通にミサイルを撃ち込んでいる。サメ映画というのは死亡フラグだけはしっかり回収するが、伏線は回収しない。
サメ映画初心者の私にはまだサメ映画を見る心構えが出来ていなかった。それなりに歳をとって、オタクを拗らせて、つい作品を見ながら伏線だのキャラクターの心情だのを考察する癖がついてしまっていたが…今、目の前で起こってる事だけを受け止める。そんな純粋さを忘れてしまっていたのかもしれない。だからといって伏線もワナも投げっぱなしはよくないと思う!!!

頭からっぽの方が夢詰め込めると影山ヒロノブも歌っていたじゃないか。

もしこれから見て見ようと思った奇特な人がいたら、頭空っぽにして見ることをオススメする。『考えるな感じろ』

サメ映画を1週間で15本見た上での感想だが、メガシャークシリーズは私のように正気を失った者でない限り、少々難易度が高い作品なので…次回は初心者向けに普通に面白かったサメ映画の話をしたいと思う。

では。

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漫画家。LINEマンガで連載(2019.3月迄)ADHDとASDグレーゾーン。3度の飯と漫画が好き