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あおのむらさき (詩、朗読)

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過去と云ってしまうには、まだ真新しい言葉たち。 2014→
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2015年1月の記事一覧

星のアリス

星のアリス

箱から出ておゆき、羊たち
呑み込んだ象を吐き出すんだ、うわばみ

立つことが精一杯の星の上で
灯りを消す、点ける
(日の出と日の入りのあわいは僅か)
薔薇を宇宙の風から守る
(風は吹くのを止めた)

穴から落ちればパラレルワールド
次元を捻じらせたうさぎが走る
うさぎの名前は、ない
(名もなきものは虚構)

全てがデタラメだという、あなたの世界が
滑らかに流れているという証拠を見せてごらんよ
綻び

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美しい破綻

【桎梏】桎梏の夜を突き刺した鋼がわたしをも貫いたメビウスは帰ることを赦さない永遠の鳥籠飛ばされることなど最初から求めてなどいない白さを穢された指先から滴る水脈に掛けた舷梯は瑠璃の白鳥の渡り道となり赦された銀河の糸を手繰り寄せる、

【アーチ】点が転じて天へ駆け上がり連続した幾何学模様で君と僕はアーチをつくり君の手で植えた薔薇が君になった頃、僕は君を空へ返してあげた小高い丘の旧きに眠る土の僕はも

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