どうしてその行動をするのか、知っていますか?
どうしてその行動をするのか、知っていますか?
「デイケアの中の人が語る、精神科まわりのあれこれ」#10
(永遠の5歳児)
ねえねえ~この中で一番、スマートに行動できるステキな大人って、誰?
何でもいいんだけど、例えば、お肌をぽりぽり掻くじゃない。でも、どうしてその行動をするの?
(解答者)
行動する理由?えー、それは、痒いから、じゃないんですか?
(永遠の5歳児)
痒いから、ねえ…ボーっと生きてるんじゃねえよ!
(永遠の5歳児)
私たちはなぜ、その行動をするのか。それは…
「そういう時に、こう行動したら、こんな結果になるな、と、脳が想像しているから」!
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「そういう時に、こう行動したら、こんな結果になるな、と、脳が想像しているから」。
私たちが「お肌をぽりぽり掻く」。それは、もちろん、「お肌が痒いから」でもあります。
肌が痒い(原因・刺激) → 掻く(行動)
けれども、それだけでは、なぜ「その行動をするのか」の説明には、不十分です。
肌をぽりぽり掻くのは、掻いたら「気持ちがいい」からでもあるのです。
肌が痒い(原因・刺激) → 掻く(行動) → 気持ちいい!(結果)
(肌を掻く、という)行動を、その前後(刺激と結果)と合わせた3つの要素から考える考え方を、心理学的には「三項随伴性」といいます。
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実は、私たちがなぜ、その行動をするのか。そのメカニズムは、この「三項随伴性」に加えて、もう一つ別の要素を考える必要があります。
肌を掻く、という例えでは、「肌が痒いから、掻いてみたら、気持ちがよかった」だけでは、次の行動(再び痒くなったら、どうするのか)を説明しにくいのです。
ここで登場するのが、「認知」という考え方。心理学的にはツッコミが入りかねないのですが、認知とは「思考(考え)」と思っていただいて、とりあえずは結構です。
私たちが行動する時には、「行動した結果がどうなりそうか、想像する(考える)」ものです。「肌が痒い時に、掻いたら、気持ちがいいだろうな」と想像する(考える)なら、私たちは「掻きます」。でも、「肌が痒いからといって、掻いたら、掻き崩して傷になってしまいそうだな」と想像すると、私たちは「掻かない」かもしれないのです。
肌が痒い(原因・刺激) → 掻く(行動) → 気持ちいい!(結果)
↑「掻いたら気持ちいいだろうな」と想像する(考える)↑
ですから、もうお分かりですね。私たちがその行動をするのは、「そういう時に、こう行動したら、こんな結果になるな、と、脳が想像しているから」なのです。
(おわり)
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