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リア・ウェラーのミニライヴ in ハムステッド

2024年7月18日、夏の日差しが照り付けるロンドンの午後、私はハムステッドへ向かっていました。昨日まで長袖を着ていた自分が嘘のような暑さの中向かった先は、ブティック「Free People」のハムステッド店。このお店が主催するイベント「サマー・セッションズ」の出演者の一人として、この日はリア・ウェラーがミニライブを行うというのです。


ついにリア・ウェラーのライブへ

お父様はスタイル・カウンシルのポール・ウェラー、お母様はディー・シー・リーという現在32歳のリア・ウェラー。モデルとして活動していましたが、2019年から本格的にシンガーソングライターとして活動をスタートさせました。父・ポール・ウェラーの2021年のアルバム『Fat Pop』の中の一曲「Shades Of Blue」にも参加しており、サビではリアの歌声を聴くことができます。
また、リアは父・ポールが今年リリースしたアルバム『66』「Rise Up Singing」にてバック・コーラスとして参加。さらに、母・ディーが今年リリースしたアルバム『Just Something』の一曲「Every Day Summer」の作曲を担当!ご両親の音楽活動にも貢献しています。

ポール・ウェラーは今年2024年1月から2月にかけて来日公演を行いましたが、その東京公演ではリアがサポート・アクトを務めました。

私はポールだけでなく、お嬢さん・リアのパフォーマンスも見てみたい!と思ったものの、時すでに遅し。チケットは完売していたのでした。

今回のミニライブのチケット代は£10!(日本円にして約2000円)
お金のない私にとっては非常にありがたい価格です。チケットを購入し、ついにリアの歌声を聴けることになりました。

ハムステッドの美しい街並みをぶらぶらしながら、本日の会場「Free People」に到着しました。

かわいい店構えのFree People
お店のドアには今回のイベント情報が掲示されてました

淡いピンク色の佇まいのなんとかわいいこと!ロンドンのハイソな土地に構えるブティックに入る機会は滅多にありません。心して入店します。

入場すると、今回のイベントに協賛しているドリンクブランド「MOTH」のお酒が振舞われました。

ドリンクチケットを2枚もらい、2杯交換できました。

店内奥まで進んでいくと、お店の裏庭にステージがありました。敷物の上に楽器が置かれているだけの簡易的な“ステージ”。周囲に置いてある椅子に腰を掛けて待っていると、リアと彼女の日本人の夫・トモさんの姿を見かけました。今年4月に生まれたばかりのお子さん(第2子)も来ています。まだ赤ちゃんなので、お二人だけでなく関係者にも抱っこされたり、あやしてもらったりしていて、和やかな空気が流れていました。

ステージの様子

開演時刻の8時。お客さんは20名ほど集まっていました。

ミニライブスタート

バンドはギター、電子ピアノ、そして座りながら叩く楽器「カホン」のアコースティック編成。この「カホン」は夫のトモさんが担当しました。

そしてリアから「今日はありがとう。このブランドとまた仕事ができてうれしいです。」と挨拶があり、1曲目「Freedom」がスタート。2022年に発表されたデビューアルバム『Freedom』のタイトル・ソングです。

過去のインタビューによると、コロナのロック・ダウンの最中に書いたというこの曲。アコースティック編成になったことで、レコーディング・バージョン以上にナチュラルで優しいパフォーマンスになりました。
(レコーディング・バージョンでは、間奏にて夫・トモさんによるフランス語と日本語の語りを聴くことができます。)

続いて同じくリアのデビューアルバムから「Call Me By Your Name」「Pale Blue Sky」など、カントリー調の温かな楽曲が続きます。

電飾と向日葵の花束がとても素敵

曲の合間、リアは足元に用意している水筒を手に持ち「Cheers!(乾杯!)」と言いながら、水分補給をするお茶目な一面を見せてくれました。

続いて、お父さんのポール・ウェラーと共作したという「Wonder」

過去のインタビューで「あの曲はすべて私の父が作ったもので、私の手柄にはできません!私は歌詞とメロディーを書くのを手伝っただけなんです。」とリアが語るほど、父・ポールの息が吹きかかった一曲だそうです。ポップ色が強く、なんともポール・ウェラーが好んで作りそうな一曲です。
(このYoutube動画ではお父さんのポール・ウェラーがベースで参加している様子が見られます。)

次に演奏したのは、フリートウッド・マックのカバー「Dreams」!サビになると、観客がそろって「Thunder only happens when it's raining」とシングアロング!一体感が生まれました。

そして、早くも最後の曲「Dive In」。こちらも、お父さんのポールとリアで共作した一曲です。過去のインタビューでは「父が『この曲をどう思う?』と聞いてきたので、とても気に入ったと答えました。この日は私が(第一子を)妊娠していることを父に伝えた日だったのですが、本当に素敵な瞬間でした。この曲は当時の私の気持ちを歌ったものです」と語っています。

(このYoutube動画でも、お父さんのポール・ウェラーがベースで参加している様子が見られます。)

ライブは30分で終了!6曲ではあまりにも物足りないと感じるほど、リアの透き通る、優しい歌声に心癒されるミニライブでした。

ライブ終了後

ライブを終え、お客さんから「あなたの声はとってもgorgeous(素敵)だった!」と声を掛けられるリア。フォトセッションなどもこなし、一段落したリアに、私は「一緒に写真を撮ってもいいですか?」と声をかけました。
「もちろん」と言った後、すかさずリアが日本語で「日本人ですか?私、日本語大丈夫!」と言ってくれたのでした。
ブティックの店員さんにツーショットのお写真をたくさん撮ってもらった後、リアとは日本語と英語を交えて少しだけおしゃべりをしました。

「この間の1月に日本に来ました。その時はあの子(赤ちゃんを指さして)がお腹にいて…(お腹が大きい様子を手で表す)」
「ロンドンのどこに住んでるの?」
「ロンドンは危ないから気を付けて」
「でもロンドンは観光するところもいっぱいあるからね」
「ていうか、英語めっちゃ上手!私は日本語全然ダメだから」(これは完璧な日本語)
などとたくさん話してくれて、気負いのないイマドキ女子な印象のリア。彼女の優しさを感じる、とても嬉しい会話でした。

私からは、「私はあなたのお父さんとお母さんの曲を聴いて育ったのですが、ずっとあなたのライブにも行きたいと思ってたんです」と拙い英語で伝えました。
最後に、リアは日本語で「じゃあ今度は日本で会いましょう」と言いながら、笑顔で手を振ってくれました。私は会場を後にしました。

この日のライブが第2子を出産後初めてのパフォーマンスだったというリア。過去のインタビューでは、音楽のキャリアと育児の両立について「正直大変です。息つく暇もないです。でも、間違いなく両方できます」と語っていました。

現在は2人のお子さんのママとして日々奮闘していることでしょう。この先も大いに活躍してほしいなと思ったのでした。

もうすぐ夜の9時になりそうなハムステッドの街並みは、やっと日が暮れ始めていました。
リアの瞼にキラキラ光る、淡いピンク色のグリッターがすてきだったなぁと思い出しながら、私は帰路につきました。

ハムステッドからフィンチリー・ロード駅まで歩いて帰りました


7月18日セットリスト

1,Freedom
2,Call Me By Your Name
3,Paul Blue Sky
4,Wonder
5,Dreams
6,Dive In


参考資料

リア・ウェラー過去のインタビュー

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