見出し画像

【Insurtech Thoughts Lab】健康増進系スタートアップ4社のサービスを利用してみた

はじめまして、Plug and Play Japan Insurtech TeamのRisaです。

Insurtech分野に特化したアクセラレータープログラムの企画・運営を担当しており、保険業界に属する各企業と将来的な協業可能性が見えるスタートアップ企業を年間30社ほど、支援しています。
※InsurtechとはInsurace(保険)とTechnology(テクノロジー)から成る造語

突然ですが、保険業界と親和性があるビジネスと聞いて、どのようなものを思い浮かべますか?

⬛️ Insurtechプログラムの注力領域

当社のアクセラレータープログラムで採択されるスタートアップが属する業界は多岐に渡ります。中でもInsurtech Teamではヘルスケアやデジタルトランスフォーメーション(DX)を軸に置くスタートアップが多くの割合を締めます。

​近年ヘルスケアの中でも、特に「健康増進」は生命保険業界で注目を集めているテーマの1つです。

保険契約者に日常生活の中で自身の健康意識を高めてもらい、健康状態を改善していくツールとして、健康増進系のスマートフォン専用アプリにはさまざまな可能性があります。

⬛️ 健康増進系スタートアップ4社のサービスを利用してみた

健康増進に対する社会の関心の高さも相まって、国内外にはさまざまな健康増進系スタートアップが存在します。

一方バラエティに富むがゆえに、ユーザー目線では「結局どれが一番効果的なの?」という疑問がつきまといます。もちろん、スタートアップとの協業可能性を検討している保険会社も同じです。

そんな疑問を少しでも解消する為に、Plug and Play Japanでは2020年6月〜2021年3月にInsurtech Teamで採択したスタートアップの内、健康増進系アプリを提供する4社のサービスをパートナー企業と共に利用してみました。

各社の特徴やおすすめポイントについて、下記にて簡単にご紹介します。

⬛️ WINフロンティア株式会社

①参加プログラム:Summer/Fall 2020 Insurtech Batch5(*1)(実施期間:2020年6月〜9月)
②アプリ名:COCOLOLO DRILL
③おすすめポイント:歩数を稼いでゲーム感覚でヘルスケアリテラシーを向上

一定歩数を稼ぐと、ドリルが開放されていく仕組みです。今回は心の健康づくりをテーマにしたドリルを試してみました。心の健康状態に関する正しい知識を身に付け、ストレスへの対処法を身に付けるのに役立ちます。

ドリルの各コンテンツは、すごろく形式で配置されているので、チームメンバーの進捗状況を画面で確認することができます。これにより「負けないぞ」とゲーム感覚で競争をしながら、ゴール(ドリル終了)を目指すことができる仕組みが特徴的です。

Plug and Play Japanメンバーも、リモートの状況下で得られた“Connectedness”により競争心が掻き立てられ、上手くモチベーション維持に繋がっていました。

なお、現在はCOCOLOLO DRILLは廃止されているようですが、「ココロの見える化」を可能にするアプリを幅広くラインアップしています。ご興味のある方は、是非リンクを参照してみて下さい。

⬛️ 株式会社CUVEYES

①参加プログラム:Summer/Fall 2020 Insurtech Batch5(実施期間:2020年6月〜9月)
②アプリ名:SPOBY
③おすすめポイント:歩いた努力を無駄なくリワードへ還元

「運動をしよう!」と思い立っても、運動習慣が無い人は三日坊主になりがちです。SPOBYは利用者がモチベーションを高く保てるように、1日で稼いだ歩数をポイント化します。このポイントを用いて、スポンサー企業の商品/サービスに応募することで、努力を形に変えるアプリです。

リワードの内容もプロテイン/サプリメント/ドライシャンプーなど、定期的に更新されるため、ユーザーは飽きずに続けることが可能です。また、企業や団体単位の利用では、リワードの内容を独自に設定することもできる為、自分の欲しい商品獲得に向けて、楽しくコツコツと続けることができます。

運動初心者の筆者としては、気が向いた時にアプリを起動するだけでポイントが稼げるお得な仕組みが嬉しかったです。

⬛️ PAI Health

①参加プログラム:Summer/Fall 2020 Insurtech Batch5(実施期間:2020年6月〜9月)
②アプリ名:PAI Health
③おすすめポイント:ウェアラブルを活用した運動量のパーソナライゼーション

PAIとは”Personal Activity Intelligence”の略称です。独自開発された『PAIスコア』は、科学的根拠に基づいた健康指標です。各ユーザーの身長・体重や運動習慣、さらにウェアラブルから取得できる心拍数のデータを元に、パーソナライズされた適切な運動量を知ることができます。

1週間分の運動量を元にPAIスコアは算出され、ユーザーが十分な運動をしているかどうかを一目で判断することができます。また、運動量は心肺機能の稼働率によって算出されるため、測定精度の高さに強みがあります。必要な運動量は人によって異なり、個人に最適化された指標を得ることで、効率よく安心して運動に取り組むことができます。

日頃から健康管理に気を使っているPlug and Play Japanメンバーから、特に好評だったアプリで、本プロジェクト終了後も継続利用者がいます。

⬛️ Juva Health

①参加プログラム:Winter/Spring 2021 Insurtech Batch6(実施期間:2020年12月〜2021年3月)
②アプリ名:Juva for Migraine
③おすすめポイント:正しい呼吸法の取得を促し、自宅でお手軽に心身をケア

正しい呼吸法を覚えることにより、偏頭痛/慢性疼痛/ストレスなどを軽減するサービスです。これらの症状に悩まされている方も多いのではないでしょうか?

Juvaはスマホのカメラ(内外両対応)を用いて、ユーザーの心拍変動や呼吸速度などのバイタルサインを測定します。測定結果が乱れている場合は、音声ガイドにて改善方法が示されます。このようにユーザー自身で心身をケアできるトレーニングを提供する点が、最大の特徴です。

さらにアップデートによって、医師とのビデオチャットができるようになりました。オンライン診察を開始すると、画面上に患者のバイタルサインが表示されるので、リモートヘルスケア分野での活用の幅が広がっています。

今回は、偏頭痛に特化したバージョンを利用しました。現在は英語版に限定したサービスが提供されていますが、偏頭痛等の症状持ちには効果が見られたようなので、英語圏にお住まいの方は是非試してみて下さい。

⬛️ 各社のサービスを利用してみて

今回は4社をご紹介しましたが「健康増進」に対するアプローチ/ソリューションは、対象ユーザーのモチベーションや症状に応じて、多種多様に存在します。

特に健康増進系サービスは、継続利用をすることで初めて効果を発揮するケースが大半です。そのため、いかにユーザーの継続的な利用に繋がるかが非常に大切な指標となります。中でもUI・UXについては、実際に使用してみて初めて分かるものなので、スタートアップとコーポレートイノベーションを支援する立場として、まずは試してみることの重要性を再認識したプロジェクトでした。

本取り組みに協力いただいたスタートアップの皆さまに改めて感謝すると共に、「とりあえずサービスに触れてみること」の重要性を、アクセラレータープログラムの担当者としても唱っていきたいと思います。

Insurtech Teamでは、今後も同様なプロジェクトを通じて、スタートアップを紹介していくので、次回もぜひお楽しみに!

***********************************************************************
*1:Batchとは、Plug and Play Japanにおいて、一定期間実施するアクセラレータープログラムを表す1つの単位。

Plug and Play Japanでは業界トレンドやスタートアップインタビュー、Case Studyなどを日々アップデートしています。公式Websiteはこちら

画像1