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【緊急投稿】辛いのはあなただけではない、だから「分かち合おう」

 精神科医療(デイケア)に携わってきた心理士(近日退職予定)が、思うところを自由につぶやいています。

 昨日(8日)午後、安倍晋三・もと首相が街頭で狙撃され、亡くなられたという、たいへんショッキングな知らせがもたらされました。先日、有名芸能人の自死が報じられた際にも、よく言及されたのですが、私たちは、ショッキングな知らせから、自分のこころを護ってよいのです。辛い出来事は、直接体験しなくとも、見聞きするだけでこころのダメージとして、積み重なるのですから(面前DVが、子どもへの心理的虐待とされることからも分かる)。

 ニュースを報じるテレビ番組は、消してよいし、ネットのニュースサイトは、画面を閉じてよい。そうやって、自分のこころを護りましょう、と、多くの方々が強調されています。私がその屋上にさらに屋をかけることは控えるとして、一点だけ補足したいことがあるので、綴ります。

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 よく、「辛いのは、あなただけではない」と呼びかけられます。それはまさにその通りで、平気そうに見えて、実は私も辛いのです。

 ところが、これが「辛いのは、あなただけではない。だから、皆が平気に振舞っているように、あなたも我慢しなさい」という意味となれば、辛い人に寄り添うメッセージにはなりません。「辛いのは、あなただけではない。だから、そう感じるあなたは、あなたのままでOKだし、その気持ちを身近な人と分かち合おう」と言われて初めて、辛い人が肩の荷を下ろすことができるのです。

 デイケアでも、時に辛い出来事が起こりますし、外から深刻なニュースがもたらされる(昨日のように)こともあります。そんな時に、気持ちが揺れるのは、当然のこと。デイケアという場が、利用者の方々の気持ちの分かち合いの場であり続けるよう、計らいたいと思います。私の気持ちを、利用者の方に聞いていただくことも、よくありますよ。お互い様です。

(おわり)

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