幻と消えた富士王朝の天明
平和願い建設された一国統治の夢
天尊の御言宣りに政を任せ
風情雅な古代からの叡智と共に
繁栄していた別次元の夢物語
やがて覆われた黒い負の影に
都には雲がかかり人は闇に飲まれていった
忍び寄る戦と支配の臭い
守り切れなかった約束
手を血に染める陰謀のハジマリ
盾となり散ったものたち
身を投げた戦火の渦の中で
オモテウラの心の両面に
流れたカタ方の悔し涙
愛が消えた魔界への招待券を手に
奈落へ身を投げた地獄堕ち
目指した先の先の小さなテンの光へ
潜り抜ける修羅の道への誘い
富士の炎と轟音が鵜がやに吹き荒れる
それは日の元、はじめのおわり
すべてを燃やして抹消した月コヨミ
北への逃亡劇 追憶のカルマ
繰り返す似たり寄ったりの輪廻の歴史書
腹に突き刺さる矢のような古傷が痛む
怨念を抱いたまま蜘蛛の巣に絡まるよう
解いたのは君のぬくもり
君に抱かれたまま眠った同体の夫婦岩石
この地に残された塊りと共に
癒えるまでは折れないよう共に進もう
壮大な夢見る和への道のりまで
スサの藁に火を灯して
引き嗣がれるオニと虐げられた亡者たちの
悲しき哀の物語
涙が止まらないのは癒えた証だろうか
それとも
癒えきらない証だろうか
なんだか胸が詰まるよう
みんなただいま
迎えに来たよ