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認知症の義母の世界

私の家は山の中にあり、街灯もなく夜は真っ暗です。
寝る前に庭に犬を出していた時、暗闇から「こんばんわぁ!」と大きな声が!
腰を抜かしそうになりました。
声の主は小さな懐中電灯を持った義母でした。
「うちのもん(者)たちどこ行ったぁ?」

私の家の隣に空き家があって、そこはかつて私の夫が生まれ育った家でした。
義母の頭の中は、その空き家で暮らしていた日々に戻っていて、義父(亡くなった)や2人の息子が帰ってこないと探しているとのこと。
私はつい「こんな時間に何をしているの!」と言ってしまった…
義母は怒って「たるい人やね!」と私を罵り来た道を帰って行きました。
義母の住む家は歩いて30分ほど離れたところで、夜の山道は危ないのでタクシーを呼ぶという私の言葉を振り切って帰って行きました。(私はお酒が入ってました)
隣の空き家に住んでいた時代に戻ったり、ぃま現在住んでいる家をちゃんとわかっていたり…
義母はまるでタイムマシンに乗っているようで、私自身が義母の世界に追いつけない…
ただわかったのは、夫(義父)と2人の息子の家族4人で暮らした日々は、義母にとっては忘れがたい宝物のような日々だったということです。

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