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Oxfamでボランティア

こんにちは。私は2022年9月-2023年6月までロンドンで交換留学をしています。
最初の投稿から随分時が経ってしまいましたが、ロンドンで今までやってきたことについて、今からでも少しずつ書いていきたいと思います。

今日は私がやっているボランティアを通して感じたことを書きたいと思います。ロンドンのごく一部の地域で短期間しか生活したことのない私の印象ですので、一面的になってしまうことをお許しください。

Oxfamとボランティア
2月からOxfamというチャリティーショップでボランティアを始めました。
Oxfamは世の中から貧困と不正を失くすことをミッションに掲げるイギリスのNGOです。ロンドンだけでなく、イギリス中にチャリティーショップを展開しています。
チャリティーショップでは、企業や一般市民からのドネーションを受け付け、それを安価で販売しています。その売り上げをミッションである貧困削減や不正是正にあてているというわけです。私がボランティアとして行うのは、チャリティーショップの店番や商品の棚上げという、ごく簡単な仕事です。

生活に根付くチャリティー
さて、私がボランティアをやっていて強く感じることは、人々のチャリティーへの意識の高さです。物を買ってから手放すまでのサイクルの中にチャリティーショップが選択肢として存在し、それだけチャリティーが人々の生活の中に根付いているということです。
この理由として多くの人が公助の考えを持っていることが背景にあるように感じます。特にロンドンにはホームレスの方が多くいるのですが、よく通りがかりの人が彼らに食べ物や小銭を渡しているのを見かけたり。道を歩いているとOxfamのドネーションボックスがいたるところにあり、保存可能な食べ物や衣服などを気軽に預けられるようになっていたり。日本ではあまりないことなので、強く印象に残ります。

ボランティアを始めた際にマネージャーの方から面白い話を伺いました。イギリスではチャリティーで得た収入に税金がかからないのはもちろん、その収入を申告すると、その25%が国から上乗せで支給されるそうです。例えば、200ポンドの収入があったとすれば、50ポンドをイギリス政府からもらえるそうです。すごいですよね。そりゃあチャリティーショップがそこら中にあるわけだ。
日本でそのようなことが可能かと考えてみると、私は難しいように感じてしまいます。「税金をホームレスや外国人のために使って欲しくない」という意見を高頻度で耳にするからです。イギリスでこの制度が成り立っているということは、イギリス国民がチャリティーに大して協力的だということの現れではないでしょうか。

"エシカル消費"
私が店番をしている時のお客さんの3分の1くらいはドネーション目的でいらっしゃいます。いらなくなった服、本、家具などを預けにきます。
チャリティーへの友好的な態度と共に感じるのは、自分の消費に対する高い責任感とでも言うのでしょうか。俗にいう"エシカル消費"を行う人が多いことです。
イギリス(ヨーロッパ)に古着屋さんがたくさんあるのもその一つかと思います。使った物を捨てるのではなく、次の持ち主に使ってもらう。新品の服を買うのではなく使われた服を買う。そのアイデアが人々の意識の中にある気がします。

ジレンマ
しかし、上記のようなことを完璧に実践するのは不可能ではないかと感じてしまいます。
Primarkという、イギリス、ヨッローパに展開するファストファッションのブランドがあるのですが、そこでは洋服や日用品が格安で売られています。この前買ったビーサンは1ポンド
(150-170円くらい)でした...!!どこの店舗に行っても週末は必ずと言っていいほどレジに長蛇の列ができています。いい消費をしたいと思っても背に腹は変えられず、このブランドを利用することも多いです。ファストファッションは背景にある劣悪な労働環境や、大量生産・大量消費の象徴であることから問題視されますが、多くの人がファストファッションに頼り、
生活していることは事実です。実際私も頼っています。だからこそ全面的にファストファッションを否定することはできませんし、それぞれの範囲の中でできる限りのいい消費をするしかない。公助や循環消費が広がって欲しいけど、人に強制はできない。自分にも強制したくない。
また、チャリティーショップなどへのドネーションが、物を捨てることへの罪悪感をかき消すための手段になってしまうように感じることもあります。私は一度、着なくなった服を低所得国に送るという"チャリティー"に参加したのですが、実はそのような服の押し付けが原因となってゴミ問題が発生することが多くあると聞きます。チャリティーショップへのドネーションも「押し付け」の要素が少なからずあるように思います。本当に循環した消費をしたいのなら、同じ物を、その物としての機能を果たせなくなる寸前まで使い切ることしかないのか。でもいろんな服を着たい。

最後に
私はこのようなイギリスの文化がすごく素敵だと思いますし、自分自身実践したいと思っています。
例えば、服を買うときは安い新品の服を買ってすぐに捨てるのではなく、チャリティーショップや古着屋さんで買う。衝動買いを出来るだけしないようにする。少し高くても壊れにくい物を買って長く大切にする。
当たり前のことのようですが、意識してやってみようとすると、自分が多くの無駄な消費をしてしまっていること、そしてそれを止めることの難しさを実感します。
私はイギリスに来て上記のようなことを強く意識するようになりました。でも、自分が見ていなかっただけで、日本にもこのこうな取り組みが沢山あるはずなので、日本に帰ってからも意識・実践したいと思います。また、日本でもこのような公助・循環消費の輪が、綺麗事として敬遠されるのではなく、もう少し受け入れられるといいなと思います。そのための活動をできればいいなともうっすら思っています。

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