シェア
梁川梨里(やながわ りり)
2016年9月30日 21:20
9月30日のサウンドノート
水瓶の底(朗読)現代詩手帖2016年8月佳作
2016年9月30日 20:48
波かしら跨ぎ沈まない爪さきの水を渡す吉凶を占うために顔を叩くと新しい面が割れた透明を掬うための手は養生された葉の脈に保管され少女の裾を祓う鄙びた裁縫屋の開店を知らせる何着かの服がゆたりと風の蓋をして潜った位置から右へスライドした煤けた窓硝子を覗き込むには車道からの距離は遠すぎて黒いワンピースが手招くので目を置いて帰った次の日にはもうなくなりわたしが目をつけたことが誰かに知