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グローバルで戦えるロゴの制作プロセス
はじめまして。
「web3領域に特化したソフトウェアの品質保証・テストの専門会社」であるDAIJOBU様の、ロゴリニューアルを担当させていただいた引頭(indo)です。
![](https://assets.st-note.com/img/1715923156135-mbEmAOIdqm.png?width=800)
グローバル市場での認知度向上と事業拡大を目指す上で、ロゴを効果的なレバレッジとするために、今回デザインをリニューアルすることになりました。
結論から述べると、グローバルで戦えるロゴを制作するには、文化・環境や言語の壁を超えても共通する、人間の本能に訴求するようなデザインにすることが重要だと学びました。
このロゴは前提知識がない状態で見ても、本能的に「大丈夫そうだ」と感じてもらうことを目指して制作しています。
そのため、左右対称性とぎゅっと詰まった密度が特徴的なデザインとなっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1715946191213-dN75TMjVEQ.png?width=800)
そして、一見プラスマークにも見えるこのシンボルマークは、ネジの頭をモチーフにしています。
黎明期からマスアダプションに向かうweb3業界において
ユーザーがより安心して使えるダイジョウブなプロダクトを共に作っていくという想いを込め、ネジをしっかりと締めていくようなモチーフを選びました。
![](https://assets.st-note.com/img/1715959688251-UbtLHLoksB.png?width=800)
最終的にこのデザインに到達するまでのプロセスが面白く、新しい学びがあったため、記念に人生初のnoteを書くことにしました。
最後までお付き合いいただければ幸いです。
📝1/3 ヒアリング
🧬DAIJOBUの由来
ロゴの制作プロセスについてお話しする前に、このユニークな社名の由来をご紹介したいと思います。
社名の「DAIJOBU」はお気づきの通り、日本語の「大丈夫」に由来しています。
ナイジェリア現地で暮らす人々の「web3やテクノロジーに深い理解があるにもかかわらず、低賃金 or 仕事がない」という現状を目の当たりにしたこと
そしてweb3企業が抱える「開発プロセスの未整備によるバグの多発」「高給与のエンジニアやCxOが単純なテスト業務に追われ、主要な業務に集中できない」という問題を実感したことに基づいており
これらの課題を共に「大丈夫」な状態にしたいという強い想いから決めたそうです。
また、ソフトウェアテストサービスは、開発の最後の砦であり、安心感を与える言葉「大丈夫」はこのサービスにぴったりだと考えたそうです。
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✏️2/3 実制作
💭ロゴ制作における自分の中の美学の変化
さて、本題のロゴ制作についてです。
私は今までロゴ制作において、下記を自分独自の美学として定義していました。
・まず美しい見た目で第一の驚きを与え、人の心を惹きつける
・さらに深く踏み込んだとき、その中に緻密に組み込まれた思想で第二の驚きを与え、人の記憶に残す
![](https://assets.st-note.com/img/1715934742761-a0m92qplUP.png?width=800)
しかし、今回のロゴ制作を経て
コンセプトをシンプルに本能へ訴求する
という新しい美学を習得することができました。
何故このような新しい美学を習得することができたのでしょうか?
🧠従来の美学に基づいて制作したデザイン
まずは、私の従来の美学に基づいて制作したラフ案の一部をお見せします。
音から発想を得た「大丈夫」
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![](https://assets.st-note.com/img/1715940729752-YKfE9PrsBx.png?width=800)
具体的なモチーフから発想を得た「大丈夫」
![](https://assets.st-note.com/img/1715940972050-KuXokI9OBW.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1715941106728-XJDyZe4ZyP.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1716002029212-KQTO4Sfeed.png?width=800)
何故これらの案が没になったかというと、これらの案は日本語の「大丈夫」の意味を知っているという前提の上でのみ成立するロゴだからです。
「大丈夫」の意味を知らない人が多数を占めるグローバル市場向けのデザインとしては、不適切でした。
💡新しい美学に基づいて制作したデザイン
前述した通り、私の従来の美学は、前提の知識がある上で成り立つものだったと気付かされました。
では、グローバルでも通用するロゴ、すなわち生まれ育った環境や文化が全く違う人々でも、直感的に「大丈夫」と感じるデザインとは何でしょうか?
