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「言えない」について

こんにちは、宮崎です。ムニ「カメラ・ラズズ・ミー!」の公演が終わり、9月1日が10月に予定している升味企画https://twitter.com/masumiws2021?s=20のワークショップの締切(9/1(水)23:55まで)まで間もなくです。

今現在に至るまで演出について悩んでいることもあり、これまで自発的にワークショップを行ってきませんでした。ワークショップの経験はないので今でも不安ですが、升味さんにお声掛けいただいたのもあり、背中を押される形で今回の参加を決めました。それがちょうど去年の夏に新宿ALTA前のルノアールで打ち合わせをした時で、「言えないの感覚、よくわかっていないかもしれない」とお二人にはその時に言いました。

言いたいことはわかるのだけど、こう動いてほしい、こう言ってほしいという前提があるからそれが起こるのでは?
会話は決められた間を前提に起こっている訳ではないのでは?それって自然な会話と言える?「言えない」に関しては色々と思う部分があります。
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例えば青年団の演出方法だと、そのように「見える」ということが意識されているので、いかに会話に見える正確性を上げるかということが演技において求めらている。具体的に間をどのくらい取るのか、ここのセリフは早く喋る、などの指示が演出家によって出される。

しかし、コミニケーション(声の反応)って厳密に決められていないのでは?というのがわたしの思うところでもあって。日常の会話をそのまま舞台に持ち込めば、日常の会話に見えるというのは違う。正確性を上げようとしても、それが8ステージあれば8ステージ正解が出せるとも限らない。

ではどうする?

日常の会話体におけるグルーヴはいかに再現可能かを考えることのほうが、例えば8パターンのコミニケーションの方法を掲示することができるのではないか。コミニケーションは、決められた応答のしあい(会話に見えること)なのではなく、即興的に起こる声の反応のしあいである。

そこには相手の声を聞き、相手に合わせて反応するということが含まれて、その方が自然な会話と言える。次にどちらの人物が話すのか。人物どおしの違いはなにか、観客は想像できる。

声を聞いて、声に反応するためには、セリフを体に完全になじませることが必要で、即興的な声の反応を再現する方法を考える→声のメソッド発案という筋道が一応はあります。

ニュアンス抜きについて最近書いたもの→ https://note.com/ririca_m/n/nfdffa2f19717
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と、ここまで書きましたが、自分は同時に割と言い方や間の取り方に関して細かく指示をする方だな、8月の『カメラ・ラズズ・ミー!』の時も指示の回数はそんなに少なくなかったことを反省していたりと、演出に関して自信がないのも事実です。

なぜなら、この方法に関してまだ不明瞭なこともいくつかあって、例えば、物を使うのか、使わないのか、ということがグルーヴにいかに影響を及ぼすかということも一回一回検証しているという状態です。時間は引き延ばせるのかも、検証中です。上演に最低限必要な空間のこと、いかに始まるかということについてもう少し気を配らなくてはとか、毎回気づくことが沢山あります。

わたしはそんなに演出が得意な方ではないと自分で思っているし、そのことへのコンプレックスもすごくある、「言えないがわからない」もセリフを言えること自体がわからないから、言えるための発話のシステムを考えるというのをムニをはじめた当初に行っていたのも起因している。俳優として活動していないこともあるかもしれませんが、世間一般で「演劇」とされていることを一個一個確かめながらでしか、進めないでいる。コンプレックスやできないことだらけです。ただ、そのコンプレックスが形式のきっかけになっているというのもあるかとは思います。

2020年に作った作品でうまくいったかも〜と思ったことに、演出がそこまで含まれていなかったからうまくいったのでは?ということがあって、色んなことを一年以上かけて検証しているという時間が続いています。宮崎は演劇わかってないんじゃね?と思われていることもわかっているのですが。寄り道しまくっているというのが現在の演出に関しての状況です。

で、もって、劇作と演出の両方をやられている升味さんと、中島さんと3人でワークショップをしないか?とお声がけいただいて、それはお二人が劇作もやられているというのもあって、色々不安だけどやってみようと思った。

教えます!というスタンスでワークショップをするのは今のわたしには難しいと感じていて、検討している形式はあって(その話も******がついている部分でしたけけど)でも同時に、現在も演出とは?演劇とは?と迷っていることがたくさんあって、お互いにそういうモヤモヤを少しでも共有できるような場になると良いのではないかと感じています。

こんなことをやります!という表明もわかりやすくていいけれど、悩んでいるという現状を隠しながらワークショップをやるのもちょっと違うかもと思って書きました。さまざまな方と出会えたらと思います。駆け込みお待ちしています。










演劇作品をつくっています。ここでは思考を硬い言葉で書いたり、日記を書いたりしています。サポートをいただけますと、日頃の活動の励みになります。宮崎が楽しく生きられます。