100号ラノン見開き中

霧の日にはラノンが視える 真夏の夜の夢


本日発売の小説ウィングス100号&30周年記念号に「霧の日にはラノンが視える 真夏の夜の夢」を寄稿させて頂きました。13年ぶりの番外編です。


「霧の日にはラノンが視える」は2002年から2005年にかけて連載され、全四巻で完結しています。今回の番外編は本編エンド数年後の後日談。妖精郷ラノンからロンドンに追放された妖精たちが魔法の無い世界で生きていく物語です。

ラノンの《妖精》たちは《フェアリー》です。フェアリーというと、蝶のはねのある小妖精のように思われるかも知れませんが、実際のフェアリーという言葉のニュアンスは『妖怪』。人間と見分けがつかないフェアリーもいれば、とんでもない怪物のような姿のフェアリーもいます。そもそも怪物というニュアンスを含んでいるのでフェアリーという語は失礼な言葉であり、だから英国やアイルランドではフェアリーたちのことを怒らせないために『良い人たち(グッドピープル)』『あの人たち』『お隣さん』『おだやかな人たち』と呼んだりします。(おだやかでない、という意味で)

『霧の日にはラノンが視える』のロンドンには怪物的な姿のフェアリーも棲んでいます。彼らが集うのはブラウニーが切り盛りする『グッドピープル・カフェ』。うっかり出歩いて人間に姿を見られないように、いつも準備中のように見えるカフェで日がな一日ゴシップに明け暮れているのです。彼らの生活を支えているのは《在外ラノン人同盟》。妖精たちの互助組織です。
《同盟》は時代の変化に合わせ、妖精たちにスマートフォンを支給しました。退屈している妖精たちはインターネットに夢中に。そしてそれがちょっとした事件に発展……。

《同盟》の若き新盟主と彼を支える仲間たちのエヴリデイ・マジック・ライフ。本編を読んでいなくても概ね分かるようになっておりますので、よろしければ小説ウィングス100号、お手にとってみては。100号記念で豪華企画満載です。