熟考した結果、それは下記の2つの条件を満たしたものであるという結論に辿り着きました。
①左右対称性
◆バランスと安定感
・左右対称なデザインは視覚的にバランスが取れている
・このバランスが、安心感を与える
◆自然界のパターン
・多くの自然界の形状や構造が対称的であるため、対称性は本能的に安心感や信頼感をもたらす
・たとえば、人間の顔や体、動物の姿などが対称的であるため、対称性を自然と好む傾向がある
◆予測可能性
・左右対称なデザインは予測しやすく、視覚的に理解しやすい
・予測可能なものは混乱を避け、安定感をもたらす
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②高密度
◆完全性と堅牢性
・高密度なデザインは、隙間なくしっかりと埋まっているため、完全性や堅牢性を感じさせる
・これは、壊れにくく、堅固であるという印象を与える
この2つの条件を元に、「大丈夫」が直感的に伝わるフォルムを模索していくことになりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1716002419319-g90bUe58Fh.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1716002643035-lntZ6za2SA.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1716002424786-S4c8HAtHRp.png?width=800)
模索していくうちに新ロゴに辿り着いてきていますね。
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![](https://assets.st-note.com/img/1716002806335-S0txDMKcG3.png?width=800)
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また「意味が伝わる」ということを最優先事項にしたため、文字のフォルムを大きく変えるアレンジは避けました
こうして遂に新ロゴの誕生です🎉
![](https://assets.st-note.com/img/1715944931933-R2AD8OjHRc.png?width=800)
このフォルム以外考えられないくらい、ピッタリのデザインに仕上がったなと思います。
重力が存在する惑星に住んでる生命体であれば皆、このロゴを見て「大丈夫そうだな」と感じるのではないでしょうか。
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🎨ブランドカラーの選定
最後に、ロゴのフォルムが定まったので色の選択です。
開発の黒子役なのでグレーをブランドカラーに設定する方向性に決まりました。
その上で日本初のブランドであるため、日本の伝統色を使用したいという想いがあり、檳榔子黒(びんろうじぐろ)という色を起点に、ブランドカラーを展開することにしました。
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📝【檳榔子黒(びんろうじぐろ)】とは
・檳榔子黒(びんろうじぐろ)は、日本の伝統色の一つで、青みを帯びた深い黒色
・檳榔子黒は静寂、奥深さ、そして自然への敬意を表現し、日本人の精神性と深く結びついている
・古典文学や詩、絵画などでも重要な要素として用いられ、日本の美意識を形成する一端を担っている
・檳榔子黒はまた、格式高い紋付き袴などに使われ、品格と重厚さを演出する
・このようにこの色の深い背景には、単なる黒色に留まらないぐらい、多くの文化的な意味が込められており、日本文化における「和」の象徴として重要な役割を果たしている
なぜ檳榔子黒を選択したかというと、色の背景が素敵だったことはもちろん、青を含んだ色だったからです。
ブランドカラーが無彩色であるグレーだと、どうしても表現の幅に上限ができてしまうため、アクセントカラーを設定したいと考えていました。
その上で、調和や信頼を表現するのに適している青がカラーホイール内に存在する檳榔子黒は、DAIJOBUのブランドカラー設定の基準色としてぴったりでした。
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こうして、檳榔子黒を起点とし、メインカラー、サブカラー、アクセントカラーを設定しました。
今後のUI展開などにおいても、万能に対応できる色設定となっています。
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🍵3/3 あとがき
最後までお付き合いいただいた皆様、ありがとうございます。
多大なご協力をいただいた、DAIJOBU代表取締役のふぇねさん、そして共同創業者のAkimさんに改めて感謝申し上げます。
🔗ふぇねさんXアカウント
🔗AkimさんXアカウント
この新ロゴとともに、DAIJOBUのさらなるご発展を心よりお祈りしています🌟
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