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第1回学習会レポート 若者についての議論を、若者がしよう

書き手:小林彩乃(運営スタッフ)

「若者についての議論を、若者がしよう」の第1回学習会を6月25日(土)に行いました。この日のテーマは「私達はなぜ社会を作ったのか」。12名の高校生が参加してくれました。

毎回の学習会までに「考えてくること」が設定されています。今回の考えてくることは

①あなたの好きなことは何か?それはなぜか?
②私達はなぜ社会を作ったのか?もし明日社会がなくなったらあなたはどうなるのか?

の2つでした。

まず最初に学習会のルールを確認した後、自己紹介を行いました。まだまだ緊張感の漂う中でしたが、共通点が見つかった人も多く、少し表情が和らいでいた気がします。少しずつでも一人ひとりの力が発揮できる場になればと思います。

自己紹介の後は、さっそく今回のメインである「私達はなぜ社会を作ったのか?もし明日社会がなくなったらあなたはどうなるのか?」について意見の交換を行いました。高校生4人ずつのグループに分かれ、自分の考えを話してもらいました。

【高校生の意見】
・一人で生きるのは過酷なので、共生するために社会をつくった。逆に社会があることのデメリットは、結びつきが増えることによってコミュニケーションをとることが多くなり、いさかいが増えることである。
・社会は人々が得意なことを役割分担して生きている。生活する環境をより良く、自分たちを発展させるためにある。そのため、社会がなくなれば、協調性がなくなって争いが増える。また、人間が発達することがなくなる。
・社会は人とのコミュニケーションによって成り立っている。人間は他の生き物より弱いから、秀でるために社会を作った。社会がなくなったら、孤独になる。自殺の原因にもなるし、争いが増える。文化、娯楽、政治経済は衰退し、お金の価値がなくなる。

各グループの発表後にはさらに深掘りして「200年前と今では社会のあり方が大きく異なる。変化してきた社会に対するあなたの評価は?」「SNSの普及によって社会は変化した?」など様々な角度から考えたことで、参加者の思考が揺さぶられていました。

最後には、小野寺さんによる民主主義についての発表がありました。民主主義の源流は古代アテネであり、日本では明治維新。民主主義も、初めは熱狂の中迎え入れられていたはずであるが、150年も経つと水や空気のような当たり前の存在になり、その価値や成り立たせているものが分かりにくくなってしまった、ということを共有した上で、民主主義についての問いを深めるワークも行いました。

Q 民主主義とは何ですか?
A 選挙で代表者を選ぶこと
B 自分達の問題を自分たちで解決すること

どちらが正解かではなく、異なる方向から眺めて意見を言ってみることが大切という意図です。

【参加者の意見】
・Aは選挙、政治だけでは物足りない。参加できていない感じがする。
・Aは今までやってきたことで、国などの大きな枠組み。
・Bは全部自己責任でやらなければいけないのでつらい。
・Bは小さい範囲の地域や地方自治体などの小さな枠組み。
・SNSの発達で、自分の意見を気軽に発信できるようになった。自分の意見を発信できること自体が民主主義世界をつくっている。

第1回の学習会では、抽象的な概念である「社会」について考えました。参加者はそれぞれ自分の意見をもって集まってきていましたが、他者と交流したり揺さぶりの質問を受けたりしたことで刺激を受け、より思考の深まりがあったのではないでしょうか。

7月9日に行う第2回の学習会も、高校生とスタッフがともに高め合える学習会にしていきたいと思います。

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