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【メンバーシップの宣伝つき】身近なトラウマについての理解を深めよう

【メンバーシップの宣伝つき】身近なトラウマについての理解を深めよう
サイコロジー・メンタルヘルス&日々のあれこれ・その27

※長く勤めていた精神科病院を退職し、“街の心理士”へと華麗なる転身?を果たした「りらの中のひと」が、心理学やメンタルヘルス、日々の出来事などについて感じることを綴っています。

 先日、NHK・Eテレ「ハートネットTV」で、発達期のトラウマ受傷の、成人期にわたる影響について、2回にわたり取り上げていました。

 登壇された当事者の方の“凄惨な”体験には心を痛めるしかなく、トラウマについて世の中の理解が進み、当事者の方々にとって安心して過ごすことのできる社会に少しでも近づくことを、改めて願いました。

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 ところで、テレビ番組として視聴者の注目を集めるには仕方がないのかもしれませんが、番組で取り上げられるトラウマ体験の凄惨さが強調されるほど、「トラウマはごく一部の人の特殊な体験」と認識されてしまうのではないかと危惧します。

 事件として報道されるような、過酷な出来事(命を落とすような虐待・暴行など)ももちろんなのですが、日々の小さな出来事の積み重ねの継続も、トラウマ体験となりえます。そして、トラウマ的な出来事の積み重ねにつながる「逆境」は、実は私たちにとって、とても身近なものなのです。

 また、トラウマは、出来事を直接体験しなくとも、それを見聞きするだけで影響を受けてしまう(面前DVなどは、その極端な例です)ものです。そのことを考えれば、トラウマと関わりのない人生を送っている人は、むしろごく少数なのではないかと思います。自分もトラウマの影響を受け反応していることに、本人が気づいていないだけなのかもしれません(実際、そのようなケースは、臨床場面でよく出会います)。

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 精神疾患としてのトラウマ反応・症状(PTSDなど)は、専門家による専門療法による治療が必要な場合が大多数です。しかし、疾患や症状に至らないまでも、トラウマの影響を受け反応している方々にも、トラウマに配慮したケア(トラウマインフォームド・ケアといいます)が行き届くことが、望ましいのです。

 トラウマを特別視せず、当たり前に捉え、自然にケアできる。そのための理解が広く共有される。そのような近未来を願っています。

 最後に、私事なのですが、このような考えに則り、noteメンバーシップで「身近な『トラウマ』を考える」というコミュニティ(メンバーシップの「プラン」といいます)を運営しています。有料のコミュニティではありますが、よろしければご参加いただき、私たちのトラウマについて理解を深め、ともに発信していきましょう。

(おわり)

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