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冬を詠む〜沙々杯応募〜

去る君の足跡なぞる雪灯り



君の乗る列車探して冬銀河




オリオンの三角窓からシューベルト




私の実家は、山を切り開いた団地の中にある。
山と聞いてみんなが想像するような山奥ではないけれど、そこそこ空気が澄んでいて、そのままの目で星を見ることができた。さすがにこんなに綺麗な星空ではない。


雪がちらつく夜は、氷点下の世界。
空に瞬く星たちを見るのは、ほんの束の間。
だって寒すぎる。
想像よりもずっとずっと、体が震えて動かない。

家に入り、凍てつく星たちを脳裏に思い描く。
布団をすっぽりかぶって目を閉じると、
あのオリオンや冬の大三角が瞼の裏にあった。

そこには永遠のような銀河が広がり、
カムパネムラの乗った列車が汽笛を鳴らし走り去る。
なす術なく見上げるジョバンニの影。
亡くなったあの人も、この列車に乗っただろうか。

大三角の放つ穏やかな光が私を包む。
まるでシューベルトの子守歌が聞こえてくるよう。

星たちと眠りにつく、
幸せな温もりがそこにあった。






——

俳句らしいのを作ろうと思って、
たくさん言葉を探した。

でもやっぱり堅苦しい言葉を使うと、
自分らしさが伝わらない。だからやめた。
じゃないと楽しくないもんね(*´ω`)



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