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昼と夜のすき間に【ひみつ文庫】

空には無数の星が瞬いていた。

星たちは木々に寄り添うように、巨大なイルミネーションを作り上げる。まっすぐ伸びたメタセコイア並木は燃えるように染まっていた。


そこに行きたい。
なのに、なかなか前に辿り着かない。


なぜか車が進まない。
アクセルをどんなに踏んでも、進まない。
しまいには必死に手で漕いでいた。


そんなもので進むのかと思いきや、
案外のろのろと進んでいく。

早く、早く。 

もどかしさとは対照的に、
周りはくるくると進んでいく。

この世界でどうして、私だけが取り残されてしまうんだろうか。

あと少し。

もう少し。



というところで目が覚めた。
日が暮れかけて、
背中にうっすらと汗をかいている。


そうか、本読みながら寝ちゃったんだ。


スマホで読んでると、今のところ確実に寝てしまう。睡眠薬より効果バツグンだ。



夏が終わり、秋になり、それでも空はなかなか晴れない。

そろそろあの森に行きたい。

その気持ちが、夢に出てきたんだろう。



私は森が好きだ。

静かに会話するように、
森の中をゆっくり歩くとなぜか落ち着く。

きっと今頃、葉の端から少しずつ染まってきてる。

そして、落ちる。
重なる。
サクッ、サクッ。
音が鳴る。

涼しい空気の中で、あの水辺に沿って、私は森に向かうだろう。

森はきっと迎え入れてくれる。
同じ地球に生きるものとして、等しく、そして優しい。
そこでは一人の人間として、
自然の中のありふれた一部としての私になり、
何にも遮られず呼吸をすることができる。


晴れたらきっと、あの森に行こう。



私はもうスマホで読むのをあきらめて、体を起こした。



さて、私が読んでいた本とは何でしょうか(*´꒳`*)


知名度が高い本なので、
わかりにくいヒントにしておきます。


●恋とは罪悪である

●どんな君子も金を見ると悪人になる

●人は罰からは逃れられても、罪から一生逃れられない

●どんな善良な人でも、自分を守るために簡単に道を踏み外す


答えはコメントにて(*´艸`)‪



⬇️ふらりさん企画「ひみつ文庫」(9/14まで)


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