ある駅のある街のある家

ある駅のある街のある家に大学1、2年生の頃に5人で集まっていた。よく徹夜して、俳句をよなよな作っていた。凌霄花が咲いて、団地の道に落ちてあるので、のうぜんの句をその当時はたくさん作っていた。ある駅のある街のある家の近くにあるあるラーメン屋にモグライダーのともしげが行っていた動画を最近家でダラダラしながら観た。ある駅のある街のある家の近くにあるラーメン屋に時折みんなで行ったりしたのだけど、ある人はある辛いラーメンを、食べるといつもお腹壊しちゃうんだよなぁ、と言いながら食べていた、ということをふと、なんでもないある日に思い出した。ラーメンの上に載せられた焼いたもやしがおいしかった。ある家はある人が事情があって借りていた家だったが、ある人は家を出て、わたしたちは頻繁に集まることはなくなった。

ある人が借りていたある駅のある家があって、一軒家で、わたしはまたそこにいた。ある人がいた時は、あ、いるんだ、って感じで、うーっすみたいな感じで、わたしはいた。ある家のベランダから車が庭に突っ込む瞬間をある人は目撃した。ある人は引っ越して、またある人がやってきて、何人かで集まって、またそこにいた。わたしたちは、ある家に集まることはなくなった。

ある人が借りていたある駅の坂の上のある家があって、またそこにいた。ある人はある家の一階に住んでいて、ある人は二階に住んでいた。ある人は言う。世界はある瞬間にわたしの前に立ち現れる、わたしたちが世界に気づいていないだけで、世界は常にあるのだと。ある人の家には今も頻繁に人が集まっているという。


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