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自分たちのことは自分たちで決める:プレイベントのレポート

書き手:運営スタッフ

「リレほくえちぜん」のプレイベントとして、越前市の取り組みをリードされた橋本さんのお話を聞いた最後に、一人の女子高校生がキラキラした表情で質問をしてきた。

「使いやすい道路造りを目指して活動していますが、議員さんを巻き込んでいくにはどうしたらいいですか?」

最後の彼女の質問が、いかに橋本さんのお話が魅力的で、聞いた人間を一瞬にしてやる気にさせてしまうかを証明してしまった。こんな人がやろうと言ったら、そりゃあ誰でも1万円寄付しちゃうよな、そう思ったのは、私だけではないはずだ。

越前市の職員だった橋本さんは市役所の職員100人と市民100人で「丹南市民自治研究センター」を創設し、外国人や障害のある方を始め、様々な人との共生のために活動されてきた。そして、「越前市子ども条例」策定に貢献された。福井市民である私から見て、越前市はとても進んでいると思っていたが、なぜ越前市は行政と市民が一緒になって生き生きと活動できるのか。それは橋本さんが行政と市民をしっかりつないでいたからだった。

市町村合併で旧武生市の児童養護施設が廃止になるとなったとき、それなら自分たちで作ろうと2ヶ月で1,000万円集めた行動力はすごい。アクションプログラムや条例をつくっておしまいではなく、しっかり機能するものにしていくから、越前市民は「活動したら変わるんだ」と実感してさらに取り組みを進めていくのだろう。大人がそう実感したら、子どもが「自分たちのことは自分たちで決める。行動すれば変わる」ということを実感する日は近い。

何だか希望の光が見えてきた。今は、橋本さんは一人しかいないが、「リーダーに必要なことは後継者を育てること」だとおっしゃっていたので、後数年たてば福井県内はもちろん日本全国に橋本さんが現れるはずだ。行政と市民が一つになって、子どもたちが生き生き暮らせるまちづくりへの活動が広まるに違いない。

さて、この文章を書いているのはどういう立場の人なんだ、と気になったあなた。このプレイベントのコーディネーターである小野寺さんが最初に言われた言葉を確認したい。

「誰の言葉にも価値がある。知識のあるなしや専門家か素人かは関係ない」 

それぞれの立場をあるときは利用して、あるときは立場を超えて、大人も子どもも意見を表明できる世の中にしていきたい。

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