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現地訓練ふりかえり

コロナの影響で出発が延期していましたが、無事2月下旬に出発することができました。今は首都で現地訓練期間中。首都での生活も残すところあと3日。現地訓練をふりかえりつつ印象に残ったことを綴ろうと思います。

カウンティング問題

ナミビアの学習における教育課題の一つとしてカウンティングというものがあります。例えば2+3をするときに、2本の棒と3本の棒を書いて数えるというもの。この棒計算(実際には計算ではない)は四則計算すべてに応用可能。数字が大きくなってもこのやり方。このカウンティングの問題点は、数字を呪文のように暗唱はできるが実際に数量関係と数字が結びついていないということ。基礎部分である数の概念が身に付いていないため、新しい単元を学習しても計算でつまずき、振り出しに戻ってしまいます。

このカウンティング問題を含め、何が子どもたちの算数能力を向上させるための良い方法であるか模索していきたいです。ちなみに、児童・生徒のことをこちらではleanersと呼びます。あまり、pupilsとかstudentsとは呼ばないそう。

ナミビア国が抱える課題

この2週間で実感したことは、ナミビアは格差の大きい国であるということ。現地訓練期間中に関わる方々から聞きましたし、首都ウィントフックで滞在し実際に見る中で思いました。中所得国とされるナミビアですが数値と実態は違います。ナミビア・アフリカ諸国に限らずその国の光と影は存在する訳ですが、これから活動していく中でいろんな側面を知っておく必要があると思っています。中でも印象に残ったことは、Katuturaと呼ばれる地域に行った時のこと。この地域は南アフリカ統治時代に起源するもので、南ア政府が地方にあるロケーション(貧困層地帯)から黒人を強制的に住まわせたそう。部族によって住む場所が区分けされていたそうです。Katuturaの語源はヘレロ語で”住みたくない町”。これは他の地域の人から見ての意なのか、強制的に住まわざるを得なくなったかつての人々が名付けたのかはわかりません。そして現在、地方から首都に出稼ぎに来た人々がそのまま定住しており当初より規模は拡大しています。ただ、このKatutura地帯で暮らす人々の中でも生活環境やレベルの差があります。だから一概にKatutura地帯全体を一括りにはできないなと思っています。そして、今回このKatutura地帯で孤児院の運営や活動をしているNPO法人を訪れました。

まず、代表の方からKatuturaに関する話を聞き、その後Katuturaの中でも生活の厳しい区域等を案内してもらいました。

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トタンで作られた住居が並ぶ区域。窓はなく床はそのまま地面。トイレは外にある共同のものを使用します。水道タンクのようなものも外にあり、水を汲んでいる人がいました。ガスはあるそうで冷蔵庫もガスで動いているそう。

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地域の人々の集会所。今はコロナ禍のため入る人数を制限中。こちらの建物は私たちを案内してくださったNPOの方々が作ったそうです。


その日生きていくためのお金を稼ぐ生活。たまに配給もあるそうですが、多くの人は何かを売ってその日の生活を凌ぐ。道路に面したところは露店が立ち並んでいました。


彼らの活動は、子どもたちが学校や幼稚園に通えるようにする・地域でコミュニティの場を作る・家族計画の必要性や適切な教育を伝えるなど。この地域すべてや環境を変えることはとても難しい。だからこそ大事なのは個に焦点を当てることなんだなと思いました。

最後に

ナミビアに来てもう2週間。とても密度の濃い時間を毎日過ごしているなと思います。本当に毎日が新しいことだらけ。やはりまだまだ知らないことは多い。任地でもたくさんのことを学んでいきたいと思います。

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